文才無しの妄想の権化とはいえ······
てな訳でどうぞ
明け方に彼らは帰ってきた。
アルベルトは事後処理等の事情で別れており、旅籠にはグレンとウィリアム、ルミアにリィエルの四人だけだ。
全員、ボロボロの格好で帰ってきたのだから出迎えた一同は当然驚いたが、すぐに無事に戻ってきた事に安堵する。
そしてシスティーナが駆け寄ってすぐさまリィエルの頬を叩き、そのまま涙ぐみながらリィエルに抱きついた。
リィエルも、あれだけ酷いことをしたにも関わらず許してくれた事に、涙を零していく。
その光景だけで、クラスメイトは何も聞かず、無条件で受け入れてくれた。
「ホンット、俺のクラスはお人よしな奴らばかりだよな……」
ウィリアムはボソリと、誰に言うわけでもなく呟き、抱き合って泣いている三人の姿を見守り続けた。
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遠征学修は中止となった。
その最たる理由は、研究所所長のバークスが突然『失踪』したからだ(実際はアルベルトがバークスを始末した)。
その為、サイネリアは研究所内の『不幸な事故』の調査の為、現在ゴタゴタとしており、島にいる全員に退去命令が出ている。
しかし、観光地でもあるため人数も相当な数であり、退去にはそれなりの時間がかかる。
そのため、ウィリアム達には丸一日の自由時間が出来上がる事となった。
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現在浜辺にてビーチバレーが行われている。
リィエルの殺人スパイクがまたも炸裂し、相手の男子チームは派手に吹き飛んでいく。
そんな光景を少し離れた場所でウィリアムは一人で眺めていた。
「おおう、相変わらずの威力だ」
ウィリアムはそんな事を呟きながら日除けの石屋根の下で腰かけている。当然、この石屋根はウィリアムが錬金術で作ったものだ。
そんな無駄な事に錬金術を使ったウィリアムに、一人の少女が近づいてくる。
「休憩か?」
「ん」
その少女―――リィエルは短く頷き、ウィリアムの隣へ膝を抱えるように腰かける。
「休憩が終わったら試合しよ?ボールを当てたいから」
「日頃の仕返しのつもりなら、自分の行いを振り返ってから言え」
「暴力を振るう方が悪い」
「破壊を振り撒くお前が言うなぁあああああッ!!」
「痛い、また暴力を振るった」
リィエルの頭をウィリアムは右手で鷲掴みにして締め上げる。
相変わらずのそんなやりとりの中、不意にリィエルはポツリと呟く。
「……ねえ、わたしは本当にこの場所にいていいのかな?」
その呟きにウィリアムは―――
「知らん。お前がいたいか、いたくないかだけの話だ」
一見、無情ともとれる言葉で返した。
「……」
「みんなに酷い事をした、その過去はもう変わらねぇんだ。もしこの場所にいたいと本気で思ってんなら……」
そこでウィリアムはリィエルの頭を締め上げていた手を緩め、優しく頭を撫でる。
「昔はこんな事もあった、とみんなが笑って語れるくらい頑張ってみろ」
「……ん、わかった。そうなるくらい、頑張ってみる」
リィエルはその言葉に力強く頷く。
「とりあえず、ルミアとシスティーナを守る。そして、グレンの力になりたいし、ウィリアムの事も守りたい」
「……理由は?」
「わたしがそうしたいから。代わりとかじゃなくわたし自身がそうしたいと思ったから……ウィリアムの事はちょっとわからないけど」
「なんじゃそりゃ」
自分に関して曖昧な事にウィリアムは思わず呆れた声を出す。そんなウィリアムにリィエルは言葉を続けていく。
「ウィリアムの事を守りたい……この想いはイルシアのものなのか、わたし自身のものなのか、よく分からないけど……ちゃんと分かりたいからまずは守ってみる……ダメかな?」
「……好きにしろ」
「ん、わかった。好きにする。あと……ウィルってわたしも呼んでいいかな?」
「どうぞご自由に」
ほとんど投げやりな感じで返すウィリアムに―――
「ありがとう、ウィル」
リィエルは微笑んで、お礼を言った。
そんなやりとりの中、ウィリアムの口は微かに笑っていた―――
―――ちなみに、ウィリアムがリィエルに愛称で呼ばれる事を知った一同は、女子生徒は興奮気味に邪推し、男子生徒は嫉妬に駆られて詰め寄ってくる事となった。
これで原作三、四巻は終了です
ここから先はどうなることやら·······続くかな······?(続いたらいいなぁ)
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