てな訳でどうぞ
三十五話(改)
学院の前庭の隅っこ。そこに男性教師と女子生徒―――グレンとリィエルがいた。
「リィエル頼む……お前の力を貸してくれ」
グレンは真剣な表情でリィエルに何かを頼みこんでいる。
「……ん。わかった」
それに対し、リィエルはグレンの頼みにあっさりと了承する。そのまま手身近な石を拾って、錬金術で自身の手のひらの石ころを金塊へと錬成する。
その錬成された金をグレンが手に取ろうとした瞬間―――
「《何・考えてるんですか・このお馬鹿》ァアアアアアア―――ッ!!?」
システィーナの即興改変による【ゲイル・ブロウ】が炸裂し、グレンを噴水へと吹き飛ばした。
「リィエルに金を錬成させてどうするつもりですか!?」
「決まってんだろ?……売るんだよ!」
「犯罪ですよ!?そもそも――」
システィーナがグレンにいつものように説教している最中―――
「一体、なにをしていたのかなぁ?リィエル君?」
にこやかな顔で、未だに状況を理解していないリィエルの頭に右手を置くウィリアムがいた。
「グレンが困っていたから力になった」
「……金の錬成は犯罪行為だって教わっている筈だが?」
「……そうだっけ?」
「その頭は飾りか!?飾りなのかぁああああああああ―――ッ!!!?」
「痛い、やめてー」
ウィリアムは右手に力を入れ、万力のように絞め上げていく。頭を絞めつけられているリィエルも相変わらずの棒読みで痛がっている。
その光景に、周りはああまたか、と最早どちらもおなじみと成りつつあるやり取りに、嘆息を洩らして去っていく。
リィエルの暴走を実力行使でウィリアムは止めているのだが、ここしばらくは耐性が出来てきたのか、非殺傷弾一シリンダー分くらっても動きが鈍る程度になってきており、鎮圧に時間がかかり始めた。
今は落とし穴戦法で対処しているが、このままだといずれ、その類い稀な勘で落とし穴を避けられるようになってしまう。
その為、《詐欺師》時代の武具の修繕と同時に、高威力でも砕けない非殺傷弾の開発がウィリアムの急務となりつつあった。
威力を落とした軍用魔術をぶちこんだ方が本来は早いのだが、ウィリアムの魔術の遠距離狙撃の技量はそれほど高くない上、近くから放てばあっさりと避けられてしまう。
そのため、銃弾作りの方がウィリアムにとっては手っ取り早いのである。
「隙あり―――!」
「あ!?」
そんな事を尻目にグレンは隙を見て逃亡。リィエルが落とした金塊もチャッカリ回収してである。
その後をシスティーナは【ショック・ボルト】を飛ばしながら慌てて追いかける。
いつもなら、目的を果たして逃げ切られるのだが……
「全く……」
その逃亡劇をウィリアムは呆れた目で見ており、左手にはいつの間にかリィエルが錬成した金塊が握られている。
実はグレンが金塊を拾い、この場から逃げようとする直前でウィリアムが金塊とその辺の石ころをすり替えたのである。
「んなッ!?なんで金が石ころに戻ってるのぉ!?」
そんな事とは知らず、金塊が石ころに戻ったと思い込んだグレンは、後ろから放たれる
幸い、大惨事は回避できたのだが、馬車から下りてきた金髪の男性により周りは騒然となる。
「私はレオス=クライトス。この学院に招かれた特別講師で……システィーナの……
その金髪の男性―――特別赴任講師レオスの爆弾発言により、一気に場が騒がしくなり、野次馬も集まりだす。
面倒事が再びこの学院にやってきた。
支離滅裂にはなってないと信じたいなぁ········
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