ソードアート俺ライン   作:きのみ

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02.央都アルン

 俺は羽を羽ばたかせ、何処までも続く青い空を飛んでいた。

 誰もが夢見た空を飛ぶという行為、それを今、俺はしているということに感動していた。

 あまりにも気持ちよく、感動的で、涙が出そうだった。

 

「どう? 空を飛ぶって気持ちいいでしょ!」

「ああ!」

 

 俺とコトハは世界樹に向かうべく、空を飛んでいた。飛行制限があるので、休み休みで飛んでいたが。

 そんな時、ジーノが提案をしてきた。

 

「ねえ、テイル。ボクに乗って空を飛べばいいんじゃない?」

「え? 大きくなれるのか?」

「うん」

 

 そうして、ジーノは光を放ち、巨大化した。

 コトハは目を白黒させて驚いていた。

 

「う、嘘でしょ? ペットにこんな機能、無かった筈……」

「俺のジーノは特別製なんだ。行こう」

 

 俺は、さっとジーノの背に飛び乗り、コトハに手を差し伸べた。

 

「……おかしい、絶対、おかしい」

 

 ぶつぶつと呟きながらコトハはジーノの背に乗った。ジーノが空を飛ぶ頃にはコトハは歓声を上げていた。

 ジーノは世界樹を囲む環状山脈をあっという間に飛び越え、アルン近郊の平原に降り立った。

 

「最高だったわ!」

 

 と言ってコトハはジーノを撫でていた。俺も、労いを込めてジーノを撫でた。ジーノは目を細めていた。

 ジーノが小さくなると、俺たちは央都アルンに向かった。途中、出てくるモンスターを蹴散らし(ほとんどコトハが蹴散らしていた)、アルンに到着した俺たちは宿を取って、夕食を共にしていた。

 

「で、テイル、ここに来て何をするの?」

「知り合いに会うんだ。でも、まだ来てないと思う……」

「そうなの……じゃあ、それまで私に付き合うってのはどうかしら? 貴方、ステータスが異常に高いし、それも課金の力かもしれないけど……強いじゃない。だから、手伝って欲しいの」

 

 俺はコトハにステータスが異常に高いことがバレていたのに少し動揺した。

 

「……何を手伝えばいいんだ?」

「あなたも音楽妖精のプーカなら、伝説の楽器に興味はないかしら」

「伝説の楽器?」

「そう、それが世界樹の近くにあるダンジョンにあるみたいなのよ。どのダンジョンかはまだ分からないけど、絶対、ある筈なの!」

「ああ……」

「だから、手伝って」

 

 がしりとコトハに両手を掴まれた。

 

(……あれ?)

 

 あの恐怖症の症状が出なかった。仮想であれ、何であれ出ていた症状が嘘のように。

 

「いいでしょ?」

 

 俺は動揺を抱えたまま頷いた。コトハは笑顔で俺の手を離した。

 何故だか名残惜しいような気がして、俺は自分の感情に動揺した。そんなことは露知らず、コトハは夕食を美味しそうに食べたのだった。

 

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