やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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ホント、都合の良い事しか書かないなぁ······
てな訳でどうぞ


三十二話

「しかし、銃を錬成するなんて、どう考えたらソコにいきつくんだよ?」

 

 

グレンが最もらしい疑問を聞く。

その疑問にもウィリアムは答えていく。

 

六年前の時点では、魔術の下地は研究に必要な事しかほとんど教えられず、脆いものだった

加えて戦闘経験も武術の心得も一切無いのだ。加えて師匠にも剣術の心得はなかった。

それを僅か数年で大人数の魔術師を相手に一人で挑もうというのだ。相当無謀な行為である

だからまずは最も効率良く使える錬金術を中心とした戦い方を目指す必要があった。

だが、【隠す爪(ハイドゥン・クロウ)】のような高速武器錬成の錬金術は十全に扱う事は出来ない。問題は錬成そのものではなく、その後の武器の扱いだ。

武術には、相応の下地と土台がいる。それを僅か数年で何の下地もない状態で超一流レベルに達するなど、天才でもなければ不可能だ。

現に【騎士の剣(ナイツ・ソード)】は〔振るう〕のではなく、基本は〔発射〕する使い方しか有効に使えない。ボーン・ゴーレムは簡単な動き故、レイクの時は不意討ちと、あり得ない事による動揺で抑えこめていただけである。

加えて、魔術特性(パーソナリティ)の影響で白魔術の適性は低い以上、その方法で強くなるには無理がある。

かといって攻性呪文(アサルト・スペル)の錬金術を使うだけでは、大人数の魔術師相手では勝ち目はない。必要なのは相手の油断と速攻の不意討ち、そして物理攻撃だ。

だからこそ、一流の魔術師には玩具同然の銃に目を付けたのだ。

銃なら火薬の量次第で簡単に高威力を出す事が出来、相手の油断も誘えるからだ。

……最も、「剣が無理なら銃。そして銃と錬金術の相性って良さそうだ」という単純思考が始まりなのだが……

 

 

「お前も結構単純なんだな……」

 

「ほっとけ」

 

 

この話を聞いたグレンもさすがに呆れていた。

 

 

「にしても……」

 

 

グレンがそう言い周りを見回す。室内の壁はかなりしっかりとした物であり、家の外見と全く合っていない。

これについてウィリアムは―――

 

 

「錬金術で勝手に作り変えた」

 

 

とツッコミどころ満載の解答で返し、グレン達は逆にツッコム気が失せていた。そして一枚の写真を見つける。

その写真には老人と子供が写っており、子供の方はウィリアムの面影がある。老人の方はおそらく、ウィリアムの魔術の師匠だろう。

 

 

「……このじいさん、どっかで見た気がするんだが……」

 

 

写真の老人とにらめっこするグレン。老人の肩には非常に見覚えのある鴉も乗っている。その鴉はアルフォネア邸に住み着いている魔獣―――ファントム・レイヴンだ。

 

魔獣〈ファントム・レイヴン〉。この魔獣の能力は―――『存在遮断』。

簡単に言えば、この魔獣はあらゆる探知に引っ掛からずに姿を消して動けるのだ。

戦闘能力は一切無いが、その隠蔽能力から偵察にもってこいであり、使い魔にするために何人もの魔術師が捕獲に動いたのだが、その強力すぎる隠蔽能力と知性の高さから捕獲は不可能だった、まさに喉から手が出るほど欲しい魔獣である。

セリカ曰く、『コイツは使い魔ではない』という事から、グレンも自分の使い魔にしようと狙ったのだが、その悉くが失敗しており、その上、馬鹿にするように鳴くから、もう『殆ど』諦めている。

そんな思考を隅に置き、グレンは写真の老人とにらめっこを続け……

 

 

「ああ―――ッ!?コイツ、セリカと一緒に飲んでた奴だ!!!」

 

 

不意に思い出したかのように声を上げる。

この写真の老人、グレンがセリカに引き取られてからしばらくして、家にやって来てセリカと一緒に酒を飲んでいたあの老人だったのだ。

まさかのつながりにグレンは驚愕せざるを得ない。

 

実はこの鴉、この老人の伝書鴉であり、セリカとはある程度手紙のやり取りをしていたのだ。

最も、グレンを引き取るまでは老人の一方的なものであったのだが、今は良いだろう。

 

 

「ホンット、世界が狭すぎだろ……」

 

 

この家に来てから何度目かわからないため息が洩れる。

そんなグレンを尻目に休日はまだ続く。

 

 

 




あの鴉はオリ魔獣でした
そしてこの鴉、相当気まぐれです
まあ、所詮鳥という事で·····
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