俺ガイル小説でよくあるちょっと性格が変わった愉快な比企谷八幡 作:銅英雄
「ここを開けると練習場デース!」
あっ、小原さんがフランクな外人キャラに戻った。此方がこの人の素なのか?
「すごい……!本格的な練習場って感じ!」
「確かに……。小原さんは何処か野球チームでも持ってるんですか?」
これ程立派な野球場なんだから専属のチームがあっても可笑しくはないだろう。大神が所有している『大神ホッパーズ』のような……。
「野球チームは持ってないわ。そのかわり……」ピッ
小原さんがボタンを押すとシャッターが開いた。これは……!
「まさか……野球人形か!?」
「Yes!八幡の言う通り野球人形のチームなのデース!!」
マジか……。大神や野崎でも野球人形のチームはまだ表に出したことがないはずなのに。
「野球人形……ってことはこれ人形なの!?どう見ても人間にしか見えないんだけど……」
「私も噂には聞いてるけど、本物を見たのは初めてだよ!すごい!!」
初めて野球人形を見た榎本はその造りに驚き、西野は野球人形を生で見れて興奮している。
「でもそれで私達はどうやって練習を……?」
「多分野球人形と交じって練習することになるだろうな」
榎本の疑問を俺は予測混じりで答えた。
「そうよ!じゃあ3人はこれに着替えて練習を始めて!」
「これは……?」
「ユニフォーム!野球人形達と同じものよ!!」
野球人形と同じってことは薄紫のやつか……。控え目に言ってダサいが、ユニフォームがあるなら私服よりかはいいだろう。
こうして俺達はユニフォームに着替えて練習を野球人形達とすることになった。榎本が少し恥ずかしそうにしていたが、議論し始めては日が暮れそうなのでそれで納得してもらった。ちなみに小原さんは監督らしい。
~そして~
「そろそろ体も暖まってきたところだろうし、そろそろ本格的に始めるわよ!まずは守備練習で3人の適性ポジションを決めたいんだけど……3人は何処か希望するポジションはある?」
俺達の適性ポジションか……。俺と西野は過去に全ポジションを経験したことはあるが榎本は未経験に等しいからな。
「梨子は何処がいいの?」
「そうね……ネットの野球では二遊間や外野を守っていたけど……」
「ネットの野球?そんなのあるの?」
ネット野球……確か最近有名なのは……。
「もしかして『ハッピースタジアム』か?」
「うん、比企谷君は知ってるんだ?」
「話に聞いたことがあるだけでやったことはないがな。大神の人間が企画したっていうことらしいが……」
余り信用できないんだよなぁ……。大神の人間はどうも胡散臭い。
「……話を戻すけど現実だと私は肩が良いわけじゃないからネットで守っていた二塁手かな?」
となると(Oddball)での仕事の連携とかを考えると俺と西野のポジションは……。
「そうなると私と八幡は三遊間を守るのがベストだね!仕事での連携を野球で活かせるし」
どうやら西野も同じ考えのようだ。
「或いは二塁手と連携が取りやすい遊撃手と中堅手になるな。だが……」
確か椿さんは過去に野球をしたことがあるらしく、そのときのポジションは外野だったそうだ。椿さんも今度の試合に参加するらしいから中堅手は椿さんとなるだろう。そう考えていると西野が口を開く。
「試合の日って椿さんも参加するんだよね?確か椿さんは外野を守るらしいからやっぱり私達のポジションは三遊間だね!」
「やっぱそうなるよな。西野はどっちを守るんだ?」
「う~ん……三塁手かな?肩には自信があるし!」
まぁ三塁手は肩が強いイメージがあるよな。ということは俺が遊撃手か……。
「ポジションは決まったようね!」
「はい!私が三塁手で梨子が二塁手、八幡が遊撃手です!!」
西野が俺達のポジションを小原さんに言い伝える。
「OK!じゃあ今から守備練習スタート!!」
~そして~
基本的な守備練習が終わった。俺と西野は守備の勘を取り戻したといった感じで、榎本はネット野球をイメージして練習しているのと榎本自身のセンスで難なくライナーやゴロを捌いている。そして次は連携の要のゲッツーの練習である。
「じゃあ次は6、4、3のダブルプレーよ!」
「」キィン!
野球人形が此方に痛烈なゴロを放つ。
「よっ……と!」バシッ! ビシュッ!
俺はゴロを処理して榎本へと投げる。
「」バシィッ!
「OUT!」
「」ズザザッ!
監督をしていた小原さんがジャッジをすると同時に一塁にいた野球人形がゲッツー崩しをするべく榎本にスライディングをかます。
(落ち着いて……。この局面はネットでも多々あった。その時のプレイをイメージすれば……!)
「」ザッ! ビシュッ!
「」バシィッ!
「OUT!ダブルプレーデース!!」
「梨子!すごいよ!!」ダキッ!
「そ、そうかな……///」
小原さんのコールが終わった後、西野が榎本に抱き付く。榎本も満更でもない表情である。百合ってますね。君達付き合っちゃいなYO!!
……それはさておき、確かに現実の野球の経験がない榎本のあのプレイはすごいものだ。彼女には野球の才能があるだろう。だが……。
(あそこまで洗練されたプレイができるのか……。いくら野球人形といえど相当な練習をしないとできるものじゃないぞ。野球を経験したからこそそれがよくわかる)
俺は野球人形の動きを見てそのすごさに驚きを隠せないでいた。
~そして~
あれからずっと守備練習をしていた。内野の連携や非常時のために外野の練習、さらにはファインプレーと呼ばれるプレイまでもすることになった。
しかもあの野球人形がすごくいやらしいコースを打ってくるので、俺達は其処らの野球部員になら負けないくらいの守備力を身に付けたのだ。
「今日はここまでデース!」
『ありがとうございました!!』
俺達は小原さんにお礼をした後着替えて練習場を後にした。
「今日は楽しかったねー!」
「仕事以外で余り運動しないこっちからしたらかなり疲れた……。多分明日筋肉痛ね……」
西野と榎本がそれぞれ言う。確かに榎本はインドアな方だし、ここまで激しい動きをすれば筋肉痛は避けられないだろう。
「だが試合の日だってこれくらいは動くわけだからそんなことは言ってられないぞ」
「だよね……。これからは頻繁に身体を動かしておこう」
「なら梨子も私と一緒に毎朝走らない?5㎞!」
「そうね……いきなりはキツいと思うから少しずつなら」
「うん!頑張ろうね!!」
榎本と西野の友情タッグがここに誕生した。とはいえ中学からこの2人は仲がいいわけだが……。
「八幡も一緒に走る?」
「遠慮しまくる」
……とキメ顔で西野の誘いを断った。その時2人から白い目で見られたけど気にしない。
今回はここまでです。
次回は俺ガイル原作に戻ります。