てな訳でどうぞ
地下への階段を降り、一つの扉へとたどり着いたグレン。
後ろから二人も駆けつけてくる。
「まさかこの家にこんなものがあるなんて……」
「イヤ、よく考えれば分かることだぞ白猫」
システィーナの呟きにグレンがそう返す。
さっきまで捜索していた場所には何もなかった―――拳銃も、魔導器も、外套さえもだ。
魔術的な細工も見つかなければ、可能性は絞られていく―――地下空間の存在へと。
つまりこの扉の向こうの部屋は保管庫兼作成部屋の筈だ。
「じゃあ……開けるぞ?」
グレンはそう言いドアノブに手をかけ、扉を開ける。
扉を開けると、そこは―――作業部屋だった。
積み上げられた木箱。大きな布に覆い隠された何か。四枚の棺桶の蓋らしきもの。床に書かれた小さな魔術法陣。壁に掛けられた数着の紺色の外套。《魔導砲ファランクス》もあり、机の上には金属薬莢がいくつも散らばっている。
「……こいつは?」
グレンは大きな布に覆い隠された何かに近づき、その大きな布を取る。
「なッ!?」
「ええ!?」
「嘘……!?」
その布の中身を見て三人は驚愕する。その布の中身は―――
―――ピカピカと輝く大量の純金と純銀のインゴットの山だった。
「ヨッシャアァアアアアアアアアアアア―――ッ!!お宝じゃあぁあああああああああ―――ッ!!!!」
「ま、まさか錬金術で……ッ!?」
「そ、そんな……」
グレンは歓喜の声を上げ、システィーナとルミアは、ウィリアムが魔導法第二十三条乙項等を破って犯罪に手を染めていた事にショックを受けた声を上げる。
「フッ、心配するな。これは責任を以て俺が全て回収する!」
「って、ドサクサに紛れて盗むつもりですか!?」
何時ものやり取りに突入しようとした、その矢先―――
「何してるんだ、お前ら?」
若干怒りに満ちたその言葉に、三人は部屋の入り口に目を向ける。
ソコにいたのはこの家の家主―――ウィリアムと一緒に出掛けていたリィエルの二人だった。
「フッ、犯罪の現場は押さえたぞウィリアム君!バラされたく―――」
指を指し脅迫するグレンを無視し、ウィリアムは積み上げられていた木箱の一つを床に降ろし、その蓋を開ける。
木箱の中には、金粉が箱いっぱいに入っていた。
「「「……へ?」」」
その言葉も無視し、ウィリアムは手にインゴットの金型を錬金術で作りだし、その金型に金粉を入れていく。
そして炎の魔術を浴びせたり、凍結の魔術で冷やしたりしていき……
「「「……」」」
最後に金型を消すと、一本の純金のインゴットが出来上がっていた。錬金術は金型以外には使われていなかった。
「「「………………」」」
「……何か言うことは?」
「「「すいませんでした!!!!」」」
―――――――――――――――
「さあ食え、冒険した料理をたらふく食え」
グレン、システィーナ、ルミアの三人の前に新たな料理が出される。勝手に家を捜索した罰に、試作の料理を食べさせられている。出され続けている試作の料理を前に三人は―――
「「「もう、勘弁して(くれ)(ください)……」」」
相当参り、弱音を吐いていた。
「?なんでみんなそんなに辛そうなの?」
唯一、マトモな料理を食べているリィエルはそんな三人の様子に首を傾げる。
「気にしなくていいんだよ。それより料理の感想は?」
「意外といける」
「意外とはなんだ、意外とは」
そんな他愛ないウィリアムとリィエルのやり取りの中―――
「まさか、錬金術を利用して、金粉や銀粉を集めてからインゴットに作り直して売るとか……」
「こんな事なら、最初から普通に聞くべきだっ、たね……」
「もう……限……界…………体、重……が……」
グレンとシスティーナ、ルミアの三人は絶賛、己の行動を後悔していた。
そんなこんなで休日は過ぎていった―――――
オリジナルはこれにて終了です
金の錬成が犯罪なら、魔術を利用した治金術ならセーフでは?という考えから書きました
けど、グレーゾーンでしょうね、これもおそらく·····
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