こういうのもありの筈!!!ブラックコーヒー用意ッ!!
てな訳でどうぞ
学院からの帰り道、全身を覆うフード付きコートを身に纏った四人の集団が帰路についていた。
その四人は、セリカによって獣耳と尻尾を追加されたウィリアム、リィエル、システィーナ、ルミアである。
「ううぅ……」
フードが取れないように名一杯、フードの裾を掴んで目元まで被っているシスティーナは顔を真っ赤に涙目となって、唸りながら歩いている。
「……何でこれを被る必要があるの?」
「隠さないと目立つからだよ……」
「あはは……」
リィエルの疑問にウィリアムがうんざりしながら答えており、ルミアも苦笑いしている。
見られたら大騒ぎ間違い無しの獣耳と尻尾をコートで隠して、四人はフィーベル邸へと帰っていく。
「仕事でお父様達が家に居ない事を今日程感謝した事は無いわ。こんな姿、お父様が見たら絶対暴走するから」
「確かに……お義父様が見たら大変な事になるね」
「?」
親バカのレナードが今日も家に居ないであろう事実に、システィーナは感謝し、ルミアはシスティーナに同意し、リィエルはいまいち分からずに首を傾げていた。
「……何故だろう。凄く嫌な予感がしたんだが……」
そんなシスティーナの発言に、猛烈な不安をどこからか感じたウィリアムは脂汗を垂らしていた。
その嫌な予感は見事に的中した。
「ただいまー」
「あら、おかえりなさい……って、あら?」
エントランスホールにはフィリアナがおり、母の声が聞こえた瞬間、システィーナはその場で崩れ落ちた。
「急にどうしたのシスティ?それに皆もどうしてそんなコートを……?」
「……どうして、今日に限って……」
「システィ、しっかり!?」
「えー、実はですね……」
ウィリアムがフィリアナに事情を説明しようとした矢先―――
「やっと帰ったかぁああああああああああああああぁぁぁぁ……?」
親バカのレナードがホールの奥の階段から駆け下りてくるも、システィーナの様子にレナードも思わずその勢いを弱める。
「どうしたというのだシスティ?っは!まさか、そこにいる悪魔がシスティに酷い事をしたのか!?許せん!!お父さんが今すぐ成敗―――」
こきゃ。かくん。
レナードがウィリアムに原因があると早とちりして襲いかかろうとした瞬間、フィリアナがレナードを絞め落とした。
「ウィリアム君。この人の事は気にせずに何があったのか説明して頂戴」
「アッ、ハイ」
相変わらずのフィリアナの謎の迫力にウィリアムは逆らう事なく、コートのフードを取りながら事情を説明していった。
――――――――――――――――――――――――
「むぅ……まさかそんな事が……」
食事を終え、事情を聞き終えたレナードは難しい表情をして、ウィリアムを除く、獣耳と尻尾が追加された娘達を見やる。
「お父様、あんまり見ないで下さい……」
猫耳を力なく垂れ下がらせたシスティーナは懇願するようにレナードに言う。
「明日には元に戻るらしいので、この件は……」
「許さん」
「え?」
「絶対に許さん!!愛しい娘達を更に愛しくさせる等断じて許せん!!すぐに写真に残すから少し待ってなさい!!」
「やめてお父様ッ!!それはやめてぇえええええええええ―――ッ!!!!」
レナードの暴走に、システィーナは猫耳と尻尾を逆立たせ、悲鳴に近い懇願叫びを上げると―――
こきゃ。かくん。
お茶を取りに行っていたフィリアナが再びレナードを絞め落とした。
「取り敢えずお茶にしましょう?」
フィリアナはニコニコの笑顔でそう言い、持ってきた紅茶を並べていく。
「……いただきます」
逆らう事なく出された紅茶をウィリアムは鬱憤を晴らすように一気に飲み干した。
「紅茶にちょっとお酒を混ぜてみたけれどどうかしら?」
「美味しいれすよ」
「「……え?」」
「ん?」
「あら?」
ウィリアムの語尾がおかしくなっている事に一同は疑問の声を上げる。
「……ウィリアム。ひょっとして酔ってる?」
「酔ってりゅわけないだろ」
システィーナは確信した。ウィリアムは確実に酔っぱらっていると。
「あらあら。お酒は少ししか入れてない筈だけど……?」
フィリアナの疑問を尻目にウィリアムは不意にリィエルを肩へと担いだ。
「ん?どうしたのウィル?急にわたしを担いで」
「今日はりょくも俺の耳と尻尾をしゃわりまくってくれたにゃ。お返しに今から部屋でその耳を弄りまくってやりゅ」
ウィリアムはそのまま部屋へと向かって歩いて行く。その足取りは若干ふらついてはいるが。
「「…………はっ!?」」
「正体を現したなこの悪魔め!!今ここで成敗してくれるぅううううううううううう―――ッ!!!!!!」
その様子を前に、いつの間にか復活していたレナードが、鬼のような形相でウィリアムに襲いかかるも―――
「じゃみゃ」
ビタァアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!
「ぎゃあああああああああああああああああああああああ―――ッ!?」
ウィリアムは【
レナードはその不意討ちをマトモに食らってしまい、呆気なく床に沈んで沈黙してしまう。
「「「…………」」」
「そりぇじゃ、じゃみゃするにゃよ?」
ウィリアムはそう言って、リィエルを担いだまま、食堂を後にした。
食堂に残された一同は……
「どうしたらいいのかしら……?」
「さすがに大丈夫……だよね?」
「うふふ、若いわねぇ」
「…………(ピクピク)」
別々の反応をしていた……
―――――――――――――――――――――
自身に割り当てられた部屋へと辿り着いたウィリアムは担いできたリィエルをベッドの上に乗せて、そのまま覆い被さるように押し倒した。
「しゃあ、覚悟はいいかにゃ?リィエル」
「ん。いつでもいい」
ウィリアムの宣告に、リィエルはいまいち理解せずに待ち構えていた。
「それにゃあ、遠慮にゃく……」
ウィリアムは呂律の回っていないまま、リィエルの狐耳を触り始める。
「ん……!」
昼休みの時よりも容赦のない触り具合に、リィエルは反射的に身体を強張らせる。
「こにょ程度で感じてりゅのか?」
「……ん…………ぁあ…………んん…………」
ウィリアムは両手で片方の耳を触りまくっており、リィエルも今まで以上に敏感に感じており、悶えた声が洩れていく。
(何か、変……どうしてこんなに……力が抜けるの……?)
現在進行形で身体中の力が抜けていっている事にリィエルは疑問に感じるも、酔っているウィリアムはそんな暇を与えないと云わんばかりに、容赦なく攻めていく。
「こっちも可愛いがりゃないとにゃ……フゥ~」
ウィリアムはそう言って、リィエルの反対の狐耳に息を吹き掛けていく。
「んん……ッ!?んあ……ッ!」
それに対し、リィエルは感じているらしく、身体を仰け反らせて悶えさせていく。
「どうしゅた?ひょっとしゅて、気持ちいいにょかにゃ?」
「……気持ちいい……?」
ウィリアムの質問に、顔を自然と赤くなっているリィエルはそのまま聞き返す。
「……ん。嫌な気がしないから、多分、気持ちいいと思う……」
「そりぇなりゃ、こりぇはどうかにゃ?」
ウィリアムはそう言うや否や、リィエルの狐耳にアムアムと甘噛みし始めた。
「んあっ!?んんん……ッ!?」
噛みつかれた狐耳から伝わる奇妙な感覚に、リィエルは身を強張らせ、悶えていく。
「アムアム……ハムハム……」
「……ん……ぁあ……ぅぁ…………んく……ぅぅぅ…………ッ!」
ウィリアムは甘噛みを続けており、耳を噛みつかれているリィエルは完全にされるがままに身を悶えさせている。
「ムグムグ……不思議と甘いにゃあ……」
「……ハァ……ハァ……」
ウィリアムの声はリィエルには殆ど届いておらず、狐耳を容赦なく攻め続けられたリィエルはイヤらしく感じる吐息を吐いている。
「せっきゃくだし、こちりゃの仕返しもしとくきゃ……」
「……え?」
ウィリアムはそう言って、自身の唇をゆっくりとリィエルの唇にへと近づけていく。対するリィエルは、不思議と高鳴る鼓動と共に、目を瞑る事なくそれを待ち―――
―――ウィリアムの顔はリィエルの顔のすぐ隣へと沈んだ。
「…………」
「…………すぅ……すぅ……」
「むぅ……」
その結末に、リィエルは何故か不機嫌な気分となる。リィエルはそのまま、まだ力が上手く入らない腕でウィリアムを抱き締める。
「この気持ち……よくわかんないけど……」
ウィリアムを可能な限り、力強く抱き締めると、あの時の暖かさが胸の中に満ちていく。
「すごく……幸せな気分になる……」
リィエルはそんな暖かい気分のまま、夢の世界へと旅立っていった。
「~~~~~~~~~ッ!!!!!!?」
「……うわあ……うわあ…………すごい……すごすぎるよ……」
「ふふふ、本当に熱いわねぇ」
扉の外野に一切気づかぬまま……
翌日の朝―――
「ぁあああああああああああああああああああああああああああああ―――――――――ッ!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
「ウィル、うるさい」
ウィリアムは自分が仕出かした行為に、顔を赤めて盛大に床をのたうち回って暴れる事となり、リィエルからはうるさいと言われる事となった。
これは······やり過ぎたか······?
しかし後悔はない!
感想お待ちしてます
作者はこの後、塵芥となりました