てな訳でどうぞ
グレンの犬耳騒動が一先ず落ち着き、グレン達は中庭でシスティーナが用意したお弁当を食べる事にしたのだが……
「「「視線が痛い……」」」
「?」
グレン、ウィリアム、イヴの言葉が見事にハモる。
イヴは最初は用事があると言って誘いを断り、人目から隠れて食事するつもりだった。
だが、他の生徒達が食事にこれでもかというくらいに食事に誘ってきたので、「今日は先約がある」と言って断り続けていたが。
「ひょっとしてグレン先生達とお食事ですか?」
「そうよ!だから今日はあなた達とは出来ないのよ!」
と、自ら逃げ道を塞いでしまった為、仕方なくいつものメンバー+セリカという団体で中庭で食事する事となった。
当然ながらイヴとリィエルの獣耳姿をこの目に納めようとする人達がいるわけで、その結果、中庭はいつも以上に人で溢れかえっていた。
「……触らないでよ、白猫、ルミア」
犬耳姿の子供グレンは、サンドイッチを食べながら二人に止めるように言うが。
「……悔しい、なんか悔しい……」
「先生の尻尾も気持ちいいです……!」
当の本人達には微塵も届いていなかった。
「……まだモフるのかよ……」
「ん。ウィルの尻尾の触り心地、すごくいいから」
リィエルは食堂で買った苺タルトを頬張りながら、変わらずにウィリアムの尻尾を触っており、もう慣れてしまったウィリアムは静止を諦めており、されるがままにしてミートパイを頬張る。
「ウィルはわたしの尻尾を触らないの?」
「………………、…………アウトだろ。常識的に考えて」
長い沈黙の後、ウィリアムはそう言うも。
「別に大丈夫だろ?本人がいいって言っていたんだから」
悪魔のごとき誘惑の言葉がセリカの口から放たれた。
「いや、だけど……」
「随分とヘタレているなぁ?」
「だから常識……」
「一緒に毎晩寝ているのにか?……ああ、そうか」
セリカはそこで非常に悪い顔をして、特大の爆弾を投下した。
「ベッドの上で楽しむつもりだったのか」
「―――ぶほぉっ!?」
その爆弾発言にウィリアムは盛大吹き出してしまう。
「いや~、すまなかったな。気がきかなくて」
「違う!断じて違う!」
「違うのか?じゃあ、リィエルの尻尾には興味が無かったのか。残念だったなリィエル」
「そうじゃない!単に我慢して……あっ」
そこでウィリアムは自ら墓穴を掘ってしまった。
「ウィル」
そんなウィリアムに、リィエルは背中を向けて、自身の尻尾をフリフリと振ってスタンバイする。
「我慢しなくていい。むしろ触ってほしい」
その瞬間、ウィリアムの今まで我慢していた何かが弾け飛んだ。
ウィリアムは焦点の合わない目となり、リィエルの尻尾を堪能し始めた。
「……スリスリ……ギュウウ……モフモフ……」
「……んん……ぁ……ぅ……ぁん……」
病的なまでにリィエルの尻尾を頬擦り、抱きつき、お触りして堪能するウィリアムに、いきなりのお触り攻撃に若干顔が強張ったリィエル。
そんな二人の姿を。
「…………」
「……うわぁ」
「随分と思いきったなぁ?」
「(ニヤニヤ)」
「……ハァ、まったく……」
システィーナは顔を真っ赤に硬直し、ルミアも真っ赤な顔を両手で隠すも指の隙間からその光景を凝視し、元凶たるセリカと、システィーナとルミアから脱出したグレンは悪いにへら顔で、イヴは呆れて見守っていた。
「「「「ぁあああああああああああああああああ―――ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」
周りの男子生徒達は目を押さえて盛大にのたうち回って叫んでいたが……
「きゅ、急に喉が渇いたわね!?」
システィーナは内心の動揺を隠すように飲んでいた紅茶を一気に飲み干し、ルミアも同様の理由で手元の紅茶を飲み干した。
「まったく……動揺し過ぎよ」
そんな二人にイヴが呆れていると。
ギュムッ!
「わきゃあっ!?」
突然尻尾が握り締められた感覚に思わず悲鳴を上げるイヴ。
見れば悪い顔したグレンがイヴの尻尾を握り締めていた。
「《吹き飛べ》ッッッ!!!!!!」
ちゅっどぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっ!
「わああああああああああああああああ―――ッ!?」
イヴの魔術で盛大に空へと吹き飛ぶグレン。
「……まったく先生は……」
「あはは……?」
その光景にシスティーナが呆れていると、曖昧に笑っていたルミアがシスティーナを見て言葉を失う。
「どうしたのルミア……?」
システィーナは疑問に思ってルミアを見やり―――硬直した。
何故ならルミアの身体から、犬の耳と尻尾が生えていたからだ。
「え……?ルミア……?その犬耳は……?」
「システィも……その猫耳は……?」
ルミアのその言葉に、システィーナは呆然としつつも頭に手を当てると、確かに自身の頭にも猫の耳が生えていた。
二人は慌ててセリカの方へ顔を向けると、当の本人はいい笑顔でサムズアップしていた。
「「アルフォネア教授ッ!?」」
「お前達も中々似合っているぞ?」
「まさか、紅茶に薬を入れたんですか!?」
それに対し、セリカは再びいい笑顔でサムズアップして答えた。
「どうしてこんな事をしたのですか!?」
「面白そうだからだ!!」
「ですよねぇ!?」
「「「「ありがとうございますアルフォネア教授ッ!!!!!!!」」」」
こうして第三次獣耳騒動の火蓋が落とされるなか。
「モフモフ……モフモフ……」
「ん……」
瞳が渦を巻いて正気を失っているウィリアムは周囲に構うことなく、リィエルの狐耳をモフって堪能しまくっていた。
「……もうヤダ、この学院……胃に穴があいてしまいますよ……」
そのカオス真っ只中の光景をお腹を右手でおさえて痛そうにしている茶髪の十八歳前後の青年は、社交舞踏会の後、赴任してきた新人の教員だ。
名はギーゼン=G=アルバーン。第五階梯に至った若き天才魔術師である。
ギーゼンは床に伏せがちなセシリア法医師の補助の為にこの学院に赴任したのだ。セシリアが治療の天才であれば、ギーゼンは医薬品等の魔薬調合の天才である。
ギーゼンはもう日課となっている、自身が調合したドリンクタイプの胃薬を“宝箱”から取りだし、現実逃避のように飲んでいった。
午後の授業、正気に戻ったウィリアムは己の行動に顔を真っ赤にして、顔を机の上に突っ伏して悶えていた。
学院の帰り道に一苦労したり、娘達の獣耳姿に父親が暴走したり、二人のベッドの上でのモフりはまた別のお話……
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「…………(モグモグ)」
(エルザの背後にいる龍が滅茶苦茶暴れてるんだけど!?本人の目もすごく据わっているし!!)(泣き)
(雷が大量に降り注ぐ幻覚まで見えていますわ!!本当に何が起きているんですの!?)(泣き)
(あっ、エルザさんが持っているフォークが曲がりましたね)(現実逃避)
(それと同時に、大量の竜巻が吹き荒れる幻覚が!?)
「…………フ、フフフッ…………」
―――某女学院の昼食中に起きた出来事。
この話は一旦ここで終了
次の話は······ガッデム○○かな?早く書かねば········!
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