てな訳でどうぞ
遺跡調査の当日を迎えた大型の貸し馬車の一階にて、仁義なき
「うふふ……フルハウスです」
「マジかよ!?」
「このタイミングで!?」
グレンを含む男子一同は、テレサを交えてポーカーに興じているのだが、テレサの引き運に男子の殆どが連敗していた。
「……四と五のフルハウス。テレサのKとAのフルハウスには勝てないな」
「うふふ……今回は私の勝ちですね?」
そんな中で、ウィリアムは七分の五の確率でテレサに負けていた。
ウィリアムは顔こそ平然としているが、内心では汗だくになるほど驚愕していた。
ウィリアムもグレン同様、イカサマを使っているのだが、テレサに殆ど通用せず、ウィリアムが親番の時にカードを全部操作したり、テレサの札を見てから瞬時に捨て山からカードを入れ替える等して、辛うじて勝ちを拾えている状態なのだ。
(資金調達と情報収集の為に行き来していた、イカサマありの闇カジノで鍛えた腕があんまり通用しないとか……どんだけ強運なんだよ!?)
テレサのあまりの天運と剛運の良さに、ポーカーフェイスを維持しながらも内心で戦々恐々するウィリアム。
そしてグレンが親番となり、ウィリアムに配られたカードの手役はAと五のフルハウスであった。
勿論、罠だと見抜いているので……
「先公、四枚交換だ」
スペードのA以外を捨て山に捨てると同時に、デッキに素早く細工を施す。
テレサも五枚全て、捨て山へと捨てていく。
グレンは内心の恐怖を隠しながら、二人に新しいカードを配っていき……
「スペードのロイヤルストレートフラッシュだ」
「私はハートのロイヤルストレートフラッシュですから……今回は私の負けですね」
「ふっざけんなぁああああああああああああああ―――ッ!!?」
あり得ない最強手札の応酬に、チップを全賭けしていたグレンは手札を捨てて絶叫する。
「お前ら!何かイカサマしてるんじゃねぇのか!?」
「負けたからイカサマって……さすがにどうかと思うぜ?」
グレンは、自身のイカサマを棚に上げて詰め寄るも、ウィリアムの返しに何も言えなくなってしまう。
ウィリアムは実際にイカサマをしているが、イカサマが平然と行われる闇カジノで鍛えられた高度なイカサマであり、公営カジノ程度で通用するイカサマレベルでは、グレンに見抜く事は出来ない。
……最も、イカサマ無しだと全部ブタ、全部交換してもブタ、素の引き運は周りが哀れむ程、金に関する賭けには滅法運が悪いのだが。
そんな仁義なきポーカーを続けていると……
「シャ、シャドウ・ウルフ!?」
馬車の二階にいるシスティーナの焦り声が聞こえてきた。
窓の外を見ると、何時の間にか街道から外れた薄暗い森の中で、しかもシスティーナの言った通り、狼の魔獣―――シャドウ・ウルフが数匹いる。
シャドウ・ウルフは『恐怖察知』という標的の自分達に対する恐怖の感情を敏感に察知する能力で獲物を判断する魔獣だ。
そのシャドウ・ウルフに囲まれた光景を見ても、ウィリアムは特に心配していなかった。
何故なら、出発した時から馬車の御者の肩に乗るよく知る鴉に、御者と自分以外は誰も気づいていないからだ。
外の様子に気づいたグレンは
御者の肩に乗っていた鴉―――ファントム・レイヴンは御者の肩から離れ、グレンにも自身の存在を認識させて近づき―――
「アホォー」
……馬鹿にするように鳴いた。
ファントム・レイヴンの『存在遮断』は仲間等に存在を知らせる為、任意で認識させる相手を選べるのだ。
今もウィリアムとグレン、御者以外はこの鴉の存在に気づいていない。
「マジかよ……」
グレンもファントム・レイヴンがこの場にいた事を知り、馬鹿にされた怒りよりも、御者の正体に気づいて呆れていた。
「《罪深き我・
その御者は呪文を呟くと、神業の動きで
実用性と芸術性、二つの属性を遥かなる高次元で融合させた
「す、すごい剣技……」
「あれは剣技じゃねぇ、魔術だ」
御者の剣技に見惚れていたシスティーナに、馬車まで下がっていたグレンが否定する。
白魔
「あの御者は……一体……!?」
システィーナの疑問は御者が最後のシャドウ・ウルフを斬り裂いき、御者のフードがずり落ちた事で解ける事となる。
金の長髪をたなびかせ、黒のゴシックドレスを着たその女性は―――
「やーれやれ。もうバレちゃったか」
「ア、アルフォネア教授ッ!?」
世界最高の魔術師、
本来の御者と入れ替わっていたセリカはそのまま、同行する事となった。
イカサマが相当得意なオリ主でした
多分、原作でテレサの剛運に勝てるのは《隠者》くらいだと私は思います
当然、イカサマの腕は《隠者》の方が上です
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