俺ガイル小説でよくあるちょっと性格が変わった愉快な比企谷八幡 作:銅英雄
1回表。俺達は後攻なので守備につく。
『1番 センター 九楼』
「…………」
クロウさんが左打席に立つ。
打席に立つとクロウさんの威圧感というかなんというか……。それが此方にも伝わってくる。
「」ビシュッ!
「」キィン!
大北さんの球を初球打ち。その打球は右中間へと飛んでいった。結果は2塁打だった。
やはりこの人はとんでもないな……。流石椿さんと仕事をしてたという実力は本物といったところか……。
~そして~
『ボール!フォアボール!!』
はい、あっという間に満塁です。2番のピエロが内野安打を決めてノーアウト1、3塁。そしてこのバッターにフォアボールということで今に至る。
『4番 ファースト ムシャ』
「…………」
しかも如何にも屈強な4番バッターときたもんだ。下手に攻めると満塁ホームランなんてことになりかねない。
ここが最初の山場というところか……。
九楼side
ノーアウト満塁でムシャ……。これは得点のチャンスだな。後続もカニや城田さんというパワーのあるバッターが続く。ここで畳み掛けたいところだ。
「」ビシュッ!
「」キィン!
ムシャが打った打球はサード頭上を越えるランナー一掃の2塁打コースだ。これは誰もが、ましてや相手チームも同じことを考えただろう。
「……余り俺の仲間を嘗めないでもらいたいな」
椿以外は……。
「はっ!」タンッ! バシィッ!
「マジかよ……」
俺は慌てながら帰塁するもサードがそのままベースを踏んでアウトになる。
「梨子!」ビシュッ!
「」バシィッ!
サードがセカンドに送球してセカンドランナーもアウトになった。
「トリプルプレー……だと!?」
1塁ランナーの権田も呆然としていた。まさかこれ程までとはな……。気を引き締めていくか。
「この程度で驚いていたら俺達には勝てないぜ」
ベンチに戻る椿にそう言われた。チームメイトを見ると凹んでいるようにも見える。
(これは良くない流れだな……)
そう思いながら俺は守備についた。
九楼sideout
どうなるかと思ったが、なんとか無得点で済んだか。西野のファインプレーだな。
「満塁なったときはひやっとしたわ……」
「そうだな。ナイスプレイだ西野」
「へっへー!この調子で頑張るよ!!」
流れは完全に此方に来ている。チャンスだな。
『1番 サード 西野』
「よろしくお願いしまーす!」
西野が右打席に立ったし、俺も3番だし準備しておくかな。そう思っているとネクストバッターサークルで待機している榎本が西野が右打席に立っているのに疑問だったのか声をかけてきた。
「あれ?優香って左打ちじゃなかったっけ?」
「ああ、榎本は知らなかったか。あいつは両打ちなんだよ」
「そうなんだ。でも練習ではずっと左で打ってたよね?」
「西野は状況に応じてどっちの打席に立つか判断してるんだよ。まぁ今回の場合は初回ということもあっての様子見だろうが」
相手の投手は木川則夫(きかわのりお)。データによると球速は130前後。変化球はスライダーとフォーク。スタミナ、コントロールは中堅といった感じだな。
「」ビシュッ! パァンッ!
『ボール!』
コアラーズ相手だとあの投手は何処か雰囲気が違う。コアラーズがビクトリーズの因縁の相手だからか?
「」ビシュッ!
だが……。
「ふっ!」カーンッ!
その程度では西野優香を止めることはできないな。
「っ!レフト!!」
西野が打った打球はレフト方向に伸びていき、やがてスタンドへと運ばれた。
『ホームラン!!』
「ほ、ホームラン……」
「まぁあの程度のピッチャーならあれくらいは当然だな。さっさと九楼の奴に交代するんだな」
太田さんと椿さんが会話している。
椿さんが矢鱈とクロウさんを推してるが、クロウさんはどれくらいの実力を持っているのか……。
「優香、ナイスバッティング!」
「流石だな」
「えっへん!!」
表のファインプレーといい、このホームランといい西野のスペックはマジで化物と言っても過言じゃないな。
この調子でコールドゲームといきたいね。さっさと終わらせて八幡おうち帰りたい。
……コールドあるか知らんけど。
今回はここまでです。