俺ガイル小説でよくあるちょっと性格が変わった愉快な比企谷八幡 作:銅英雄
あの6月18日から数日経った休日のある日。今日は俺達が助っ人する草野球チーム『ニコニココアラーズ』で初めて練習する日である。なので俺達は遠前町にやってきています。
コアラーズの監督である太田さんは俺達を疑うように見ていたが、ちょろっと実力を発揮したら開いた口が塞がらない状態だった。
俺達の実力を見るためにエースピッチャーである大北さんに30球ずつ投げてもらい、俺と榎本の結果は外野に飛ぶヒットが連発したものだったが、西野は30球全て柵越えのホームランだった。流石である。
ちなみに椿さんは100球投げてもらい、全て柵越えホームランだったそうだ。大北さんのプライド的な物はは大丈夫だろうか?確かあの人元プロだった気がするが……。
「ん~!今日のチーム練習は楽しかったね~!!」
「私は少し緊張したわ。椿さんや比企谷君や(Oddball)の社員以外の男の人と関わったし……」
「……榎本はまだ男性恐怖症が治ってないのか?」
「……大分良くなったと思ったんだけどね。この間のナンパでちょっと足が震えちゃったかな?」
榎本は5年前に数人の成人男性によって強姦されかけたという事件があったらしい。危ないところを青い戦隊ヒーローに助けてもらったとのこと。
それ以来榎本は男に対しては警戒心バリバリになったり、身体が震えたりするようになったそうだ。俺も榎本と初めて会ったときは酷い目に遭ったのは今でも鮮明に覚えている。
椿さんには初対面時から普通だったらしいので理由を聞いてみると……。
『椿さんは信頼できるっていうのもあるけど、私を助けてくれた青いヒーローに雰囲気がそっくりだったの』
と言っていた。
「もー!八幡が助けに来ていればこんなことにはならなかったのに!!」
「悪かったよ。詫びになるか知らんが今日の飯くらいは奢る。勿論榎本だけだが」
「えー!八幡のケチ!私にも奢ってよ!!」
「西野は俺より稼いでるだろ。寧ろ俺に奢れ」
「あはは……」
等と話していたら見覚えのある喫茶店が見えた。
「よし、ここで一服するか」
「八幡、おっさん臭いよ……」
「ここ喫茶店よね?」
「ああ、前椿さんと遠前町に来たときにここに来たんだが、ここの珈琲が美味くてな」
あの新作珈琲とやらは美味かった。願わくばまた飲みたいと思っていたからな。あの看板はなくなっているみたいだが……。
「とにかく入ろうよ!八幡のイチオシしてるし」
「別に推してはないがな……」
珈琲が美味いと言ったくらいだぞ?まぁ入るけど。
「いらっしゃいませ、ご主人様、お嬢様♪」
……そういえばこんな感じだったわ。この人あの時の腹黒いメイドさんだったわ。1ヶ月くらいのご無沙汰だから忘れてたわ。西野も榎本もポカンとしてるし。
(ここってメイド喫茶なの?でもメイド服着ているのはあの人だけよね?)
(さあ?趣味なんじゃね?)
(う~ん、1度ことりさんを連れてみたいかも……)
「3名様ご案内で~す♪」
メイドさんに案内された後俺達は適当に注文して今回の練習について話し合った。
~そして~
「ここの打球についてなんだが……」
カランコロン♪
「いらっしゃ……お帰りくださいませご主人様♪」
「だから来て早々帰らそうとするな!」
ん?なんか聞き覚えのあるやりとりだな。そう思って顔を上げるとあの時のユニフォームの青年が来ていた。あのメイドさんとは何処か親しい感じだ。
「今満席だよ?」
「そうなのか?でもいきなり帰そうとするのは可笑しいだろ」
「これも愛情表現ですよ、ご主人様♪」
「そんな愛情はいらん……」
ふむ、見た感じあのメイドさんが唯一心を許しているといった感じだな。
「八幡?」
「比企谷君?」
おっと、西野と榎本が此方を見ていた。話を戻さねば。
「ああ悪い。……ここは上手く捌けば併殺にできるところだが、無理をすると失策しかねないからまた小原さんのところで練習が必要になりそうだ」
「梨子は守備が上手いから心配ないけど、私はね~」
「おまえ要所でポロリするよな。小学校の時もそれで俺が勝ちを拾ったことが多いし」
「ゔっ!」
試合当日が少し心配になるから守備は念入りに練習した方がよさそうだな。
「申し訳ございませんご主人様方、相席希望のご主人様がいらっしゃいますがよろしいでしょうか?」
相席……?さっきのユニフォームさんか?
「俺は別に構わないが、西野と榎本は?」
「私もいいよ。その人も困ってるだろうし」
「2人がいいなら私も……」
西野、榎本も問題なしっと。
「大丈夫です」
「ありがとうございます♪それでは1名様ご案内で~す♪」
やってきたのは案の定さっきのユニフォームさんだった。
「ほら、この人達に感謝しなさいよ?」
「わかってる。……すまないな君達」
「いえ、別に構いませんよ」
ユニフォームさんが同席した瞬間に榎本の表情が強張るのがわかる。それを見た西野が相手にそれを悟られないように榎本を宥める。……いい連携だ。とりあえず俺が話を振りますか。
「ユニフォーム来てますけど何処かのチームで野球をやってるんですか?もしかして有名なプロ野球選手だったり?」
「いや、草野球だよ。ビクトリーズっていう商店街の野球チームに入っている」
ビクトリーズという言葉に西野と榎本が反応するが、ユニフォームさんが気付く前に姿勢を正す。
「へー、ポジションは何処を守ってるんですか?」
「ピッチャーだよ。一応チームのエースをさせてもらってる」
成程、当日はこの人の対決することになるのか……。
「おっと、そういえば自己紹介がまだだったな。俺は九楼雄介(くろうゆうすけ)だ。君達は?」
「西野優香です。よろしくお願いします」
「榎本梨子です。よろしくお願い致します」
2人は業務的な自己紹介だけど俺は普通に、平塚先生と接するみたいに自己紹介する。
「比企谷八幡ですよー。よろしくでーす」
……なんか全てがデジャブってる気がしてならないね。とりあえずこの人のことはクロウさんと呼んでおこう。その内『インチキ効果もいい加減にしろ!』とか言いそう。
「さて、俺達はそろそろ帰りますかね。クロウさんはどうします?」
「俺はもうちょっと此処にいるよ」
「そうですか。クロウさんとはまた会えそうな気がしますので別れの言葉は言いませんよ」
「……?どういう意味だ?」
「何れわかりますよ。それではバイバイですよー」
「それって別れの言葉なんじゃないのか……?」
「それは捉え方次第ですよー」
俺はそう言って西野と榎本を連れて店を出た。
~そして~
「ねえ八幡、あの人何者なの?」
「あん?どうした急に」
帰り道で西野にクロウさんについて聞かれた。
「なんだか得体の知れないっていうか……。梨子も終始警戒してたし」
「そうなのか榎本?」
「ええ、男性だからっていうのもあるけど、それ以上にあの人から椿さんと同じものを感じたっていうか……」
「ほーん……。まぁその内わかるだろ。あの人が何者なのかは」
「だといいけどね……」
榎本が椿さんと同じもの感じたってことはやはり推測通りだな。
九楼雄介と椿兵馬は過去にチームを組んで仕事をしていたということだ。
今回はここまでです。
パワポケ9の主人公登場!では次回もよろしくでーす。