最強のパンサーに 私はなる   作:黒禍

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久々過ぎる投稿。
バトルシーンと心理描写に手間取りました…。
文字だけで風景とか光景を表現するの難しい。


第三歩 赤に染まる 前編

覚悟しろよ、このエビ野郎!

 

 

――そう思っていた時期が私にもありました

 

 

『ミ゛ャウ゛ッミ゛ャウ゛ッ』

 

 

ガキンッギャリッと一心不乱にエビーメタルの鋼鉄殻に攻撃を仕掛けるベビーパンサー。

戦い始めた頃は比較的攻撃が通りそうな腹や顔を狙っていたが 腹を狙えば鋏でたたきつけられ 

顔を狙えばそのまま噛みつかれる等カウンターを受け続けていた。

このような攻防を繰り返していくうちにベビーパンサーの動きは徐々に単純になっていった。

 

 

そう、このベビーパンサーは――ヤケクソになったのである

 

 

母の狩りに付いていく過程で肉体面は強化されていたのだが 狩りに参加していたわけではなかったため

精神面や攻撃のレパートリーといった【攻め】の技能は通常のベビーパンサーよりも劣っていた。

体力がべらぼうに多い反面攻撃力は皆無…どこぞのレベル上げ道場の卵形モンスターのようなステータスなのだ。

 

 

『ウ゛ミ゛ャアアアアアアアァァ!!』

 

かっっっっっっっっっっってェェェェェェェ!!

流石にメタルの名を冠するだけあるわ…

攻撃がッ!効いてるッ!気がッ!しなッ!いッ!!

 

 

がむしゃらに攻撃を続けるベビーパンサー。

叩いても噛みついても向かって来る小さな存在にエビーメタルは苛立ちを募らせていく。

初めこそ攻撃が通用しない事に恐れを抱いていたが

攻撃力が皆無だということを理解した瞬間、やはりコレは獲物(エサ)なのだと再認識した。

するとどうだろう エビーメタルの中で沸々と思いが込み上げてくる。

 

なぜ、こんな小さな存在に恐れを抱いたのか

なぜ、通用しないとわかっているのに攻撃を続けるのか

なぜ、自分に向かって来るのか

 

なぜ、殺せないのか

 

 

 

――オ レ は 獲 物(エサ) よ り も 弱 い ?

 

 

『ギシ…』

 

 

そんな馬鹿な事、あっていいはずがない

 

 

『ギシ…ギギギ…』

 

 

ここら一帯の火山の上位者たるオレが

 

 

『グギギギ…!』

 

『ミ゛ッ…!?』

 

 

このエビーメタルが獲物(エサ)よりも劣るなど――

 

 

『キシャアアアアアアァァァッ!』

 

 

――あってはならないのだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベビーパンサーとエビーメタルが激闘を繰り広げている頃

火山から少し離れた岩場にある崖に母キラーパンサーは訪れていた。

 

 

『あなた、久しぶりね』

 

 

崖の先端、四本の爪跡が残る岩に話しかける母キラーパンサー

その声はひどく悲しげで、そしてとても穏やかなものだった。

 

 

『あの子は…甘えん坊さんよ』

 

『それにとても賢い子だわ』

 

『ちょっと怖がりな所もあるけれど…』

 

『この間なんてね――』

 

 

延々と我が子の話を岩にし続ける様は他者からみたらおかしな行動に見えるだろう

だがその目は、確かに慈愛を湛えていた。

 

母キラーパンサーが話しかけている岩のすぐ後ろには、底が見えないほど深い谷があった。

大地が裂け、ばっくりと獣が大口を開けたようなその崖は【魔獣の墓場】と呼ばれている

己の死期を悟った魔獣達が人知れず最期を迎えるための安息の地

険しいという言葉では生ぬるいほどの山岳地帯の先にある秘境

人の手が入ったことの無いその崖は、禍々しさと穏やかさを風にのせて運んでくる。

 

 

『――なんて事があったのよ!ふふふっもうビックリしちゃって!』

 

 

普段の厳格な態度とは違い、幼獣のような感情の豊かさを露にする母キラーパンサー。

一頻り話し、満足した頃には、太陽が地平線に飲み込まれるところだった。

 

 

『さて…そろそろあの子の様子を見に行かないと』

 

 

名残惜しげに岩を見つめ、次はあの子もつれてくると告げて立ち上がると

我が子の怒号が聞こえる洞窟を目指し、火山へと足を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両者の争いは、さらに激しさを増していた。

威力0(ゼロ)の攻撃にくわえ、体力が多く、なかなか倒せないというこの状況に

エビーメタルの怒りが頂点に達した!

 

 

巨体に似合わぬ素早さで肉薄し、ベビーパンサーを岩肌に叩きつける。

その衝撃で崩れた瓦礫に半ば埋もれた状態となった所にさらにツメラッシュで追撃を開始。

先程とは打って変わって猛攻を仕掛けるエビーメタルに、ベビーパンサーは目を回していた。

 

動きが追えず、予測もできず、攻撃も通じない。

自身の経験不足をハッキリと感じていた。

 

 

――モンスターの戦い方とは何なのだろうか

 

 

ふと湧いたその考えに、思考が埋めつくされた。

人間の時とは違う四足ならではの動き方。

魔獣としての爪や牙の使い方。

母の獲物を狩る時の、あの、動き。

 

思考の海へと落ち、ピクリともしなくなったベビーパンサーに、エビーメタルはチャンスを見出だした。

ゆっくりと近づく間にハサミを研ぎ、狙いを定め、一突き――

 

 

――その小さな体から、赤が溢れだした

 

 




ちょっとした報告と感謝

つい昨日、久々にハーメルンにアクセスしたら、しおりはさんでいただけてたり評価されてたりで
本気でビックリしました。
まだ見てくださってる方、楽しみにしてくださってる方、ありがとうございます…!!

こんな拙い小説モドキでも読んでくれてる方がいるんだなぁ、としんみりしつつ燃えました。
あらゆる所で文法やら小説の書き方やらを学んだつもりでしたが、未だに答えは見つかりません。
文法とかに拘るとどうしても堅苦しくなってしまって…。
何より私の気力が削がれます(重要)

な の で !

好きにやらせてもらう事にします!
つまり今までとほとんど何も変わらないですハイ。
適当でゆるい感じで行きたいと思います。
あと気力次第では物凄い遅筆になります。

それでもいいよって寛大な方は、今後ともよろしくお願い致します!
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