蛇に睨まれた蛙という言葉がある。
強者や恐ろしいものの前では蛙のように立ち竦むしかないという意味だったと思うが違っていたら、間違ったまま言葉を覚えていたら自分が恥ずかしい。
まあ、恥ずかしいとかは置いておこう今重要なことではない。
問題なのは俺が今、蛙のように立ち竦むしかないこの状況をどうにかしないといけないことだ。
縁側をウロウロしていたら突然部屋で座っていた。
自分でも突然のことに戸惑いを隠せなかったが、空間を移動したことからテレポートの類だとわかる。俺も出来ると胸を張りたいところだが、そこまで遠くまで移動出来ない自身のテレポートで胸を張るのは傲慢なので辞めておこう。
またはなしがずれた。
この部屋へとテレポートさせたであろう人物が目の前にいるのだが、先程から何も話すことなく扇子を優雅に仰ぎこちらを僅かに見ている。
平安時代の貴族かよとツッコミたいが妖怪なのだから平安時代から生きていても何もおかしくないか。
え?何で妖怪か分かるかって? 現在進行形でものすっごい妖気がこの部屋を満たしているからだよこんちくしょう!!
これほどの大妖怪ともなれば妖気そのものが物理的な重さになるんだなーと思いながら目の前のお茶を飲もうとした瞬間
思いっきり後ろへと跳んだ。
1秒先の未来が俺の死を告げ、直感が体を動かし、全筋力を総動員してバッタのように跳ねた。
数部屋を破壊しながら通り過ぎ、庭に多大な影響を与えてしまったがこの際目をつぶろう。
着地の瞬間に地面がひび割れた。次の動作へ移行する。 弾幕が直撃した。
反応などできぬほどのスピードで放たれた弾幕は腹へと直撃し勢いよく吹き飛ばされた。
何が起こったのか分からぬまま再び情けなく気絶することとなった。
博麗霊夢は激怒していた。 異変を解決した彼女は紫に呼ばれ白玉楼へと赴いていた。里で食べた団子を食べながら庭を歩いていた彼女の前に1人の男が吹き飛んで来た。
その横顔はあの時にいた男だったと確認するまもなく、反射的に男へと弾幕を発射した。
そうしなければ非常にまずい事態になると巫女の直感が体を動かしたのだ。
事実ついさっきまで男が立っていた場所は謎の一撃によりズタズタになり空間が不自然に歪んでいる。
「どうゆうことよ紫ぃ!私の前で人を襲うとは良い根性してるわね!」
「あら霊夢大丈夫よ。あの一撃をくらっても問題ないように威力は調整してあるわ。」
紫はそういい弾幕ごっこの体制へと入っている巫女を宥める。
いつも通りの何を考えているのか分からぬ笑顔、しかし紫の性格を知っている霊夢にとって紫がいきなり人を襲うとは考えにくい。
もしもどうこうしたいのであれば、搦め手を使い包囲網を築き相手に有無を言わせないやり方こそが従来のスキマ妖怪のやり方なのだ。
だが、理由は後でこってりと聞けばいいのだ、今は
博麗の巫女の前で人を襲った妖怪に天誅を!!!
「とりあえず夢想封印10発ね!!」
「夢想封印10発は辞めてほしいわね、それは私に効くわ。」
その夜、白玉楼でヘトヘトになりながら庭の手入れをしている妖夢の悲痛な叫びがか細く聞こえたそうな。
この主人公いつも気絶しているな