俺ガイル小説でよくあるちょっと性格が変わった愉快な比企谷八幡 作:銅英雄
週が明けて月曜日の放課後といえる時間帯。
俺は西野、榎本、高科、吉槻の5人でサイゼリヤにてテスト前の……というよりは高科の赤点回避のための勉強会を行っている。
ちなみに葉山が寄越したチェンメの依頼は葉山が件の3人とは別のグループになることで解決している。
「じゃあ次は英語の問題だ。『Spring has come』これを和訳してみろ」
それで今俺が高科に問題を出しているわけだが……。
「バネ持ってこい!」
こいつ……本気で言ってるのか?
「ナオ……」
「ナオちゃん……」
「お姉ちゃん……」
西野、榎本、吉槻が呆れた目で高科を見ている。
「よーし、歯を食いしばれ高科ー。俺の最弱はちっとばっか響くぞー」パキポキ
「ヒィ!や、やだな~比企谷君。ぼ、暴力はいけませんよ!」
「吉槻、このアホを拳骨していいか?」
「はい、大丈夫です」
「さ、さら!?」
吉槻からの同意を得たので俺は拳骨の準備を始める。
「心配するな高科。痛いのは一瞬だけだから……!」
ゴンッ!!
「ギャピーッ!!」
「流石に援護できないよナオ……。まぁ私もあんまり成績良くないけど……」
俺の拳骨をくらって泣きべそをかいている高科と苦笑いを浮かべる西野。
「そんなこと言って優香ちゃんは毎回学年30位以内じゃないですか~!!中学までは私と一緒でおバカのツートップだったじゃないですか!」
「そこまで酷くはないよ!?」
まぁ今でこそ西野は高科が言っている成績で落ち着いているが中学時代は高科程ではないが赤点スレスレだったからな……。
「西野の場合は榎本と地獄といっても過言ではない勉強会をしていたからな」
「うっ……!実は今でもあれはちょっとトラウマかも……。だから2度とあんな悲劇が起きないように自主的に勉強してるんだ」
本当に俺は当事者じゃなくてよかった……。
「そんなに梨子ちゃんの勉強会は酷いんですか?」
「気になるならナオちゃんも試してみる……?1年の時はこの面子で勉強してたから見逃したけど、あまりにも成長の見えなさで今の私は正直噴火寸前だから優香以上のスパルタでやるわよ……?」
おいおい、更に上があるのか?あの時は見てる此方も地獄絵図って感じだったんだが……。
「あ、あれよりも上があるの!?」
西野も同じことを思っていたらしく震えながら榎本に尋ねる。
「なに言ってるの?優香に施した勉強コースは私からしたらまだ軽い方よ!それに優香は要領が良かったし」
「まぁ高科も要領はいいから真面目にやれば問題ないだろ」
「……そうね」
「じゃあ少し休憩するか。飲み物取ってくる」
流石に少し休憩時間を設けてやらないと高科が潰れてしまうかもしれんからな。
「あっ、私も行く!」
~そして~
「1年の時か……。あの時も高科は頓珍漢なことを言ってたからな……」
「アハハ!確かその時は数学の勉強してたよね!!」
『そもそも因数分解ってなんですか!勝手に分解しないでくださいよ!自然なままにしてください!!』
「……あったなそんなことも」
「その時も八幡はナオに拳骨してたよね!同じこと言ってて……」
あれ?思い出してきたらなんか腹たってきたぞ?等と思っていたら後方から声が聞こえた。
「次は国語からの出題よ。次の慣用句の続きを述べよ。『風が吹けば』?」
「風が吹けば……えっと……」
声のする方を見ると雪ノ下と由比ヶ浜と戸塚が勉強会をしていた。今は雪ノ下が問題を出して由比ヶ浜が回答をするようだ。
「京葉線が止まる!!」
「千葉県横断ウルトラクイズかな?」
由比ヶ浜の回答に対して即座にそう思った西野は悪くないと思う。
「不正解。次は地理からの出題。千葉県の名産を2つ答えよ」
「……みそピーとゆでピー?」
「落花生しかないのかこの県には……」
「わっ!……ヒッキー?」
「こんにちは、比企谷君に西野さん」
「八幡、西野さんもこんにちは」
「おう」
「やっほー雪ノ下さん!由比ヶ浜さんに戸塚君も!!」
俺達はそれぞれ挨拶をすませる。ちなみに戸塚はテニスの件以来俺のことを名前で呼ぶようになった。
「雪ノ下達は勉強会か?」
「ええ、テストも近いし。比企谷君達も?」
「まぁな。……そっちさえよければ一緒にやるか?」
「いいのかしら?」
「俺は問題ない」
「私もいいよ!人数は多い方がいいし」
西野も了承……っと。とりあえず榎本達と合流するか。
~そして~
それぞれ自己紹介をして俺達は再び勉強を始める。……というよりは高科と由比ヶ浜の勉強を中心だが。
「あれ?お兄ちゃん?」
「あん?」
声がしたので振り向くと妹である比企谷小町(ひきがやこまち)がそこにいた。隣にいるのは彼氏か?
「小町か。どうしたんだ?」
「うん、ちょっと相談を受けていて……」
「隣にいる彼氏にか?」
俺は小町の隣にいる少年を見る。
「川崎大志(かわさきたいし)っす」
「大志君は友達だよ。ずっと友達。霊長類人科オトモダチだよ!」
「…………」
大志君とやらが絶句している。意識して言ってるわけじゃないんだろうが……。
「小町ちゃん久し振り!」
「こんにちは小町ちゃん」
「優香さんと梨子さん!お久し振りです!!」
そういえば小町が榎本と西野に会うのは中学以来になるんだったか……。
「比企谷君の妹ですか?似てないですね~。私は高科奈桜といいます!比企谷君とは中学からの友達でバイト仲間ですよ!ナオっちと気軽に呼んでください!!」
「その呼び方してる奴見たことないんだが……」
「吉槻桜空といいます。比企谷君とは中学からの友達でバイト仲間になります。よろしくお願いします」
「ナオさんにさらさんですね!こちらこそよろしくお願いします!!……これは新たなお義姉ちゃん候補の予感」
また小町は碌でもないこと考えてるな……。
「戸塚彩加です。八幡とはクラスメイトです」
「これまた可愛い人だねお兄ちゃん!」
「まぁ戸塚は男だがな……」
「またまたご冗談を~!」
「う、うん……僕男の子です……」
「えっ?本当に……?」
まぁ見た目が見た目だし、戸塚の場合は仕草も女子っぽいからな。本人は治したいと言っていたらしいが無自覚とはいえ本当にその気があるか怪しいものだ。
「雪ノ下雪乃です。比企谷君とは……。ねぇ、私って比企谷君とどういった関係と言えばいいのかしら?」
「部活メイトが無難な表現だろ」
「……そうね。比企谷とは部活メイトよ」
「あ、えっと……は、初めまして。ヒッキーのクラスメイトのゆ、由比ヶ浜結衣です……」
雪ノ下の次に由比ヶ浜が自己紹介するが由比ヶ浜は何処かしどろもどろだった。
「あっ、初めま……うん?」
「」ドキッ!
「ん?ん~……?」
「どうした小町?」
「う~ん……何処かで会ったような、違うような……」
まぁ由比ヶ浜は去年俺が事故った時に庇った犬の飼い主だからな。そして更に言えば雪ノ下はその時の車に乗っていたのだ。
とはいえ由比ヶ浜が家にお詫びの品を持ってきてそれからは今の今まで音沙汰なしだったからもう全て終わっているのだろう。なら余計なことは言うまい。
そう思っていたんだが……。
「由比ヶ浜さんは去年八幡が事故った時に庇った犬の飼い主だから見覚えがあるんじゃないかな?」
西野の爆弾発言によってその考えは打ち破られた。西野がそれを天然で言っているのかわざと言っているのかはまぁ置いておこう。
さて、この状況はどうしたもんかね?
今回はここまでです。