やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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こんな感じでダイジョウブ?
モンダイナイ?
てな訳でどうぞ


三十三話

「お腹空いた」

 

 

お昼が近づく頃合いに、リィエルがそう口にする。

 

 

「じゃあ、外で飯を食いにいくか。食材もそんな多くねぇし」

 

 

そんなリィエルに、ウィリアムは外での食事を提案するも……

 

 

「いや待て!どうせ今日一日ここにいるんだ!なら、外に食べに行くより買いに行った方がいいんじゃないか!?」

 

 

グレンが静止し、そんな提案をする。もちろん理由がある。

 

 

(このままウィリアムに買いに行かせれば、その間に家を調べられる!そして金、もしくは金目のものを頂く……完璧な作戦だ!!)

 

 

やはりこの男、最低なゴミでゴ(ピーー)以下の人間である。

 

 

「そうなると買い物はシス―――」

 

「いやウィリアム!お前が行くんだ!!そしてお前の作る料理を俺達に食わせろ!!」

 

「……一体何を考えてんだ先公?」

 

 

さすがに明らかにおかしい為、ウィリアムはグレンに疑惑の目を向ける。

 

 

「ひょっとして料理一つ作れないのかな?ウィリアム君?」

 

 

そんなウィリアムに、グレンは非常に苛つくセリフで煽ろうとするも―――

 

 

「五人分作るのが面倒なだけだ」

 

 

バッサリと返した。ウィリアムも相変わらずであった。

 

 

「なら、お茶のリベンジで作るのはどうかしら?」

 

 

システィーナが意外にも煽っていく。システィーナもグレンの狙い(一欠片)に気づいており、便乗したのだ。

 

 

「だから言っただろ、面倒だって」

 

「でも、このままだと料理下手と思われるけどいいのかな?」

 

「もうそれで―――」

 

 

ルミアも同様に煽るも、ウィリアムは全く靡かず断ろうとするも―――

 

 

「ウィルの料理、食べてみたい」

 

「……」

 

 

リィエルの要望一つでウィリアムは無言となった。グレン達はここぞとばかりにたたみかける

 

「ほら、リィエルもこう言ってるんだ!」

 

「リィエルのお願いを無下にするつもりかしら!?」

 

「リィエルに手料理を振る舞うと思って、ね?」

 

 

そんな三人の推しに―――

 

 

「……しゃあねぇか」

 

 

ウィリアムは折れた。相変わらず推しに弱いウィリアムであった。

 

 

「じゃあ、全員で」

 

「折角だし、リィエルと二人きりで買い物に行ってきなさいよ!!」

 

「……もう、それでいいか」

 

 

ウィリアムはこれ以上のやり取りが面倒なのか、システィーナの提案にあっさり了承した。

 

 

「念のために言っとくが家を荒らすなよ?」

 

 

ウィリアムはそう言い残して、リィエルと二人で南地区へと食材の調達に出掛けて行った。

残った三人は無言で頷き合い、一人は金欲しさに、二人は好奇心から、家の捜索を開始した。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

「野菜が多い……」

 

「文句いうな。ちゃんと肉や魚もあるだろ」

 

「わたし、野菜、キライ……」

 

「好き嫌いしてたら、長生きできないぞ」

 

「……じゃあ苺タルト買って」

 

「……食後のデザートとして買っておくか。その変わり、野菜もちゃんと食べろよ?」

 

「……わかった」

 

 

そんなやり取りをしながら二人は材料を調達していく。

 

 

(シオンもイルシアに対してこういう気持ちになっていたのかな?)

 

 

まるで妹を相手にしているかのような気分にウィリアムはそう思う。最もウィリアムには血の繋がった家族の記憶は一切ないのだが。

連中に囲われる前、何も覚えていなかった自分を拾い、名前を与えてくれた二人と暮らしていた、幼い記憶に耽っていると―――

 

 

「ねぇ、ウィルはどうしてそんなにお金を持ってるの?」

 

「……んあ?」

 

 

リィエルの突然の質問に、ウィリアムは思わず呆けた声を出してしまう。

 

 

「グレン達が気にしていたから……」

 

「あいつら……それが目的だったのかよ……」

 

 

あっさり目的をばらしたリィエルに、ウィリアムはここにいない三人の顔を浮かべ、ウンザリした顔をする。

 

 

「……理由は家に帰ってから教えてやる」

 

「ん。わかった」

 

 

ウィリアムは少し考え、彼らには教えていいだろうと判断する。

リィエルも素直に頷き、二人は買い物を再開した。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

一方、その頃……

 

 

「何も……ない、だと……!?」

 

 

勝手に家を捜索し、何も見つからなかった事にグレンは愕然としていた。

あれから隅々まで調べたが、見事に空振ったのだ。

 

 

「あ、ありえない……このままでは俺の華麗なる横領計画が……!?」

 

「やっぱりロクでもない事を考えていたんですね!?まさかお金を盗むつもりだったんですか!?」

 

「あはは……」

 

 

グレンは思わず口を滑らせ、それを聞いたシスティーナが激しく問い詰める。ルミアはそれを苦笑いで見守っていた。

 

 

「……いや、待てよ?」

 

 

不意にグレンは何かに気づいて考えこむ。そして―――

 

 

「……そうか、地下か!!」

 

「へ?先生、いきなり何を言ってるんです!?」

 

 

驚くシスティーナを余所に、グレンは怪しいと睨んだ床にあるカーペットを捲り取る。

カーペットの下の床には不自然な切れ目があった。その切れ目は扉の形をとっていた。

 

 

「ビンゴ!!!」

 

 

グレンはそう言い、切れ目の手前にあるボタンらしきモノを押す。

 

 

ガコンッ

 

 

その音と共に切れ目のある床が沈み、奥へとスライドしていく。

現れたのは地下へと続く階段だった。

 

 

「はっはーーーッ!やっぱり俺様は天才だぜ!!」

 

 

グレンはそう言って地下空間へと降りていく。

呆然としていた二人も、すぐさま我に返って急いでグレンの後を追っていくのだった。

 

 

 




地下部屋は·····ロマンです
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