ソードアート俺ライン   作:きのみ

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03.世界樹攻略

 アルン近郊のダンジョンをやり尽くした俺たちは、唯一の望みをかけて最後のダンジョンに望んだ。

 松明に照らされた洞窟の奥の奥まで進んだが、何も無かった。

 

「だめ、かあ……」

「……」

 

 俺は無言のままライトを取り出し、壁を照らした。壁には壁画が描かれていた。

 プーカらしき種族が楽器を手に演奏している絵だった。

 

「この壁画は……」

 

 コトハは壁画に手を当てた。

 

「何か意味があるのかしら」

「もしかしたら、ここで演奏しろってことじゃないか?」

「! そうね、そうかも……ねえ、この壁画の下にあるのって楽譜じゃない?」

「ああ、これの通りに演奏すれば……」

 

 俺とコトハは顔を見合わせ頷いた。

 

「テイル、楽器持ってる?」

「ああ、初期の楽器ヴァイオリンがあるけど……」

 

 俺は大体の楽器は嗜んだことがあるので弾ける。

 

「私はハープよ。一緒に弾きましょう」

「ああ」

 

 俺とコトハは楽器を構え、楽譜の通りに弾いた。穏やかな音色が洞窟内に響いた。

 弾き終わると、ゴゴゴゴ、という音と共に壁の一部分が開いた。奥には宝箱があった。

 

「やったわ!」

「うわ」

 

 コトハは俺に抱きついたが、俺は恐怖症も何も出なかった。コトハはすぐさま宝箱の元に向かうと、宝箱を開いた。

 

「凄い……最高レアリティの楽器が全種類あったわ」

「良かったな、コトハ」

「うん!」

 

 俺とコトハはダンジョンを出て、アルンのカフェにやってきた。

 

「テイル、手伝ってくれて本当にありがとう。あなたがいたから宝も見付けられたわ」

「いや、困ったときはお互い様だろ?」

「そう言って貰えると有り難いわ」

 

 コトハはコーヒーを一口飲んで、こちらを見詰めた。

 

「お願いがあるの」

「なんだ?」

「私、ギルドを設立しようと思うのだけど、あなたに入って欲しいの」

 

 ダメ?とコトハは首を傾げた。

 

「分かった。入るよ」

「本当? 嬉しい!」

 

 コトハの喜ぶ顔を見て俺も嬉しく幸せな気持ちになった。失礼かもしれないが、女性に対して穏やかな気持ちでいられたことが無かったので、俺は不思議な感覚だった。

 

「それで、テイル。あなたの得意な楽器は?」

「ピアノだな」

「分かった、これをあげるわ」

 

 コトハが何かを操作すると、譲渡の画面が出てきた。『プレイヤーコトハから【天上のピアノ】の譲渡申請が来ています。許可しますか?』とあった。

 

「いいのか? このピアノさっきの宝箱に入っていた楽器だろう」

「いいの、ギルドメンバー全員にあげるつもりだから」

「分かった」

 

 俺は許可して、天上のピアノを受け取った。

 

「コトハは得意な楽器とかあるのか?」

「ハープとフルートかな……笛は全般的にいける」

「へえ、凄いね」

「えへへ」

 

 照れるわ、と言いコトハはそっぽを向いた。

 

「あら、アルンなのに初期装備の子がいるわ」

「……キリト?」

 

 スプリガンの初期装備で全身真っ黒な姿にツンツン頭なので、キリトに違いないと思った。丁度、メッセージも来ているので、彼に相違ないだろう。

 いつの間にフレンドになったんだって?現実で直接会ってフレンドコードを渡しておいたのだ。

 俺たちはカフェを出て、キリトの元に向かった。

 

「やあ、キリト」

「テイル……SAOのままだな」

「ちょ、それは言うなって」

「あ、ごめん、ごめん」

 

 俺はキリトと拳を合わせた。

 

「よろしくな、テイル」

「ああ、よろしく、キリト」

 

 俺とキリトは世界樹を見上げた。

 

「アスナさんはあそこにいるんだよな……」

「ああ……」

「……あの、お兄ちゃん、この人は?」

 

 後ろから声を掛けてきたのは長い金髪を一つに纏めた可愛らしい少女だった。

 

「ああ、こいつは……俺の友達だ」

「そうそう、友達」

 

 俺たちは互いに紹介し合い、これからについて話し合う。関係無い筈のコトハは俺の為に参加すると言ってくれた。嬉しかった。

 

「何だか、嫌な予感がするんだ」

 

 というキリトの勘により、俺たちは少数精鋭で世界樹を攻略することになった。

 全員が全員、最大限の力を出し、挑んだ。守護騎士達は一体はそれほど強い訳では無いが、数が圧倒的に凄かった。

 俺がまだ来ないのか、と開け放たれた扉を見た時、それは現れた。

 新緑のエンシェント級の鎧を身に纏った勇猛果敢なシルフの戦士達、そして、ケットシーの竜騎士隊。

 リーファもコトハも驚きと感動をない交ぜにした表情を浮かべていた。

 俺は安心したが、顔を引き締め、敵にぶつかっていった。

 キリトとリーファが一心同体になって戦っている。その横で、俺はコトハと背中を合わせて戦っていた。

 そして、キリトが最後の波を乗り越え、扉へと一直線に向かった。

 

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