やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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番外編を合わせて百話目です。よくここまで続いたなぁ·····
てな訳でどうぞ


九十九話

位置と構造的に、グレンが避難場所に適していると判断した第二階層、南の大講義室にて。

 

 

「……簡易的ですが結界を張りました。チャールズさんの認識阻害魔術と組み合わせましたから、しばらくはあの化け物達はここにいる私達に気づきませんし、入ってこれないでしょう」

 

 

メイベルはこの場に避難してきたチャールズに協力を要請し、ウィリアム達と一緒に行動した事で比較的落ち着くことが出来たチャールズは素直に頷き、メイベルの指示の元、メイベルと共に扉に細工を施していった。

最終的にここに辿り着けたのは三十名弱。半分以上の人数が例の怪物により本に変えられてしまった。

割合としては二組の方が圧倒的に多く生き残っており、本当の実戦経験の差が露骨に現れた結果となった。

グレンの思惑としては、ここに生き残りを集めて、マキシムの『アリシア三世の手記』でここから一回脱出する予定だったのだが、マキシムの持っていた『アリシア三世の手記』は、例の怪物へと形を変えた為、脱出手段が失われてしまった。

そんな状況を、メイベルはこうなることがわかっていたという。そしてあの怪文書の差出人も自分であることも明かした。

グレンがメイベルに、知っている事を話せと促すと。

 

 

「私の正体は……本物の『アリシア三世の手記』なのです」

 

 

メイベルはそう言って自身の左手を右手で爪弾くと、その左手が本の(ページ)のようにめくれた。

自身は人間ではなく“本”と言い切ったメイベルはそのまま、自身が知りうる事全てを話していく。

 

生前のアリシア三世は『魔導考古学』を研究するうちに、“何らかの真実”に気付き、そのせいで二重人格者となり、狂気に陥ったアリシア三世の人格は“何らかの真実”に対抗するために、人間を参考文献に、禁忌教典(アカシックレコード)に限りなく近づいた『Aの奥義書』と呼ばれる狂気の人格をベースとした魔導書、その為の巨大な魔術儀式場―――異なる法則で支配する魔術『特異法則結界』を組み込んだ『裏学院』を作りあげ、その狂気の計画を実行しようとしたが、正気のアリシア三世の人格がメイベルを生み出した後、『Aの奥義書』を『裏学院』に閉じ込め、『裏学院』そのものを封印した後、火打ち石式拳銃(フリントロック・ピストル)で自殺したと。

完全に隔離されていた『裏学院』は、先の異変の学院校舎損壊でほんの僅かな次元の隙間が生じてしまい、『Aの奥義書』がマキシムに自身の断片を渡して出入り口を開けさせたと。

このまま『Aの奥義書』を放置すれば、学院そのものが魔術儀式場となってしまうと。

『Aの奥義書』を消滅させれば、メイベルの持つ機能で脱出と本に変えられた生徒達も元に戻せるという―――“裁断の刑”に処されなかった者以外は。

“裁断の刑”は、あらゆる攻撃に無敵になるという無茶な特性で設計した結果、炎に極端に弱くなってしまった為、それを補うために作った“ルール”だという。

“裁断の刑”に処されたのは全員模範クラスの連中だ。横暴な余所者だが、それでも、助けられたのではないか?という苦い気分になる。

だが、今は感傷に浸っている場合ではないため、気を取り直し、事態解決のため、グレンはメイベルに『Aの奥義書』まで案内するように言う。

 

 

「協力……してくれるのですか?」

 

「それ以外に、手があるのかよ?」

 

「こんな傍迷惑な置き土産、ほっとけるかアホ」

 

 

グレンとウィリアムは、ズレた発言をしたメイベルにそう告げる。

 

 

「さてと……」

 

 

グレンが作戦を考えながら一同を見回していると、何時ものメンバーに加え、カッシュ達も一緒に連れて行ってくれと、グレンに進言する。

グレンはそんな彼らの成長を内心喜びつつ、素直に力を貸してくれと頼み込む。

グレンからの頼みに二組の生徒達が沸き立つなか、心が折れたマキシムがそれに水を差す。模範クラスの生徒達も同様に心が折れており、その場で蹲ったままだ。

 

 

「もうお終いだ……いっそ……」

 

「ンなこと言ってる場合か!?」

 

「口で散々偉ぶっておきながら、結局それか!?」

 

 

グレンとウィリアムは苛立ちを露に、マキシムに吐き捨てる。

 

 

「う、うるさいっ!何故、あんな狂った存在に立ち向かえる!?どうして戦いを挑めるんだ!?」

 

「教師だからだ!!」

「大切なもんを守る為だ!!」

 

 

マキシムの問いに、二人はキッパリと言い放つ。

 

 

「生徒を守んのは教師の務めだ!!それに、“真の魔術師”が何なのか、生徒達が俺の背中を見て、その目で問いかけてんだよ!」

 

「ここで立ち向かわなかったら、俺は大切なもんを失っちまう!だから大切なもんを守る為に戦う、それが俺の信念だ!」

 

「―――ッ!?」

 

 

二人の答えに、マキシムは打ちひしがれたように、絶句する。

―――そして。

戦闘が特に苦手な生徒達、結界維持要員のチャールズ、心が折れたマキシムや模範クラスの生徒達を、安全な大講義室に待機させ、グレン達、総勢十数名は、メイベルの案内の下、『Aの奥義書』が潜んでいる区画へと向かって行く。

その道中でグレンがメイベルに、何故もっと早く公にしなかったのかと聞くと、メイベルは狂気のアリシア三世によって気づかぬ内に行動原理を書き換えられていた為、アリシア三世が作った魔術インクで自身を再編纂(さいへんさん)するまで、できなかったと言い、その魔術インクが入ったインク壺を取り出し、このインクが『Aの奥義書』への唯一の対抗手段であると伝える。

 

 

「そのインクの残りはそれだけですから、あまり無駄遣いはしないで下さい。」

 

 

グレンとウィリアムは素直に頷き、小さいビー玉状のインク弾をそれぞれの銃へと装填していった。

 

 

 




チャールズさんや、他にはどんな写真があるのかな?

「生まれたままの姿、パンチラ、スキンシップ等選り取り見取や!!!」

よし!全部買わせウヴァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア―――ッ!!!(チュドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドンッ!!!!)
感想、お待ちしてます··········(○望の○が~)
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