てな訳でどうぞ
十六話(改)
「……編入生、ですか?」
学院長室に呼び出され、リックからもたらされた話にグレンは首を傾げる。
「うむ。明日から来る新しい生徒を、君のクラスで受け入れてくれないかね?……もっとも、拒否権はないがの」
リックはそう言って、グレンに筒型封筒を渡す。グレンはその封筒の中にある一枚の羊皮紙を取り出して、それを広げ……
「この文書……軍の人事異動に関する最重要機密文書じゃないすか!?まさか……」
「うむ。そのまさかじゃよ」
驚愕に目を見開くグレンにリックは頷いて、その編入生はルミアの身辺警護とウィリアムの監視で派遣される魔導士だと説明する。
先日の一件でウィリアムの素性が軍にバレた以上、当然といえば当然ではあるが……
「最も、監視任務はついでで、最重要なのはルミア君の護衛任務じゃがな」
リックのその言葉にグレンは多少安心し、手元に持った文書に目を通していく。
グレンは件の編入生は《法皇》のクリストフだろうと考えながら、文書を流し読むも―――
「ちょぉおっと待てぇえええええええええええええええ―――ッ!?」
文書に書かれてあった、あまりにも予想外過ぎる不向きな人物の名前に、グレンは叫び声を上げるのであった……
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膝を抱えて踞り、泣き続ける少女。
少年はどうしたのかと聞きながら近づいていく。
少女はそれに気づき顔を上げる。すると―――
『ひッ!?』
身を震わせて少年から距離を取った。
少女のその反応に、少年が理由を聞いたら―――
『ご、ごめんなさい。君の顔が怖かったからつい……』
そんな理由を聞いた少年はその場で崩れ落ち、膝を抱えていじけ始めた。
少女は慌ててあれこれと言って元気付けようとするが、逆に追い討ちとなっている事に気づけていない。
これが少女と少年―――イルシア=レイフォードとウィリアム=アイゼンの最初の出会いであった。
――――――――――――――――――
「……ん?」
夢から目を覚ましたウィリアムは部屋の周りを見やる。
部屋の周りには積み重なった木箱、巨大な布に隠されたあるものの山、長大な筒のようなもの、表面の金属が錆び付いた、四つ重なった六角形の棺桶の蓋の形状をしたもの、壁に引っ掛けられた紺の外套、そして机の上にはいくつかの紫色の小さな結晶と金属薬莢の銃弾、そして黄金の拳銃と
どうやら作業中に寝落ちしていたようであり、ウィリアムは部屋の中の時計を見やる。
……丁度朝の時間のようだ。
「……準備すっか」
ウィリアムはそのまま、自宅に勝手に追加した作業部屋から出ていった。
―――――――――――――――
「……けほっ!……はぁ……はぁ……」
その日、私は死にかけていた。
○○○○に致命傷を負わされながらも、組織の追っ手を振り切りながら雪の上を歩いていく。
兄の為にと、罪悪感を感じながらも組織の殺し屋を続けていた私。
その兄は○○○○に殺された。
それでも歩き続けるのは、あの時兄○○○の口から語られた―――○○○の○○の可能性からだ。
あの時○○○○○○○○○○○○○○○○。
もし願いが叶うなら―――○○○○、○○○○○○○○。
「あっ……」
しかし、そんな偽善者である私の身体が遂に限界を迎え、冷たい雪の上に倒れこむ。
急速に失われていく意識と体温。そして、命の灯火。
「助けて…兄…さん……○○……○……」
その呟きを最後に意識を手放そうと―――
「そこにいるのは誰だ!?」
「……え?」
―――したが、声がした方へ必死に顔を動かす。
そこに居たのは兄にそっくりな男性だった―――
―――――――――――――――
「……ん」
馬車の中で寝ていた少女は目を覚ます。
随分と懐かしい過去の在りし日の夢を見ていた気がするが、よく思い出せない。
「お嬢ちゃん、そろそろ着くよ」
そんな馬車の御者の声に少女は馬車の外へと身を乗り出す。
その淡青色の長い髪を後ろで括った少女はアルザーノ帝国魔術学院の制服を着ていた―――
相変わらず安定しない駄文ですいません
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