やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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「皆の者!妄想の元に集え!!」―――――草P金髪のセリフ改変(話に関係無し)
てな訳でどうぞ


四十話(改)

「離してッ!先生、もういい加減にしてッ!」

 

「……どぉ~して、こうなっちまったのやら……」

 

 

フェジテの西地区のとある路地裏まで逃げていたグレンは、抱えていたシスティーナを降ろし既に事情は知っていると説明していると―――

 

 

「邪魔するぜ?」

 

 

紺の外套を羽織ったウィリアムが屋根から飛び降りて来た。

 

 

「ウィリアム!?」

 

「ウィリアム!?何でお前がここに!?」

 

あの野郎(レオス)をぶちのめすため」

 

 

驚く二人にウィリアムは軽い感じで返す。

 

 

「一応、把握している。そっちの事情も、今の俺の状況もな」

 

「なら、どうして大人しくしていなかった!?下手すりゃ―――」

 

「そんな見捨てる真似できるか、アホ」

 

「ハァ……」

 

 

グレンはため息を吐き、文句を後回しにしてレオスの目的について議論していく。

グレン曰く、この手は貴族としては相当な悪手であり、レオス自身の得と損失の天秤が全く釣り合っていないとの事だ。

ウィリアムはそこには疎いが、少なくとも損失の方が大きすぎる事くらいは分かっていた。

グレンはそうまでしてレオスがシスティーナと結婚したかった可能性を挙げるが、システィーナはそれを寂しげに否定した。

 

 

「あの人は私を愛していない…………まるで別人みたいだった……」

 

「別人……?」

 

 

その言葉でグレンの顔色が変わっていく。

何に気づいたのか、ウィリアムがグレンに聞こうとするも―――

 

 

「ふ、二人共……ッ!」

 

 

システィーナの怯えた声によって遮られる。

いつの間にか、路地裏の奥から土気色の顔色をした一般市民風の人間が数名、近づいてきていた。手には包丁や鉈等を持って武装しており、全身から網目のごとく血管が浮いている。

 

 

「「な……!?」」

 

 

その人間達を見てグレンとウィリアムは驚愕する。なぜなら彼ら全員―――『天使の塵(エンジェル・ダスト)』を投与された末期中毒症状者だったからだ。

 

 

「止まれッ!」

「それ以上、近づくなッ!」

 

 

二人は銃を向けて警告するも、中毒者達は一向に止まる気配は無い。

 

 

「な、なんですか……?あの人達は……?」

 

「……薬によってゾンビにされた奴らだ」

 

 

システィーナの疑問にウィリアムが苦々しい顔で簡潔に答える。

天使の塵(エンジェル・ダスト)』は一度投与されると死ぬまで主人の命令に従い続ける廃人となる。そして人体のリミットも外されており、痛覚も麻痺している。

そんな彼らを確実に止めるには……

 

 

「白猫ッ!お前は逃げろ!」

 

「ここにいたら、見たくないもんを見ることになるぞ!」

 

 

それをシスティーナの目の前でするわけにはいかない為、逃げるように促すも―――

 

 

「大丈夫よッ!私だって!《大いなる――》」

 

 

システィーナは聞かずに呪文を唱えた瞬間、中毒者達が一斉にシスティーナへと襲い掛かって来ていた。

 

 

「……え?」

 

 

中毒者達の俊敏な動きに、システィーナは呆然とする。

中毒者達はそのままシスティーナへと肉薄し―――

 

「《駆けよ風――・》」

 

 

その時、グレンが壁を蹴り上がり、空中の中毒者を蹴り落とす。

ウィリアムは鋼線を錬成し、中毒者の足を絡めとり、力一杯に地面へと叩きつける。

 

 

「《―――・撃ち据えよ》ッ!」

 

 

その間にグレンの【ゲイル・ブロウ】が起動。壮絶な突風が炸裂し、残りの中毒者を吹き飛ばした。

 

 

「あ……」

 

「何をしているッ!?」

 

「ぼうっとすんなッ!」

 

 

一瞬の出来事に呆然とするシスティーナを二人は一喝し、グレンが手を引いてその場から走り去っていく。

中毒者達はそんな彼らの後を追いかけていった。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

「くそッ!」

 

 

苛立ちを露にウィリアムは襲い掛かる中毒者達を攻撃する。ウィリアムの近くにはグレンとシスティーナの姿は無い。

あの後、絶妙なタイミングでの襲撃で二人と引き離されてしまったのだ。

合流しようとしても中毒者達がそれを邪魔するように襲い掛かってくる。

 

 

「《美しき水精よ・―――》」

 

 

そんな中毒者達に銃弾を脳天に向けて放ちながら、呪文を紡いでいく。

 

 

「《その蒼き弓を以て・―――》」

 

 

銃弾は中毒者の脳天を撃ち抜き、次々と地面に沈んでいく。

 

 

「《撃ち射抜け》―――ッ!」

 

 

そして後ろに左の人差し指を向け、高水圧弾を放つC級軍用魔術―――錬金【アクア・バレット】を後ろから襲ってきた中毒者の脳天へと放つ。

脳天を貫かれた中毒者はそのまま地面へと倒れこむ。

 

 

「チィ―――ッ!」

 

 

まるで相手の思惑通りに動いている現状に苛立ちながらウィリアムは銃に魔術弾を装填し、すぐさま中毒者の足下へと放つ。

 

ガシャアアアアンッ!

 

中毒者の足下から氷柱が突きだし、氷塊の中へと閉じ込める。

ウィリアムは中毒者達を捌きながら、二人に追いつく為に奥へ奥へと進んでいった。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

ウィリアムは旧住宅地区画へと辿り着いた。

しかし、グレン達とは合流出来ていない。

沸き上がる苛立ちと焦りを一回沈めようと―――

 

 

「いやはや。彼の予測通り、見事に此処にきましたなぁ」

 

 

―――した矢先、突然の声にウィリアムはすぐさま声がした方向に目を向ける。

 

 

「……誰だよ、アンタ」

 

 

そこにいたのは、ブーツにマント、羽根つき帽を被り、左手に分厚い本を持ち、吟遊詩人を連想させる格好をした、顎髭を蓄えた中年男性だ。

 

 

「おや失敬。では自己紹介から始めましょうぞ」

 

 

男性は優雅に一礼し、名乗る。

 

 

 

「我輩の名はブレイク=シェイク。人呼んで《美の商人(ブローカー)》である」

 

 

 




オリキャラ登場である!
モデルは予想通りのあの作家!!
タグ追加した方がいいのかな·······?
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