インフィニット・ストラトス~終焉の銀河の果てに~   作:とっぷパン

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 ついに、トウマVS一夏&セシリアの戦いが始まる。強大な戦士であるトウマに、一夏達はどこまで喰らいつけるのか……。


第15話~新生、その名は雷鳥・改

 IS学園・八日目 クラス代表決定戦後・第三アリーナBピット

 

 

 

 

 

 「準備はいいか、トウマ君!」

 

 「あ、ああ、準備はばっちりだぜ、織斑さん」

 

 なんだかやたらテンションの高い織斑さんが、俺の目の前で鼻息を荒くして俺に詰め寄っていた。やはり、あの健康ドリンクの影響だろうか、普段類に見ないほどのテンションの高さと笑顔で聞いてくる姿に申し訳ない気持ちになる。

 

 「ミナキさんから何か貰って飲んだ気がするんだが、良く思い出せなくてな! 医務室で気がついてみれば、妙に身体がすっきりとしていて気分が高揚してくる! 今の私なら、あの青い空もIS無しで飛べそうな気がするぞ!!」

 

 「分かったから少し落ち着こうか、織斑さん。普段クールな人がいきなりはっちゃけると、テンションが元に戻ったときに色々後悔するぞ」

 

 「私が世界最強だーー!!」

 

 「落ち着けーー!!」

 

 もうダメだな、これは。後で死にたくなるほどの羞恥心で身悶える事になりそうだけど、あとは織斑さんの精神力に任せる事しか出来ることが無い。目の前で子供のように目を輝かせてはしゃぐ織斑さんに、俺はこれ以上かける言葉も見つからずに静かに目を逸らした。

 

 「ちーちゃーん! いっくん達の準備が出来たよー、イェーイ!!」

 

 テンションの高い声と共にBピットの扉が開き、いつもの倍は騒がしい篠ノ之博士が姿を見せた。

 

 「おーう、束ー! こっちも準備は万端だー!!」

 

 「「あはははははっ!!」」

 

 「…………」

 

 ……ああ、また一人ドリンクの犠牲者がこの場に増えたか。

 

 篠ノ之博士は、この世界でミナキの健康ドリンクを飲まされた最初の被害者だった。今日の朝まで時間の許す限りに白式をいじり続けた彼女の顔には、異性には見せられ無い位酷い疲れが滲んでいた筈なのだが……。今はすっかり健康的で綺麗な顔に戻り、体の調子も普段より良くなっている様だ。

 

 「……二人とも、元気なったのは喜ばしい事だけども、周りの人間が軽く引くような言動は控えるようにしろよ」

 

 「何を言うか、トウマ君。私達は至って正常だ、君の心配は無用のものだぞ!」

 

 「そうだぞ、トッチー。束さん達はいつもと同じなんだぞー!」

 

 「……さいですか。じゃあ、そろそろ俺は行くよ」

 

 テンションの高い二人をそのままにして、自身のIS・『雷鳥・改』を身に纏いBピットの射出ゲートに向かう。

 

 今身に纏っているISは大雷鳳が変質したと思われるISに改造を施した、トウマ専用格闘特化型ISである。名前の由来はもちろん雷鳳からとってある。伝説の鳥である鳳凰が鳥の頂点に立つ存在ならば、この雷鳥は雷の鳳凰に至るまでの幼名。ミナキと篠ノ之博士によって四肢の構造を格闘戦に特化したものに改造したために、雷鳥・改との命名したのだった。

 

 『ゲートオープン、完了。トウマ、いつでもいいですよ!』

 

 管制室からミナキの声でアナウンスが届き、発進ゲートの扉が開放されアリーナに向けての道が開く。

 

 「おう! トウマ・カノウ、雷鳥・改でるぞ!」

 

 カタパルトによって加速した雷鳥・改は、今再び大空へその身を羽ばたかせ飛び立った。

 

 

 

 「行ってこい、トウマ君!」

 

 「トッチー、ほどほどにね~!」

 

 「「イェーイ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 エキストラマッチ・トウマ・カノウVS織斑一夏&セシリア・オルコット

 

 

 

 

 

 

 

 「待たせたかい、二人とも」

 

 俺がアリーナに飛び出すと、すでに一夏君とオルコットさんの二人が空中にて待機していた。午前中に試合をしたはずなのだが、二人共に疲れを微塵も見せない真剣な表情で俺を待ち構えていた。

 

 「いえ、私も一夏さんも大して待っておりませんわ。……それがカノウさんのISですの? ざっと見ても、私は見た事がありませんわ」

 

 「そうなのか、セシリア。……まぁ、束さんがいるんだから何が出てきてもおかしくはないんだけどな。とにかく、よろしくお願いします」

 

 ほう、織斑君達が名前で呼び合っているな。全力で戦って友情でも芽生えたかな? 青春だね~。

 

 「おう、よろしくな二人とも。このISは、ミナキと篠ノ之博士の合作さ。名前は雷鳥・改で、格闘特化型の機体だ」

 

 雷鳥・改は一番最初に纏ったあの時より、ほとんど外見上に変更点は見られない。腕のと足の構造を殴り合いの出来る使用にしたのと、雷鳳の胸部や手足についていたプラズマ・コンバーターの宝玉もそのままのこっている。雷鳳の時に首に纏っていたマフラーはついていない。

 

 武器の使用も雷鳳寄りの武装になっている。大雷鳳のような大出力のパワーとエネルギーを真芯に叩き込むような神業仕様ではなく、速さと手数を武器に相手に先手を取らせないように戦う仕様である。

 

 「自身の機体の情報をあっさりと明かして大丈夫ですの? ……それとも、私達をなめていらっしゃいますの、カノウさん」

 

 自分の説明になめられていると感じたんだろう、オルコットさんが不満げな顔でむくれている。午前中までは御淑やかで優雅な雰囲気を纏ったお嬢様だったんだが、何が切っ掛けか子供らしい面をのぞかせている。

 

 「ま、まぁ、セシリア。せっかくカノウさんが教えてくれたんだ、有意義に使わせてもらおうぜ。……それに――」

 

 「なんですの、一夏さん?」

 

 ん? 一夏君が急に震えだしたぞ。

 

 「――それに、ある程度情報を持って挑まないと、俺達じゃあ一撃も与えられずに負けるかもしれない」

 

 「どういうことですの?」

 

 なんだ、そういうことか。一夏君は特訓に参加して、俺の実力の一部を見てるからな。いきなり生身で8メートルも跳んだり、蹴りで衝撃波もどきを出せば震えもくるか。

 

 「まぁ、なんにせよ楽しく行こう、楽しくな!」

 

 と、優しくかつ笑顔で言ってみれば、一夏君も震えが止まると思ったんだが。

 

 「は、は、は、はい! よ、よろしく、お願いします!!」

 

 「だ、大丈夫ですの、一夏さん!? カノウさんはにこやかな笑顔で笑っているだけですわ!」

 

 なんだか、余計に緊張を煽ってしまった様だな。まるで、初めて雷鳳に乗って戦った時の自分を見てるようだ。あの時はすぐにGGGの凱が来てくれたから、俺も初めての戦闘でもなんとか戦えてたんだよな~。

 

 ……しょうがない。

 

 「いいか、一夏!! 俺が戦いで一番大事だと思うことは、どんな時でも諦めない心と気合と根性だ。それに、無限に高まる闘志が合わさって無限の力がわいてくる。相手がどんなに強く強大な敵であっても、最初から最後まで諦めちゃいけない。最後まで諦めないやつに勝利の二文字が輝くんだ」

 

 俺に大きな声で喝を入れられた一夏君は、真剣な顔でこちらを見据えている。

 

 「恐れず、怯えず、ただ真っ直ぐに相手を見ろ。どんな敵にだって完璧なやつはいないんだ、俺はかつてたくさんの仲間達からそれを教わった。なら、今度は自分が教える番だ。若い君達にこの意思が受け継がれるように、俺は力を尽くす……」 

 

 αナンバーズの多くの仲間達から学んだこの力、意思、勇気、愛、そして闘志。バランやゼンガーといった達人達と競い磨いたこの心・技・体をつかって、歳若い少年・少女達の力になろう。

 

 「だから、恐れるな一夏。君の、今の全力をもってこの俺に挑んで来い!!」

 

 「…………はい!!」

 

 体の震えが止まり、力強い言葉と瞳で返事をする一夏君。とりあえずは、これでいいだろう。

 

 『三人とも準備はいいですか?』

 

 おっと、ミナキからの通信か。

 

 「ああ、こちらカノウ・トウマ。準備OKだ!」

 

 「イギリス国家代表候補生、セシリア・オルコット。準備は出来ていますわ!」

 

 「白式、織斑一夏。いつでもいけます!」

 

 全員が戦闘準備を整えた事を伝える。アリーナの観客席には、すでに一組の生徒以外にも多くの生徒が詰め掛けていた。各学年・各クラスで授業を休講にして、俺達の試合を生徒に観戦させることにしたようだ。

 

 『それでは、各選手共に準備が整った事を確認しましたので、これから一年一組によるエキストラマッチを始めます!』

 

 ミナキの開会宣言に、アリーナ全体からワー!と大歓声が上がる。まさに、小規模な世界大会のようだ。

 

 『では、エキストラマッチ、カノウ・トウマVSセシリア・オルコット&織斑一夏ペア、戦闘始め!!』

 

 

 

 

 「おおぉぉぉっ!」

 

 開始直後に一夏君が気合と共に突撃してきた。手には雪片弐型を右水平に持ち、機体の加速力に物を言わせての力技。所詮は力技に過ぎない攻撃だが、ここに優秀なガンナーが加わればどうなるだろうか。

 

 「一夏さん、私が援護して差し上げます! そのまま、カノウさん目掛けて突撃なさいですわ!!」

 

 オルコットさんがすかさずビットを二機飛ばし、こちらの動きをけん制し動きを止めようと射撃の雨を仕掛けてくる。

 

 「ファンネルもどきか? うん、いい連携だ。だが……!」

 

 俺は凄まじい加速で迫る白式と射撃の雨に向けて、機体背面にあるブースターからエネルギーを噴射させ突撃する。

 

 「ブレイクスルー、突き抜けろってな!」

 

 機体の各所に付けられた姿勢制御用スラスターを駆使し、エネルギーの雨を掻い潜りながら白式に迫る。

 

 「おおぉぉっ!!」

 

 「せりゃあぁぁ!!」

 

 互いが交差する瞬間、雪片弐型の刃が光を放ち迫る。それを見た瞬間、体にゾクリとした感覚が走り本能がその危険性を感じ取る。

 

 「ぬんっ!」

 

 その光の刃が俺の身に届く一寸前に上に回避し、雪片弐型を持つ腕にオーバーヘッドで蹴りを放ち軌道を逸らす。腕を蹴られた一夏君は体制を崩しながらも、雪片弐型を手放すことなく後退する。……あれは危険だな。

 

 「くっ、かわされちまったか!」

 

 白式が後退すると同時に、後方からビットと射撃の弾幕が飛んでくる。さすがは国家代表候補生、いい判断だ。

 

 「一夏さん、今のうちに体勢を立て直してください!」

 

 「いいぞ、オルコットさん。その判断は的確だ!」

 

 「っ! ……馬鹿にして!」

 

 自身の射撃が一つもかすらせる事すら出来ない様に、イラつきと共に感情と弾幕をぶつけてくるオルコットさん。俺はその場から大して動かずに、極々小さい動きでビットとスターライトMK―Ⅲの射撃を回避する。

 

 「わ、私の射撃がかすりもしないとは……!」

 

 「その手の兵器には慣れてるモンでね!」

 

 そう、正直この程度のビット兵器からいくら攻撃を受けようとも、鉄也や凱といった人達から受けた特訓に比べれば難易度はかなり低い。ましてや、キュベレイMK―Ⅱ二体のファンネル同時or時間差オールレンジ攻撃に比べたら脅威でもなんでもない。

 

 「セシリア、もう一度仕掛ける!」

 

 「了解しましたですわ!」 

 

 そうだ、一夏君。一度かわされたからといって諦めちゃいけない。何回も挑戦して当たらないないなら、何故攻撃が当たらないのか考えて次に繋げるんだ。

 

 「さぁ、どんどん来い!」

 

 「うおおぉぉ!!」

 

 オルコットさんの援護射撃を背に、一夏君の白式が再び迫る。今度は先ほどとは違い、居合いのように雪片弐型を構えて突撃してくる。うん、俺の拳や蹴りが届かない距離からの攻撃か。居合いとなれば速度も付くし、この射撃の中だとかわしにくいだろう。

 

 「だが、まだまだ甘いぞ一夏君!」

 

 「とった!」

 

 白式のパワーアシストを使い繰り出された居合いは、人間の筋肉が作り出す速度を遥かに超え俺の右わき腹付近に迫る。

 

 それに対して俺は手首付近にあるプラズマ・コンバータを起動させ、雷鳳ではお馴染みのあの技を手から繰り出す。

 

 「ハーケンインパルス・ショット!!」

 

 雪片の青白い光の刃が届く前に、雷鳥・改の手首から放たれた赤いプラズマの光弾が白式の胸部にぶち当たる。これは、雷鳥を改造する際にミナキに頼んで追加してもらった新装備である。本来なら両足のプラズマ・コンバータからプラズマを発生させ、蹴りのモーションで打ち出す武器である。しかし、威力のわりに取り回しが悪く、近距離では扱いづらい仕様となっていた。ならば、足よりもパワーは落ちるが手数やスピードで勝る腕部にも装備してもらったのである。

 

 「くっ! 格闘特化仕様なのに射撃武装が!?」

 

 「油断したらダメだぞ、一夏君。これは、本来の仕様とは別に作ってもらった特注品だ。射撃が下手な俺専用に作ってもらった射撃武装、ハーケンインパルス・ショットさ」

 

 「一夏さん、お怪我はありませんか!」

 

 白式の胸部にぶち当たったプラズマ光弾の威力に、体制を崩しながらもなんとか耐えた一夏君。そんな彼のダメージを気遣ってか、オルコットさんの援護射撃が激しさを増す。

 

 「そして、両手足のプラズマ・コンバータを展開すればこんな事もできる……」

 

 雷鳥・改の両手足に備え付けられたプラズマ・コンバータが、赤いプラズマの光を作り出した時。俺はその場で独楽の様に回りだす。

 

 「させませんわ!」

 

 「必殺、プラズマ大回転魔弾! もとい、ライトニング・ハリケーン!!」

 

 「え? きゃあ!?」

 

 回転と共にプラズマ光弾の出力を下げて、威力よりも玉数で敵を圧倒する技を繰り出す。ビッグボルフォッグの大回転魔弾を参考にしたこの技は、多対一戦闘でその力を発揮する。今この状況は、まさにその条件にぴったりだ。

 

 「ちょ! 何だこの技は!?」

 

 「なんて数の光弾!? これでは近づく事すら儘なりませんわ!」

 

 はは、驚いているようだな。だが、これ一発の威力は大して強くない。多少被弾しても大丈夫な仕様に気づくのはいつかな?

 

 必死で光弾をかわす二人を見ながら、いつカラクリに気づくのか様子を見る。技の消費エネルギー自体は大したことはないので、数十分間続けても問題はない。減るとしたら、俺の体力だろうか。あんまり長くやっていると、だんだん酔ってくるのがこの技の弱点だな。ボルフォッグの様な勇者ロボならではの技と言ったところか、生身ではきつい物があるな。

 

 「どうした、二人とも! さっきも言っただろ、最後まで諦めるなってな! よく見て観察し、情報を纏めて考えろ!!」

 

 「クッ!? ……そうだ、考えろ。きっと何か解決策があるはずだ……。そうだ、……セシリア!!」

 

 「なんですの!? 今ちょっと手が離せませんの! …………そうですか。分かりましたわ、一夏さん!」

 

 お! 一夏君が何か思いついたかな。じゃあ、是非とも付き合ってやらないとな!

 

 何か考え付いた様子の一夏君が、オルコットさんと協同して攻略をしてくるのを待つことにする。あの真剣な表情からすると、きっといい作戦が思いついたのだろう。

 

 「セシリア、いくぞ!」

 

 「はい、ですわ!」

 

 白式が持つ雪片弐型が、あの青白い光を纏い眼前に迫るプラズマを迎撃する。すると、俺が放った光弾は雪片弐型の刀身に触れたとたんに消失していく。あの時感じた物はこの力の事だったらしい。もしあの刃がISに届いたら、おそらくはシールドエネルギーが消失して絶対防御が作動し本体にも大きなダメージを与えるのだろう。

 

 織斑さんが現役時代に使っていたISの能力に似ている、な。……確か、ワンオフ・アビリティー《零落白夜》だったな。さすがは仲良し姉弟、といったところか。

 

 「うおおぉぉ!!」

 

 一夏君が雪片弐型を高速で振り回しながら、光弾を打ち出す俺に突っ込んでくる。その一夏君の操る白式の後ろには、オルコットさんの操るブルー・ティアーズが追ってくる。なるほど、いい判断だ。

 

 「くそっ! エネルギーがもう半分を切った!」

 

 「もう少しですわ、一夏さん!」

 

 どうやらワンオフ・アビリティーのペナルティー効果まで同じのようだ。

 

 「これで、最後! 今度こそ当てる!!」

 

 至近距離まで接近した白式は、雪片弐型を突き刺すように切り込んできた。それに対し、俺は手に装備してあるプラズマ・コンバータの出力を最大にして高出力プラズマを手のひらに纏い、青白く輝く雪片弐型の刀身を真剣白羽取りの要領で掴む。

 

 「なんだって!? 零落白夜を発動している状態で、受け止めただと!?」

 

 「残念だったな、一夏君。そのワンオフ・アビリティーは、こういう物で防ぐ事ができるんだ。原理は後で教えてやるからな」

 

 無敵の能力であった零落白夜が、いとも簡単に掴まれた事に驚きを隠せない一夏君。まぁ、こっちも大丈夫って訳でもないんだが……。

 

 視界の隅に映るある数値が、雪片弐型を掴んだ瞬間からどんどん減っていく。零落白夜を使用した雪片弐型を平気でつかめる理由は、零落白夜のエネルギー処理能力を大出力のプラズマエネルギーで飽和状態にしているからである。そのため、プラズマエネルギーを高出力で保つために、常にエネルギーを放出しているのである。

 

 「まだ、私が残ってましてよ!!」

 

 後ろに控えていたオルコットさんのブルー・ティアーズが白式の上を乗り越して、俺に向けてビット射撃とスターライトMK―Ⅲによる射撃の雨と、追尾式ミサイルビットが火を噴いて迫る。   

 

 「もちろん、分かっているよ!」

 

 迫り来る射撃の嵐に掴んでいた雪片弐型を離し、脚部の外側に備え付けられているブースターの様なプラズマ・コンバータを展開しながら回転する。

 

 「うわっ!?」

 

 「きゃあ!?」

 

 プラズマを纏って回転した事により、エネルギーのバリアが発生する。スターライトMK―Ⅲやビットからのレーザーを防御し、ミサイル型のビットもエネルギーの渦に巻き込んで破壊する。

 

 「ああ、私のビット達が……」

 

 「う、動けない……!」

 

 そのまま回転を続けエネルギーの竜巻を発生させ、一夏達を地上に縫い付ける。そして、自身は回転しながら上昇し、アリーナの上空限界域まで達する。上空でプラズマエネルギー数値を臨界まで高めると、あとは狙いを一夏君達に定めて急降下をする。

 

 「ライトニング・フォール! ぶち抜けーー!!」

 

 次の瞬間、一夏君とオルコットさんの間に青い稲妻が落ちる。アリーナの地面はライトニング・フォールの蹴りの衝撃で砕けて、割れた地面の破片が飛び散る。

 

 「は、外れたのか?」

 

 「…………それはどうかな?」

 

 一瞬の静寂の後、俺を中心とした半径10メートルの円形状に凄まじい爆発と赤い火柱がアリーナを覆うバリア付近まで上がる。

 

 「「ちょっ、おまっ――」」

 

 プラズマエネルギーの火柱に飲み込まれる二人を残し、俺は近くの地面に降り立った。赤い火柱が後方で輝く中、雷鳥・改のヘルメットのバイザーが赤い光を反射して輝く。

 

 「中々いい戦いだったぞ、二人とも」

 

 一言健闘した一夏君達を褒め、構えを解いて腕組みのポーズをとる。

 

 『白式、ブルー・ティアーズ、両者共にシールドエネルギー数値0を確認。よって、エキストラマッチ勝者 カノウ・トウマ!!』

 

 エネルギーの火柱が収まり、その中心付近に気絶している二人を確認したミナキがアリーナ館内に勝者を告げる。アリーナの液晶掲示板には白式とブルー・ティアーズのエネルギー数値が0と表示され、すぐに俺の顔写真に勝利という文字が躍っている画面に変わる。

 

 満員の観客席からは驚きの声と歓声が同時に巻き起こり、勝利した俺にも、残念ながら敗北に喫した一夏君達にも惜しみない拍手が送られている。

 

 「……さて、Aピットまで二人を運びますか」

 

 以外にも安らかな顔で気絶している二人を抱きかかえると、俺はAピットに向けてゆっくりとISを飛ばしていくのであった。

 

 「……おつかれさん、二人とも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エキストラマッチ終了後・織斑一夏&篠ノ之箒 IS学園寮・一年寮室

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……っつ、ここは?」

 

 「気がついたか、一夏」

 

 俺が体に走った痛みで目を覚ますと、目の前に心配そうな顔をした箒がいた。掛けられていた布団をどかして身を起こしあたりを見回すと、どうやらここは俺達の部屋のようだった。

 

 「箒、すまないが水をくれないか?」

 

 「水か、分かったすぐに持ってこよう」

 

 何ともなさそうに起き上がった俺に安心したのか、心配そうにしていた顔を和らげて台所に水を汲みに行ってくれた。どうやら俺はかなりの時間眠っていたようで、窓から見える景色はすっかり夕闇の中に沈んでいた。

 

 「ほら、ご注文の水だ。ゆっくり、少しずつ飲めよ」

 

 「ああ、ありがとう。…………心配かけたみたいだな、箒」

 

 水を一口飲んで箒にそう尋ねると、箒は拗ねた様な顔をして答えた。

 

 「当たり前だぞ、一夏。試合に負けて気絶したお前を、カノウさんがここまで運んでくれたんだ。あとでしっかりと礼を言っておけ」

 

 「そっか、そうだったな。カノウさんが出した最後の技で、気絶してしまったのか。…………怖かった~」

 

 「そうだな、あれには私も心臓が止まるかと思ったよ。なんせ、ど派手な技だったからな。お前が生きている事が不思議なくらいだよ」

 

 最後は苦笑しながら、あの時の様子を語ってくれる箒。外から見てもそうだったのか、生きてて良かったと心のそこから思う。なんせ、顔のすぐ横にカノウさんの脚が突き刺さって地面が吹き飛んだと思ったら、次の瞬間にはそれ以上の爆発とエネルギーの火柱に包まれたからな。

 

 ……正直、死んだかと思った。

 

 「そうだ、一夏よ。もう食堂が閉まっているんだが、良かったら私が夕御飯を作ってやろうか?」

 

 箒が思い出したかのように、食堂が閉まっている事を顔を若干赤らめて聞いてきた。体調が悪いんだろうか? 無理はしてほしくないんだが、さっきから空腹を訴えている腹が御飯を寄こせと叫んでいる。

 

 「すまないな、箒。面倒を掛ける」

 

 「なに、私もまだだから丁度いいさ。この間カノウさんに教えてもらった、特製ねぎチャーハンでいいか?」

 

 「おおっ! それは楽しみだな。早速作ってくれ!」

 

 「フフ、仕方がないな、食いしん坊一夏め」

 

 嬉しそうな顔で足早に台所に向かう箒を見ながら、良いお嫁さんになりそうだなと考える。弱っている夫を、甲斐甲斐しく介護するお嫁さん。うん、今の状況にぴったりだな。

 

 「まってろよ、一夏。すぐに、うまいチャーハンを作ってやるからな」

 

 「ああ、楽しみだぜ」

 

 手早くエプロンをつけると、冷蔵庫に準備してあった材料を取り出し調理し始めた。その様子を、目を細めながら見守る俺。軽い新婚さん気分だな、これは。

 

 「ああ、そうだった。一夏、実は食後に飲んでもらいたいものがある。」

 

 「飲んでもらいたいもの?」

 

 料理の途中で、箒がそう言った。はて、薬か何かだろうか?

 

 「トオミネ先生から栄養ドリンクを預かってな、食後三十分以内に飲むと体の痛みやらが翌日には引くそうだ」

 

 「へぇ~、そんな物をくれたのか。分かった、しっかり飲むとするよ」

 

 リズムよく食材を刻む様子を見ながら、栄養ドリンクに関する返答をする。トオミネ先生は何でも出来るんだな~、などとこの時の俺はのんきに考えていた。

 

 「後は炒めるだけだな……。よっ……ほっ……っと」

 

 「火傷に気をつけろよ、箒」

 

 「分かっている。一夏は黙って待っていろ」

 

 火傷の注意をした俺に、むくれた顔でそう言う箒。部屋の中に香ばしい香りが漂い始め、ジュウジュウという油で炒められた食材の音に腹の音が重なって鳴り響く。香ばしいねぎの香りと炒められたチャーハンの香りに、もう俺の胃袋は空腹の限界に達していた。

 

 「出来たぞ、一夏。出来立てだから火傷しないようにな」

 

 「うまそ~。では早速、いっただきっま~す!!」

 

 香ばしいねぎの香りが鼻空を満たし、ふっくらとした卵としっかりと味の付いたチャーシューがうまい。醤油の香ばしさもあいまって、今まで食べた事のないくらい絶品のチャーハンであった。

 

 「ふまい、ふまい!」

 

 「ほら、そんなにがっつかないで落ち着いて食べろ。足らなければまた作ってやるから、な」

 

 「お、おう」

 

 なんだか優しい顔でたしなめてくる箒の姿に、胸が高鳴るのがわかった。ああ、いつかはこんなお嫁さんがほしいな~。

 

 「あ~、うまかった。箒、料理の腕も上がったんだな。昔に比べたら天と地ぐらいの差だった」

 

 「いくら武人の道を行くからといっても、女を辞めたつもりはないからな。お前と離れ離れになってからは、忙しい母さんの料理を手伝っていたんだ。それに、ここに来てからは料理の達人と言ってもいいカノウさんに教わっているからな。どんどん女としての株も上がっていくさ」

 

 「そうだな、今は時間がないけど俺もカノウさんにレシピとかを教えてもらおうかな。あの人の飯は何食ってもうまいからな、主夫業を預かる身としては神様みたいな人だぜ」

 

 本当に、カノウさんの人生はどうなっているんだろうか。何でも出来るし、ISの操縦はうまいし強い。今日の試合も俺とセシリアの二人がかりだったのに、ほとんど何も出来ずに完敗した。零落白夜は手で掴まれるし、最後の技は本当に凄かった。

 

 「ほれ、一夏。これが、トオミネ先生から受け取った栄養ドリンクだ」

 

 「ん? ああ、ありがとな、箒」

 

 カノウさんについて考えていた俺の元に、箒が例の栄養ドリンクもって来てくれた。見た目は完璧に栄養ドリンクのビンで、トオミネ印の栄養ドリンク・健やかMAX、とラベルには書いてある。何はともあれいただくとしますか。

 

 「……んぐ、んぐ。ぷは~、意外とうまいな、これ」

 

 「そ、そうか、体に異常はないか? 意識が薄くなってきたりしてないか?」

 

 「何を心配してるんだ、箒。栄養ドリンクを飲んで、そんな事あるわけが――――」

 

 それが今日最後に話した言葉だった。いきなり目の前が暗転し、意識が薄れていくのを感じる。安らかな気持ちになりながら意識が薄くなっていく様は、まさに眠りについていく時の感覚だった。

 

 「わけが……わ……け……うっ」

 

 「一夏? 一夏! 一夏ーー!!」

 

 箒が何か叫んでいるような気がするが、今の俺には何も理解できずにそのまま意識が途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 IS学園・一年寮館 トウマの私室

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ハッ! 今、箒ちゃんの声が聞こえた気がする!」

 

 「束、静かにしろ。今はそんな時ではない。今はどうすればトウマ君の記憶から、あの時の私達の姿を消せるか考える時間だ」

 

 「そ、そうだった。私達の恥ずかしい黒歴史を消す事が重要な事だったね、ちーちゃん」

 

 「……わた……し……恥ずかし……もう、お嫁にいけない……」

 

 夕食をすませた俺とミナキが部屋に帰ってみると室内のいつもの定位置になりつつあるイスに、やたら沈んだ顔をしている織斑さんと篠ノ之博士、それに山田さんが座っていた。

 

 「あの~、お三方。恥ずかしい気持ちは分かったから、俺の記憶を飛ばすとか物騒な話はやめてくれないか」

 

 「いったいどうしたんですか、トウマ。なんだか怖い事を千冬さんが呟いているように聞こえましたが……」

 

 俺が必死になだめているのをよそに、事件の犯人は何も分かっていない様子で首をかしげている。その事にケイサル・エフェスとの決戦以来の戦慄を覚えながらも、そういえばミナキは味音痴で料理下手だった事を思い出す。

 

 「そ、それは、本気で言っているのか、ミナキさん」

 

 「驚きだよ、生まれて初めての衝撃だよ。この束さんを戦慄させるなんて、ミッチーってば恐ろしい子!」

 

 「…………」

 

 しかし、そんな事実を知らない織斑さんは目じりに涙を浮き上がらせて今にも泣きそうに震え、篠ノ之博士は純粋に恐怖を感じて少女マンガの戦慄シーンのようになっている。山田さんはもはや石のように固まって、声もでないようだ。

 

 「三人とも、実はあのドリンクはこれでも良くなった方なんだ。始めのうちは腹痛や下痢でのた打ち回ったり、三日間目がさめないやつもいたくらいだった。味も最悪で、飲み込むのも一苦労した事もあった」

 

 「「「!!??」」」

 

 「その研究と探求の果てに出来た物が、あの健康ドリンクなんだ。だから、君達はまだマシな方だ」

 

 「「「…………泣ける!!」」」

 

 遠い目をしながら話す俺の姿に、三人は当時何が起こったかを理解したのか目から洪水のような涙を流している。あんときは、本当に死ぬかと思ったからな~。ご近所に住むクスハちゃんの恋人、ブリット君は大丈夫だろうか。ちゃんと生きているといいんだけど……。

 

 「もう~、皆さん失礼ですね。確かに失敗した事もありますが、その失敗のおかげで今のレシピに辿り着いたんですから。それに、ちゃんと疲れは取れているでしょう?」

 

 「そうだけれども、確かにそう通りなんだけども! このやるせない気持ちは何処にぶつければいいんだ!!」

 

 「本当に初めてづくしだよ! だけど、こんなはじめては束さんいらないよ~!!」

 

 「私のあの痴態はまだマシですか……。涙がちょちょ切れます~!!」

 

 まぁ、今となってはいい思い出だけどな。平和だからこそ、あんな日常が送れたのだから……。

 

 

 

 

 

 「ちなみに、先ほど箒さんに渡した栄養ドリンクはこれの副産物で出来た物です」

 

 「「「な、なんだと!?」」」

 

 ほんとにいい思い出だよ。な、ブリット君……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一年寮館・セシリア・オルコット&鷹月 静寐

 

 

 

 

 

 

 

 サアアアアア……。

 

 各寮室に備え付けられたシャワールームに、熱めのお湯が噴出す音が耳を打つ。シャワーから落ちる水滴は、私の密かな自慢である白魚のような体を滑り落ちていく。白人種としては若干胸が小さめだが、全体のバランスが整っているためにちょっとした不満が残る。

 

 「ふう……今日は色々と疲れましたわ」

 

 私こと、セシリア・オルコットは、熱いシャワーに打たれながら物思いに耽っておりました。そう、今日の試合相手の事です。

 

 今日の戦いで、一夏さんはその力を私に示してくださいました。未熟ながらも真っ直ぐな力と瞳に、熱い物が胸にこみ上げてまいります。

 

 「…………」

 

 幼い頃両親をなくした私は、今まで数多くの大人達と対峙しオルコット家の財産を守ってまいりました。身内と呼べる者はメイドのチェルシーただ一人、必死に背伸びして大人達と競ってまいりました。すべては、オルコット家の繁栄の為と信じて。

 

 「……殿方、か」

 

 そんな貴族社会の汚れにまみれた私が今日戦った殿方は、本当に真っ直ぐな瞳をしておりました。

 

 『織斑さん、貴方の力見せてもらいました』

 

 『オ、オルコットさん。よかった、俺の思いを分かってもらえたようだな』

 

 『はい、このセシリア・オルコットの胸にしっかりと刻み込みました』

 

 試合終了後、目を覚ました一夏さんのもとに私が会いに行くと、彼は私を笑顔で出迎えてくださいました。

 

 『……あの、それでなんですけれども。もし、もしよろしかったらで構わないんですけれど……。わ、私とお友達になってくださいませんか?』

 

 勇気を振り絞って私はそう伝えました。今までの挑発的な言動を振り返ると、断られても仕方がない事でした。しかし、彼に人間性を垣間見た時、この人なら、とそう思った私は意を決して願い出たのです。

 

 『俺と友達にか?』

 

 『は、はい。もし、貴方がよければですが……』

 

 『う~ん、そうだな~』

 

 答えを聞くのが怖い私は、若干震えておりました。

 

 『じゃあ、一つ条件がある』

 

 『じょ、条件ですか?』

 

 お友達になる条件ですか……。いいでしょう、それがたとえ私を罰する物であっても甘んじて受け入れますわ。などと考えていた私は、次の一夏さんの言葉に衝撃を受けました。

 

 『それはな、互いを名前で呼び合うこと』

 

 『え? それだけですか?』

 

 『それだけって……。むしろ、これが対等な友達の条件だと思うけどな~』

 

 そう言って笑う貴方に、私は不覚にも少し泣いてしまいました。やっと出来た初めての殿方のお友達。私をオルコット家の人間としてではなく、イギリス国家代表候補生としてでもなく、純粋に一人の人間として見てくれるお友達。嬉しかった、涙が出るほどに……。

 

 『って、おい!? 何泣いてるんだよ、これ泣く所か!?』

 

 涙を流す私の姿に驚き、どうすればいいのか分からないと右往左往する貴方の姿に私の涙は自然と笑顔に代わっていきました。

 

 『私の初めてのお友達……。ウフフフ、これからよろしくお願いしますわ、一夏さん!』

 

 『お、おう、よろしくな、セシリア!』

 

 あの時の笑顔を私は一生忘れる事はないでしょう。

 

 

 

 

 

 それから、午後にペアを組んでカノウさんに挑んだ時などは、心が嬉しさで躍り跳ねていました。まぁ、すぐにカノウさんに完敗するのですが……。

 

 「お母様、貴女の言っていた事は本当でした」

 

 そう、両親が亡くなる数年前に、私の尊敬するお母様が言っていた言葉。

 

 『セシリア、あまりあの人を責めてはいけませんよ』

 

 『どうしてですの、お母様。お父様はいつもいつも、人に頭を下げてばかりの情けない人なのではないですか!』

 

 幼い私がお母様に喚くと、にっこりと微笑んでその言葉を否定しました。

 

 『それは違うのよ、セシリア。お父さんのあの姿は、本当の姿じゃないの。本当のあの人はね、それはそれは格好の良いイギリス紳士なのです』

 

 『では、なぜいつも人に頭を下げているのですか?』

 

 『それは貴女が大人になったら、自然と分かります。……ですが、一つだけはっきりと言える事があります』

 

 優しく微笑みながら語り掛けるお母様が、その笑みを深くして若干頬を赤らめながら私にこう言いました。

 

 『あの人は、カーティス・オルコットは立派な殿方なのです。なぜなら、この私、アナスタシア・オルコットが惚れ込んだ人なのですから!!』

 

 そう言って貴族らしく凛々しい顔で微笑むお母様は、イギリスの名門貴族を名乗るに相応しい姿でした。

 

 『それとね、セシリア。殿方には、たとえ格上の相手でも譲れないものや思いがある時は、日ごろどんなに格好が悪い人でも、とても強く格好の良い人になれるのよ』

 

 『そうなのですか?』

 

 『ええ、だからね、セシリア。もし、貴女がこの先の人生で出会う運命の人には、お父さんの様にいざという時に力を発揮できる人を選びなさい。そして、もしその殿方を見つける事ができたのなら――』

 

 私のことを思ってそう言うお母様の口から出た言葉は、今はかなう事はない願いだけれど。

 

 『――私達に必ず紹介するのですよ。その人の隣で輝く貴女の最高の笑顔と共に、ね』

 

 今なら、天国にいるお母様達に胸を張って言えそうですわ。私の初めてのお友達。そして、お父様の様な立派な殿方に会えたことを……。 

 

 「織斑一夏……」

 

 彼の名前を口にすると、甘く切なくなるこの気持ち。ドキドキと胸が高鳴り、抑えきれない熱く甘い思いが全身を駆け巡る。

 

 「知りたい、もっとお傍にいたい……」

 

 熱いお湯に負けないくらいに熱く疼く、そんな感情を抱きながら熱いシャワーでその身を濡らすのでした。

 

 

 

 

 

 「ちょっと、オルコットさーん。あんまり長くシャワー浴びてると、風邪引いちゃうからねー」

 

 「は、はい、分かってますわ!」

 

 今は楽しいこの学園生活で、ルームメイトの鷹月さんともうまくやっています。まだまだ未熟な私ですけれど、今は天国にいるお二人に恥じないようにこれからも精進していきますわ。

 

 だから、見守っていてくださいね、お父様、お母様。

 

 

 

 

 

 

 




 いかがだったでしょうか。今回で入学式、セシリア・オルコット編の最大の見せ場が終了となります。あとは、後日談としての十六話をもちまして、第一章の終了となります。

 トウマの専用IS、雷鳥・改ですが、実はまだ初期設定の機体です。本来の機体スペックからすると、本当に天と地の差があります。まぁ、これは他のスーパーロボットにしてもそうでしょうが、IS化するにあたって元々の機体が持つ性能をISの世界に合わせてやる必要があると思います。でなければ、ただの主人公無双で終わってしまうからです。……いずれ、本来の姿に戻る機会があるかもしれませんが、今の状況では不可能です。とだけ申し上げておきます。

 セシリアの両親に関しては、どちらもカッコイイ大人にしてみました。下手したら、父親と母親だけで番外編みたいな物を作れるかもしれないお二人です。セシリアは、イギリスでは母親のような立派な貴族を目指し努力する女の子でした。なので、親しい異性や友達はおらず、一人ぼっちで大人の世界と戦ってきました。と言う設定です。

 最後に、誤字・脱字、感想などお待ちしております。
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