やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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この状態、いつまで続くかな····?
てな訳でどうぞ


十七話(改)

晴天の通学路。

そんな通学路を、ホットドッグを食べながらその道を歩いている男子学生がいる。

その学生は、学院ではやる気なし生徒で有名なウィリアムである。

一通りの準備を済ませたウィリアムは、ここ最近はいつもより早い時間帯から登校している。

その理由はあのクソ集団がルミアを執拗に狙っていることが分かったため、その護衛をグレン同様に進んでやっているからである。そんな理由を知らない周り、特に男子生徒から殺意を抱かれているのだが当の本人は面倒だからスルーしている。

 

そんなウィリアムは頭の中である事の見積りを立てていく。その見積りは―――《詐欺師》時代に使っていた武具の修繕時間の見積りである。

 

その武具のほとんどがそのままでは使用不可能な状態になっており、競技祭の時点では外套の新調と《魔銃ディバイド》の修繕だけしか済んでいなかった。仮面の方は錬金術による即興である。

《詐欺師の盾》はその要たる魔術金属《ディバイド・スチール》の新調の為、まだ相当修繕に時間が掛かるが、《魔導砲ファランクス》は完了間近、自戒のために二年前まで作り続けていた魔術火薬『ダストの玉薬』は放置のままでいい。そう考えていると―――

 

 

「……」

 

 

見覚えのある青髪の少女が前を歩いていた。しかも、学院の制服を着て。

 

 

「……おい」

 

 

さすがに無視する訳にはいかないのでその青髪の少女―――リィエルに声をかける。

が、リィエルは自分に声をかけていると思っていないのか、ウィリアムの呼び掛けを無視して歩き続けている。

 

 

「おい!そこの青髪猪娘!無視すんな!今、『誰のことだろう?』と云わんばかりに周囲を見回しているお前だ!!」

 

 

そこで漸く、リィエルは自分に声がかけられている事に気付き、こちらへと顔を向ける。

その顔は相変わらずの眠たげな無表情であった。

 

 

「……誰?」

 

「……魔術競技祭の時に、一度会ってんだろうが」

 

「……思い出した。グレンとの決着を邪魔してきた、目付きの悪い暴力を振るう人」

 

「ケンカ売ってんのか?」

 

 

リィエルの失礼極まりない言葉に、ウィリアムはこめかみに青筋を浮かべ、その脳天を叩き殴りたい衝動に駆られていく。

ウィリアムはその衝動をどうにか抑え、最初に感じていた疑問をリィエルにぶつける。

 

 

「なんでお前がここにいるんだ?しかも学院の制服を着て」

 

「グレンを守りにきた」

 

「……もうヤダ、コイツ」

 

 

返ってきた願望駄々漏れのリィエルの言葉に、ウィリアムは頭を抱える。

おそらくだが、ルミアの護衛と自身の監視、あわよくば軍への勧誘の為に軍が派遣したのだろう。

相当な人選ミスだが…………

 

 

「……とりあえず一緒にいくか?先公らとは一回合流するし」

 

「わかった、行く」

 

 

そんな感じで一緒に行く事となったウィリアムとリィエル。

 

 

「……(ジィ~~)」

 

「……だから何でそんなに見詰めるんだ?」

 

「……何でだろう?」

 

 

ウィリアムの疑問にリィエルは疑問で返し、ウィリアムは溜め息をついてそこら辺の追及を諦めることにした。下手をすれば彼女自身もしらない()()に触れてしまうからだ。

そんな中、ウィリアムは念のためにリィエルに釘を刺しにかかる。

 

 

「念のため言っておくが、グレンの先公に絶対斬りかかるなよ?」

 

「なんで?」

 

「なんで?じゃない!いいか絶対に先公に―――」

 

「―――あっ!グレン!」

 

 

そんなウィリアムの念押しを、リィエルは向こうの十字路にいるグレンを見つけた瞬間、あっさりと無視し、その手に大剣を錬成してグレン達へと突撃して行った。

その瞬間、ウィリアムはリィエルのその行動で遂に堪忍袋の尾が切れ、【詐欺師の工房】で拳銃、非殺傷弾、無音火薬(サイレント・パウダー)を瞬間錬成し、素早く銃弾をその後頭部に全弾叩き込んだ。

 

 

「うぎゃあッ!!?」

 

 

その非殺傷弾全てをマトモに喰らったリィエルは大剣を手放して地面にダイブする。

 

 

「「「……」」」

 

 

あまりの一瞬の出来事に、呆然としているグレンとシスティーナ、ルミアを余所に、既に錬成した拳銃を消し去ったウィリアムは、痙攣して倒れこむリィエルへと近づき―――

 

 

「人の注意を無視してんじゃねぇぞおおおおッ!!!」

 

 

リィエルの頭を右手で鷲掴みにして持ち上げ、全力で握り絞めていた。

 

 

「痛い、やめてー」

 

 

鷲掴みにされたリィエルは棒読みながらも、若干痛そうな顔で抗議する。

そんなぶっ飛んだ光景にシスティーナは未だ呆然、ルミアは苦笑い、リィエルに斬りかかられていたグレンはウィリアムにリィエルを押し付けたらいいのでは?っと、ロクでもない事を考えていた。

 

 

「頭が駄目なら身体に叩きこんでやろうかぁあああああああああ―――ッ!?」

 

「お願い、放してー」

 

 

……日常は物騒な朝から始まる。

 

 

 




リィエルにホント容赦がないオリ主····どうしてこうなった?(作者のせい)
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