やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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原作読んで思った事がある·········修羅場はお預けだったよ········ガクッ
てな訳でどうぞ


第十一章・旅行と白銀竜
百三話


「―――本日を持って前学期を終了する。明日から学期間長期休暇……秋休みに―――」

 

 

学院長職に復帰したリックが、前学期終業式の結びの講話を行っている。

全校の生徒も講師も学院アリーナに集っている中、ウィリアムは……

 

 

「…………人工精霊(タルパ)は便利。これ重要」

 

 

またしても人工精霊(タルパ)を使い、今度は教室に居残り。机の上に突っ伏してサボっていた。

今回サボった理由は面倒……というのも勿論あるが、一番の理由は一人になりたかったからである。数日前の騒動―――特にその日の夜の黒歴史を未だ完全に処理仕切れていないからである。その日は偶然酒が入っていた紅茶を知らずに飲んでしまい―――

 

 

「~~~~~~~~ッッッッッッ!?!?!?!?!?!?!?(/////////)」

 

 

自身がやらかした行為を思い出し、ウィリアムは発散するように机の上をバンバンと叩く。変わり身の人工精霊(タルパ)が消えてしまいかねない程に動揺しており、相当堪えていた。……辱しめを受けた筈の少女は実に何時も通りだったが。

 

 

「アレは酒のせいだ、うん。酒のせいだからさっさと忘れよう、うん」

 

 

ウィリアムは自身のあの行動を酒のせいとして、一秒でも早く記憶の奥底に封じる事を決めた。

 

 

「本当にトラブルが多すぎるよな……」

 

 

先日の裏学院の事件を思い出しながらウィリアムは呟く。

 

 

(メイベル……『アリシア三世の手記』が言ってた事も気にはなるがそれ以上に……)

 

 

 

“―――まさか、貴様がいたとは……気づけなかったぞ……”

 

 

 

“―――……思い出したぞ……貴様らは……ッ!?貴様らは……あの……”

 

 

 

ウィリアムの脳裏に過ったのは対峙した魔人―――アール=カーンとアセロ=イエロの言葉。まるで自身を知っているかのような言葉に、ウィリアムは難しい表情で考え込むも……

 

 

(何考えてんだ俺は?ただ単に奴らが昔に会った奴と間違えているだけだろ?真面目に受け取る必要はない筈だ)

 

 

この時のウィリアムは連中の言葉をただの人違いと結論付けた。

 

 

「っていうか家を早く何とかしないとな……何時までも居候という訳にも……」

 

 

ウィリアムは家の事を思い出し、そこから連鎖的に端から見れば甘~い生活が思い出され……

 

 

「……ぁあああああああああああああああああああああああああああああ―――ッ!?!?!?!?!?!?」

 

 

ウィリアムは再び頭を抱えてのたうち回るのであった。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

その後、アリーナに集っていた一同も教室に戻り、本日最後のHRも終えた教室は明日からの休暇に話を咲かす生徒達で賑わっていた。

 

 

「明日からの休み、どう過ごすんだ?」

 

「課題と来期の予習をするに決まってるだろ」

 

「じゃあ、一緒にやってもええか?編入したばっかやから色々と覚えなあかん事がぎょうさんやし、ついでに教えてぇな」

 

 

ギイブルの言葉に新しく二組に編入した、マキシムの元・模範クラスの生徒―――チャールズがそう頼みこんでくる。

 

 

「別に構わないさ……復習に丁度いいしね」

 

「ありがとうな!お礼に今度、僕の持っとる秘蔵の写真をタダであげたるわ!!」

 

「卑猥な写真なんか欲しくない!!」

 

 

チャールズのお礼にギイブルは顔を真っ赤にして拒絶する。

 

 

「何だと!?だったら俺も教えるぜ!!」

 

「僕も教えるからその秘蔵の写真を下さい!!」

 

 

話を聞いていた男子生徒達がお礼の写真に目が眩み、自ら名乗り挙げていく。こんな感じでチャールズはすっかりクラスに馴染んでおり、ギクシャクとした雰囲気は一切無い。女子生徒達からは汚物を見るような目をよく向けられているが……

そんな浮わつく中、システィーナとルミアは真剣な表情でだらしなく教卓にいるグレンを見つめていた。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

昨夜の深夜、ウィリアムがお風呂に入っている間にそれは起きていた。

 

 

「システィ。私達、このままじゃ駄目だと思う」

 

「急にどうしたのルミア?」

 

 

何時になく真剣な表情で宣言するルミアに、システィーナは目を瞬かせながら問いかける。リィエルはソファーでうとうとと眠りかけている。

 

 

「このまま受け身のスタンスだと、イヴさんに追い越されると思うの」

 

「る、ルミア!?いきなり何を―――ッ!?」

 

 

ルミアの言葉にシスティーナが動揺していると。

 

 

「お風呂空いたぞー」

 

 

談話室にお風呂から上がったウィリアムが入ってきて、空いた事を伝えに来ていた。

勿論、浴槽のお湯は入れ替えてある。

 

 

「わきゃあッ!?」

 

「?どうしたんだ、変な声出して?」

 

「あはは……何でもないよ」

 

 

ウィリアムの疑問をルミアが何時もの笑顔で受け答える。

 

 

「……ん?お風呂、空いたの?じゃあ、わたしが入ってくる……」

 

 

うとうとしていたリィエルが目を覚まし、寝惚けたままお風呂場へと向かって行く。それを確認したウィリアムはそのまま割り当てられている自室へと向かって行った。

 

 

「話を戻すけど、グレン先生とイヴさん、今はいがみ合っているけど……何か切っ掛けがあると、感情がくるっとひっくり返ってそのまま……って気がするの」

 

「……う」

 

「今すぐどうこうという訳じゃないけど、とにかく、このままだと女の子扱いされないと思うの」

 

「それは、確かに……」

 

「先生と生徒だから、リィエルがウィリアム君にやっている事を先生にするのは逆に悪手になるから……」

 

「ちょっとルミア!?何でそこで二人を引き合いにだすの!?」

 

「でも、本人に自覚がないとはいえ、リィエルが私達より大分先に進んでいるのは事実だよ?」

 

「うぐっ!?」

 

 

ルミアの指摘にシスティーナは胸を抑えて項垂れる。キス、一緒にベッドで寝る、酒が原因とはいえ、愛でられる……間違いなくリィエルは自分達の先を進んでいる。

 

 

「だから先生に少しでも私達の事を女の子として見てもらう為には―――」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

―――そんな訳で、システィーナとルミアはこの長期休暇を利用してグレンを旅行に誘うという、現時点での攻めの作戦をルミア主導の元で立案した。旅行自体は二人にも今朝話している。

そして満を持してグレンを旅行へと誘い、本人も了承したその矢先―――

 

 

「グレーーーーーーーーンッ!!!!親子水入らずで旅行に行くぞーーーーーーーッ!!!」

 

 

グレンの母親代わり、セリカが上機嫌で現れ、グレンを旅行に誘ってきていた。セリカはあの騒動の後、再びどっかに行っていたのだが、どうやら二人きりの旅行の準備をしていたようであった。しかも行き先は既に決めているという。

 

 

「ちなみに切符はもう取ってあるから拒否権はないぞ?」

 

 

しかも相手の都合なんぞ知ったことじゃないと云わんばかりの横暴さ付きで。

ここでようやく、システィーナとルミアは最大のライバルはイヴではなくセリカである事に気付き、自分達の作戦の出鼻を見事にへし折られた事を悟る。最早二人に出来る事はただ一つ―――

 

 

「「アルフォネア教授ッ!!私達も一緒に連れて行って下さい!!」」

 

 

セリカとグレンの旅行に同行する。これしかなかった……

 

 

「ああ、いいぞ!グレンが喜ぶからな!」

 

 

セリカもあっさりと了承し、秋休みの旅行はセリカ主導で行くこととなった。

 

 

「ん。皆一緒で楽しみ」

 

「二人は初っぱなから疲れているようだけどな……」

 

 

そんな中、リィエルは楽しそうに目を細め、ウィリアムは二人の心情を察して深い溜め息を吐いていた。

 

 

 




本当にあの子との再会は何時になるのかな······?原作待ちだなぁ······(泣)
秋休み期間はどこまでいくのかな·····?
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