やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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こんな駄文の伏線じゃ簡単に先を予想できるんだろうなあ、と思う厄介な猫さんです
てな訳でどうぞ


十三話(改)

アルベルトの先導の元、辿り着いたフェジテ西地区にある路地裏の更に奥まった場所に、一同は来ていた。

 

 

「あの……先生、このお二人は……?」

 

「ああ。《戦車》のリィエルに《星》のアルベルト。俺の宮廷魔導士時代の同僚だよ」

 

 

不安と戸惑いの表情を浮かべ二人の事を聞いてきたルミアに、そう答えるグレン。

そんな中ウィリアムは―――

 

 

「……(ジィ~~)」

 

「……」

 

 

移動を含めた現在進行形でリィエルに見つめられて、何とも言えない微妙な気分になっていた。

 

 

「……なんでそんなに俺を見つめるんだ、お前は?」

 

「……何となく?」

 

 

ウィリアムの質問に、リィエルもよく分かっていないような返答で答え、首を傾げる。

さっきからリィエルがこんな感じなので、ウィリアムの調子は狂いっぱなしである。

 

 

「……そろそろ話を進めるぞ。事態は想定以上に深刻だ」

 

 

そんな状況をアルベルトは相変わらずの冷ややかな態度で会話を切り出していく。

アルベルトが調べた限りでは王室親衛隊の総隊長ゼーロスの主導の元、女王陛下を監視下におき、元王女であるルミアを抹殺しようと動いている。その理由としてルミアが魔術とは異なる力―――『異能者』である事が挙げられるが、不敬罪を犯してまで敢行する事なのかという疑問が上がる。

 

 

「考えても仕方ない。わたしが状況を打破する作戦を考えた」

 

「ほう?言ってみ?」

 

 

思索の膠着状態にしびれを切らしたようにリィエルが割って入り、グレンがその続きを促す。そうして、リィエルが提示した作戦は―――

 

 

「まずわたしが突っ込む。その次にグレンが突っ込む。さらにその次にそこの目付きの悪い人が突っ込む。最後にアルベルトが突っ込む……どうッ!?」

 

「それのどこが作戦だ!?唯の無謀な突撃だろうが!!」

 

「……痛い」

 

 

作戦でも何でもない、リィエルの猪発言にウィリアムは青筋を額に浮かべ、リィエルの頭に右腕の拳骨を振りおろした。

その拳骨をマトモに喰らったリィエルは、無表情ながらも若干涙目で頭を抑えている。

 

 

「お前がいなくなってからの俺の苦労……少しは理解したか?」

 

「……うん、ゴメン。本当にゴメン」

 

 

アルベルトの少々怒気の含んだ言葉に、自分が退役してからの苦労を察したグレンは素直アルベルトに謝った。

 

 

「正直、いろいろとお前には言いたい事があるが、今は言わないでおいてやる」

 

「……ああ、悪いな……」

 

 

そんなグレンとアルベルトを他所に、ウィリアムはガミガミとリィエルに言い募る。

 

 

「それと俺にはウィリアム=アイゼンというちゃんとした名前があるんだよ!目付きの悪い人じゃねぇッ!」

 

「……そうなの?」

 

「お前は俺を何だと思っているんだ?」

 

「……容赦なく暴力を振るう人」

 

「自分の行いを振り返ってからいいやがれ」

 

 

その容赦のないウィリアムの言葉に、少し離れた場所で見守っていたルミアは苦笑いを浮かべている。

普段のやる気なさげなウィリアムから大分かけ離れてはいるが、ソコに不穏さはなく、寧ろ微笑ましく見えるくらいである。

 

 

「とにかく俺の名前はウィリアムだ!わかったか!?」

 

「……わかった」

 

 

ウィリアムはそのまま、リィエルとの(一方的な)会話を打ち切り疲れた顔をする。

見た目がイルシアそっくりのリィエルに完全に振り回されてしまっている。

とにかく現状を打破する為に、ウィリアムはグレンとアルベルトの会話へと加わる事にし、ある一つの作戦を立てていった―――

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

現在、二組の午後の成績は下り坂であった。

その理由は、ルミアを探しにいったグレンが戻って来ないため、その勢いは完全に下火であった。

皆の士気が落ちかけ、弛緩した空気が流れ始める中、二組の元に黒を基調とした帝国式の正装に身を包んだアルベルトとリィエル、そしてウィリアムが現れる。

 

 

「ウィリアム、その人たちは……?」

 

「先公のダチで、指揮の代理」

 

 

システィーナの疑問に、どこか上の空で要所しか言わないウィリアムの紹介に、改めてアルベルトとリィエルが二組の面々に挨拶をする。

ここからはアルベルトがグレンの代わりに指揮を取るというが、当然クラスのみんなは不振な目で代理の二人を見つめる。

しかし、リィエルがシスティーナの手を握った際、システィーナが何かを察し、アルベルトの代理指揮を了承した。

当然、クラスメイト達は困惑するが……

 

 

「大丈夫よ、この人達は多分、信頼できる。それに……」

 

 

システィーナはここで負けたらグレンに絶対にバカにされるといい、その怒りで萎えていた二組の闘志に再び火を着けさせた。

そしてアルベルトの指揮の元、二組は再びその勢いを取り戻していった。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

「どうなっているんだ!?」

 

 

王室親衛隊のベテラン衛士、クロス=ファールスは困惑し、焦っていた。

何の前触れもない抹殺命令に不自然さを感じらがらも、己の責務を果たそうと命令を真っ当しようとしていた。

だが、抹殺対象の少女とそれを妨害した魔術講師と謎の仮面の人物。

その目撃情報があちらこちらから大量に出ているのだ。

その為、数名を一単位とした何十単位もの班に分かれそれぞれ追いかけているのだが、追いかけている途中で急に曲がり門で忽然と消えたりして、他の場所から引き離されたりして包囲網を敷く事が出来ず、情報も混乱し、体力も無駄に消耗してしまっている。

そんなこけにされている現状に苛立ちながらも、クロスは追いかけながら指示を出していった。

 

 

 




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