俺ガイル小説でよくあるちょっと性格が変わった愉快な比企谷八幡 作:銅英雄
試合は進んで9回裏のツーアウト。6対7でコアラーズが負けています。
とりあえず試合の経過を短く説明するとクロウさんは途中で1度外野に戻り他のピッチャーで俺達は点を取ることができた。何故ピッチャーを交代したのかは謎だが。
例えば『キィィィィィィィィィィボォォォォォォォォォォドォォォォォォォォォォッ!!!!』と叫ぶネトゲ廃人みたいなピッチャーとか、上半身裸でゴーグルをつけた海パン野郎とか。
前者はウザいが変化球のキレは中々のものであり、後者は色物の割には(まぁ前者も色物だが……)150を越える速球に球速差があるスローカーブを持っている。
だがクロウさんの球に食らいついた榎本、俺、椿さんは前者の球を難なく打ち崩す。
後者のピッチャーが出てきた時はタイミングが悪かったのか西野からの打順でいきなり上半身裸の変態が出てきたら集中できないとのことで西野、榎本は3球で三振になってしまう。まぁ俺と椿さんを始めヒットを打ち続け得点に至ったわけだが……。
というかあれはありなのか?前者もノーパソぶらさげてたし。
それに対して此方のピッチャーだが大北さん、後続の新井さんが連打を浴びて7点を取られたのだ。
そして最終回。8番からだったが、再びマウンドに上がったクロウさんに二者連続三振。最終回になってから少し休んだのもあってさらに球威が増していた。
『1番 サード 西野』
「なんとしても繋げないと……!」
「優香、頑張って!」
「気張れ西野。とにかく自分を信じろ」
「八幡、梨子、ありがとう……。頑張るね!」
本日4打数3安打の西野なのでこの局面でも期待していいはずだが、クロウさんに対してこれが初打席なので下手をすればここでゲームセットとなりかねない。
優香side
ヤバイよ。まさか負けまで追い込まれるなんて……!
しかも九楼さんの球は私この打席が初めてだし……。話によると前投げてた海パンの人よりも球は速いみたい。とりあえず情況を整理してそれから私にできることをやりきる!!
(このバッターで決めたいところだが、彼女はこの試合当たっている……。慎重に攻める必要があるな)
(八幡や梨子や椿さんの話だと九楼さんの持ち球は160近くまで出るストレートにスライダー、フォーク、シュートの3球種の変化球……。この打席が初見の私は多分変化球を打つことはできない。だから……)
(初球はインコースギリギリのストレートで様子を見るか)
(ストレート狙いで初球打ち……!アウトコースを狙っていくよ!)
「」ビシュッ!
(インコース!?でもストレート……!なら思いっきり叩く!!)
「」キィンッ!
私が打った打球は弱いものの、ギリギリで内野の頭を越えてヒットとなった。
(やった!繋いだ!!)
あとは後続のみんなに託すよ……。私にできることは全てやったからね。
優香sideout
梨子side
『2番 セカンド 榎本』
優香がヒットを打って場を繋いでくれた。九楼さんの球は初見なのにも関わらず。
私は優香みたいに打つことはできない……。私でゲームが終わってしまう……。比企谷君がこの試合で前の川崎さんの依頼で何もできなかった私に対して期待してるって言ってくれたのに、私はそれに応えることはできないの……?
今度こそ……椿さんの役に立てると……そう思っていたのに何もできずに終わってしまうの……?
そう思っていたらネクストバッターサークルで待機している比企谷君に声をかけられた。
「榎本」
「比企谷君……?」
「西野は自分にできることを精一杯やった。だから榎本もできることをやっていけ」
「でも……」
本当にそれでいいのかな?と考えていると今度は椿さんに声をかけられる。
「負けても誰も榎本は責めねぇよ。今日の試合で活躍しているおまえを責めるなんて只の馬鹿だ。……だから思いっきり殺ってこい」
「椿さん……はいっ!」
椿さんに励まされて私は左打席に立つ。
(2番の彼女に俺の球は打てていない……。だが油断は禁物だ。確実に三振を取っていく……!)
(優香と同じく初球勝負。失敗したらそこで終わり……)
だからお願い!上手くいって!!
「」ビシュッ!
「」スッ コンッ!
(なっ!ツーアウトでバントだと!?)
「サード!!」
三塁線に強いバントをした瞬間私は全力で走った。
「カニィッ!!」ビシュッ!
サードが打球を取ると強い送球でファーストへと投げる。
(間に合え……!間に合え!!)ズザザッ!
そう思いながら私は全力でヘッドスライディングをした。
『セーフ!セーフ!!』
一塁球審の判定はセーフ……。私……やったんだ!
私は嬉しさでガッツポーズを挙げた。こんなに嬉しいことはなかったかもしれない。
私、繋いだよ……。だから……あとは任せるね?
梨子sideout
西野も榎本も自分にできることをやりきった……。俺でラストバッターになるかは知らんけど、とにかく続かないとな……!
『3番 ショート 比企谷』
「比企谷、いけそうか?」
「……正直わかりませんね。良くも悪くも九楼祐介は未知数ですので」
「そうか……」
「まぁ頑張ってみますよ。可能ならば全力で椿さんに繋ぎます」
俺は椿さんにそう言って右打席に立った。
(クロウさんには1回目の借りを返さなきゃな。それに……)
「頑張れー!八幡!!」
「比企谷君!頑張って!!」
(必死で繋いでくれた2人のためにも打たなきゃな……)
(この局面でこのほど少年か……。先程の彼女と同じく打ててはいないが、初見の変化球にも対応してきている。甘くいけばサヨナラ負けなんてことになりそうだ)
「」ビシュッ!
(初球は……スライダー!)
「」キィンッ!
『ファール!』
(やはり当ててきたか……。なら!)ビシュッ!
(シュート!)キィンッ!
『ファール!』
「」ビシュッ!
(フォーク!)キィンッ!
『ファール!』
よし、なんとか食らい付けている。だがこのままではジリ貧だな。
~そして~
(おいおい……九楼の球にもう15球粘ってるぞ。まだ高校生やそこらなのになんて奴だ……)
(流石椿が認めた実力者だ……。だが俺達だって商店街のため、そしてビクトリーズのためにも負けるわけにはいかないんだよ……!)ビシュッ!
(ストレート!狙い通りだ……!)
次はきっとストレートが来るだろうと予測していた俺はそれに合わせてフルスイングをした。その結果は……。
『ストライク!バッターアウト!ゲームセット!!』
空振りに終わった……。
~そして~
試合が終わって俺と西野と榎本と椿さんは千葉に戻って今日の反省会をしている。
そんな中俺は3人に対して土下座をしている。
「すみませんでした」
俺で終わってしまい、必死で頑張った西野と榎本に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
もしも椿さんに繋げることができたら試合は勝っていたかもしれないだけに余計罪悪感が広がる。
「ちょっ、やめてよ八幡!」
「そうよ!比企谷君は悪くないわ!!」
「……2人の言う通りだ。これは俺達チームの連帯責任であって1人の責任とかじゃない」
(それにこいつらは本当によくやってくれた……。今のコアラーズはピッチャーに問題がある。またビクトリーズと戦う機会はあるだろうし、なんとかする必要があるな……)
「今日は解散だ。試合で疲れてるだろうからゆっくり休め」
椿さんの一言で俺達は帰路についた。
今回はここまでです。
次回からは千葉村編になります。……その前にオリジナルの話を挟むかな?