嬉しいです!!
てな訳でどうぞ
「やっと解放された……」
うんざり顔でそんな事を口にしながら夜のフェジテの町を歩くウィリアム。
あの後、女王陛下の巧みな話術による事情説明により、大きな混乱もなく事件は終息した。
当然、事件の中心地におり、事件を解決させたグレンとウィリアムはその功績から勲章を与えられた。
女王陛下がウィリアムに勲章を渡すさい―――
『流石はあの方の弟子ですね』
と、周りからすれば意味不明な言葉を口にしていた。当の本人は遠くを見つめる目をしていたが。
(どんだけ後の事を考えてたんだよ、師匠)
相当自分に対して手を回していた事に改めて、今は亡き師匠の凄さに逆に呆れていた。
ウィリアムがこの二年間、問題なく暮らせていたのはその師匠がセリカとアリシア女王に少し『お願い』していたのが最大の理由だが、まだそれにウィリアムが気付く事は無い。
その後も詳しい事態の説明や、調書と様々な後処理に付き合わされ、また後日召喚されることにウンザリしていた。
そして―――
「―――なんじゃこりゃぁああああああああああッ!?」
ようやく解放されたので、クラスの皆が打ち上げをしている店に来れたのだが、その渡された請求書の額に叫び声を上げるグレンと、苦笑いをするルミア、その原因たる酔っぱらったクラスメイトの手に持つあるものを、鼻を抑えながら見るウィリアムがいた。
「こんなバカ高ぇ酒をこんなに飲んでればな……」
クラスのみんなは相当高価なワイン―――リュ=サフィーレをこれでもかと云うくらい、大量に飲んでいたのだ。
その結果、グレンの特別賞与とハーゲ(?)との賭けで得た大金は飲み代へと全て消える事となった。
―――――――――――――――
打ち上げが終わり、殆どの生徒が帰路につく中、ウィリアムは未だ店に留まっていた。
その理由はグレンに聞かなければならない事があるからだ。
「そろそろいいか?」
店のベランダでいい雰囲気になっていたグレンとルミアに話しかける。
「ウィリアム……」
「ルミア、先公と二人きりで話がしたい。悪いが席を外してくれねえか?」
「……うん、わかったよ」
ルミアは了承し、店の中へと入っていく。ベランダに居るのはグレンとウィリアムだけになった。
「……さて、先公。早速聞きたいんだが」
「……リィエルについて、だろ?」
グレンのその言葉に、ウィリアムは頷いて肯定する。
「その前に一つ聞かせてくれ。お前は『イルシア』を知っているのか?」
「……ああ、知ってるぜ。彼女の兄貴も、その兄貴の親友もな」
グレンの質問にウィリアムは正直に答え、そのままグレンを真っ直ぐに見据える。
「だから教えてくれ。先公が知ってる事、その全部をな」
「……分かった」
―――――――――――――――
「―――これが俺が知る限りの全てだ」
「………」
グレンの話を全て聞いたウィリアムは無言だった。
「……ウィリアム?」
ウィリアムのその反応に、本当に話してよかったのかとグレンは不安になる。
「……悪い先公、まだ整理しきれてねぇんだ」
「…………」
「とにかくありがとよ、ちゃんと話してくれて」
「……俺を責めないのか?」
神妙な顔でグレンはウィリアムに問いかける。
グレンはイルシアとある約束を交わしたのだが、今のグレンはその約束を果たす所か、事実上、反故にしているのだ。
勿論、それ以外の理由もあるが……
「そんな資格、俺にはねぇよ、二年前のあの時からな……」
グレンの問いかけにウィリアムはそう答え、その場を後にする。グレンはそんなウィリアムを不安げに見つめていた。
――――――――――――――――――
「はぁ……」
夜中の帰り道。ウィリアムはグレンから聞いた、あの時の真実を反復していた。
知り得た真実とそこから浮上した可能性。
二人を殺したのは―――
「……もし、そうだとしたら俺は一体どうするのかな……」
ウィリアムは小さく呟いて空を見上げ、複雑な心境で歩き続ける。
その未来は確実に近くに来ているとも知らず―――
これで原作二巻は終了です
次はメイン章·····アソコの展開に頭を悩ませる!
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