やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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ご都合展開感がハンパない······
てな訳でどうぞ


十四話(改)

アルベルトの指揮で息を吹き返した二組は怒涛の勢いで盛り返していき、大逆転の総合優勝を掴みとった。

そして競技祭の終了式へと進んでいき、式の最後である賞の授与へと進んでいく。

 

今年は来賓していたアリシア七世女王陛下から直接勲章を授与されるという、名誉高い授賞式。

例年通りであれば担当講師とクラス代表の二名が勲章を受け取りにいくのだが、表彰台に立ったのは、アルベルトとリィエル、ウィリアムの三人であった。

 

 

「あら……?貴方達は……」

 

「……来たか」

 

 

見知っている二人の登場に戸惑い、首を傾げるアリシアに一人呟くセリカ。そして訝しみ、不審に思うゼーロス。

 

 

「申し訳ありません女王陛下。此度はもろもろの事情により、例年とは違う形になっていますが……」

 

「なあ、おっさん」

 

 

ウィリアムの説明を引き継ぐかのように、アルベルトが、アルベルトではない声でゼーロスに話しかける。

 

 

「いい加減、バカ騒ぎは終いにしようぜ?」

 

 

その言葉と同時にアルベルトとリィエル―――二人の周囲が一瞬歪み、そこからグレンとルミアが現れる。

 

 

「馬鹿な!?何故貴様らが―――!」

 

「入れ替わったんだよ。【セルフ・イリュージョン】を使ってな」

 

 

ゼーロスの疑問に正体を明かしたグレンはそう答える。

 

グレン達は女王陛下の前に会うために一つの作戦を考えだした。

グレンとルミア、アルベルトとリィエルが黒魔【セルフ・イリュージョン】―――光を操作して変身したように見せる幻影の魔術―――で互いの姿へと変身し、アルベルト達は親衛隊の引き付け、グレン達は警備が最も手薄となるこの瞬間のために二組の総合優勝を目指すというものである。

ウィリアムは親衛隊を撹乱するために、本来の手法で人工精霊(タルパ)によるグレンとルミア、自身の幻影を大量に具現召喚し、街中のあちこちを走らせていたのだ。

固有魔術(オリジナル)を利用した具現召喚では時間制限が存在するため、長時間使用するために本来の手法と事前に用意していた疑似霊素粒子粉末(パラ・エテリオンパウダー)を全部使って召喚したのだ。

 

 

「くっ、親衛隊、賊を捕らえろ!」

 

 

狼狽していたゼーロスは直ぐ様、女王陛下を背中に庇いながら、親衛隊に指示を出しグレン達を捕らえようとするも―――

 

 

「セリカ、頼む」

 

「……《すっこんでろ》」

 

 

セリカのその一言で断絶結界が周りに張られ、互いの景色が見えなくなった結界内部はグレンとルミアとウィリアム、女王陛下にセリカ、ゼーロスのみとなった。

グレンはセリカに礼をいい、女王陛下に今回の事態を説明する。

 

 

「陛下、これ以上の暴挙を辞めるよう勅命を」

 

「それでは……ならんのだ」

 

 

グレンの進言を苦渋の顔でゼーロスが遮る。

 

 

「何だって?」

 

「事が終われば私は全ての責を負って自害する。だが、陛下だけはなんとしてもお守りしなければならんのだ!」

 

 

まるでそうしなければならないかのようなゼーロスの発言にグレンは訝しむ。

そんな中ウィリアムは必死に頭を回していた。

 

 

(あのおっさんの言い分からして、今回の事はやりたくてやっているのではないように聞こえる。加えてアルフォネア教授は何故動けないといっていた?そして、先公にしか出来ない事はなんだ?先公にしか出来ない事はその場にある魔術起動の―――)

 

 

情報を整理していたウィリアムは、そこで一つの可能性に思いつく。

 

 

「失礼ながら陛下」

 

 

ウィリアムはその可能性を確かめるために、あたりさわりの無い言葉で問いかける。辿り着いた可能性を直接、口に出すのはまずいからである。

 

 

「今身に付けている物の中で『一番のお気に入り』はありますか?」

 

「そうですね……このネックレスが私の『一番のお気に入り』でしょうか」

 

 

ウィリアムの唐突な質問に、嬉々として笑いなが首にあるらネックレスを持ち上げる女王陛下。

女王陛下のその言葉と対応にルミアは顔を暗くして俯き、ゼーロスは焦りの顔を、セリカはほくそ笑むという三者三様の反応をする。

 

 

「そのネックレスですか?正直に申し上げますと陛下の美しさをダメにしてますよ?外したほうがよろしいという程に」

 

「お気に入りですから、()()に外したくありません」

 

「……成る程、そういうことか。陛下、そのネックレスを今から外して差し上げますよ」

 

 

一見すれば何てことのないウィリアムと女王陛下の会話。

だが、その会話で全てを理解したグレンが不敵に笑い、女王陛下に向かって走り出す。

 

 

「余計な事をするな!」

 

 

ゼーロスは焦燥を露に二本の細剣(レイピア)を構えて、グレンを止めに行こうと踏み出そうとするも―――

 

 

「させっかよ!」

 

 

ウィリアムはその切先を妨害するように、ゼーロスに向けていつの間にか握られていた右手の拳銃と左手の小銃(ライフル)を構え、非殺傷弾を放っていく。

 

 

「邪魔をするなぁッ!!」

 

 

ウィリアムの妨害を受けながらも、必死にグレンを止めにいこうとゼーロスは急所を庇いながら飛び込もうとする。

だが、その前に、女王陛下は首にかけてあったネックレスを投げ捨てていた。

 

 

「陛下!?何故―――」

 

「大丈夫ですよ、ゼーロス」

 

 

絶望の表情で驚愕するゼーロスに、女王陛下は何事もないかのように言う。ゼーロスはあり得ない事が起きたかのようにポカンとした顔をする。

そんな中、グレンは捨てられたネックレスを拾いあげ、忌々しげに睨み付ける。

 

 

「やっぱり呪殺具だったか」

 

「大方、解呪条件はルミアの殺害なんだろ?」

 

「その通りだよ。黒幕にまんまと釘を刺されてな」

 

 

二人の言葉にセリカがそれを肯定する。

グレンの言う通り、女王陛下が身につけていたネックレスは解呪条件を満たさなければ装着者を殺す呪殺具であった。

だからこそ、グレンだけが―――あらゆる魔術起動を完全封殺する固有魔術(オリジナル)【愚者の世界】を持つグレンだけが―――この状況を打破出来るとセリカは伝えたのだ。

 

 

「これが原因で親衛隊が暴走したとか……ホンッと面倒な事をしてくれたな」

 

「全くだ、生きた心地が全然しなかったしよ」

 

 

そんな事をグレンとウィリアムは宣いながら、二人は互いに泣き、娘を抱き締める母親の姿を見つめる。

 

 

こうして、国が崩壊する寸前だった騒動は幕を閉じた。

 

 

 




どんどん書くのが難しく感じていく····
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