俺ガイル小説でよくあるちょっと性格が変わった愉快な比企谷八幡 作:銅英雄
8月某日のある日のこと。俺は西野と榎本と一緒に千葉村にある小原さんの別荘に来ていて今は巷で有名な人を駄目にするソファで寛いでいる。
「ふにゃ~……」
「随分だれてるわね比企谷君」
「しょうがないよ。八幡はここ最近ずっとバイトだったから……」
西野の言う通り夏休みに入ってからはずっとバイトだったのだ。夏休みは稼ぎ時だからな。
しばらくして外周を歩いていた小原さん、渡辺さん、津島さんが戻ってきた。
「ハーイ!調子はどう八幡?」
「まぁまぁっすわ~……」
「すごいだれようだね八幡君……」
「それほどこのソファが魅力的ってことですよ~……」
「まぁ私達もこのソファを初めて使った時は今の八幡みたいになっていたからしょうがないと言えばしょうがないけれどね」
「かの有名な人を駄目にするソファを甘く見てましたわ~……」
小原さん達と適当に会話をしながらソファを堪能していると携帯が鳴った。
「なんかさっきからずっとブーブー鳴ってるけど出なくて大丈夫なの八幡?」
「このソファで寛いでいると携帯を触る気すらなくなるんだよ……。榎本~、携帯見ていいから誰からか確認しておいてくれ~……」
「はいはい、え~っと……ひっ!?」
携帯を見た瞬間榎本が怯える反応を見せた。
「梨子、どうしたの!?……えっ!?」
榎本に続いて西野が驚いた様子になる。一体どうしたのやら……。
しょうがない……見てみるか……。
「平塚先生からか……。成程、これがいきなりきたらビビるわな」
「比企谷君、平塚先生に何かしたの?」
「そんなわけないだろ。週2でからかいのメールを送っているくらいのことしかしてねーよ」
「それが原因なんじゃ……」
「いやいや、平塚先生はわりとこんな感じだぞ」
榎本と西野はこの『でんわでろ』と書かれたメッセージにビビったのだろう。その前にもなんかしつこい感じのメールが来てるし……。とりあえず返信するか。
「そんなんだから結婚することはおろか、彼氏が出来ないんですよ……っと」
そう返信した瞬間に平塚先生から着信が来たので出ることにした。
「そんなんだから結婚することはおろか、彼氏が出来ないんですよ」
『メールと同じことを言うな!余計なお世話だ!!』
「折角アドバイスしたのに……。それでなんの用事ですか?もしかしてボランティアの誘いですか?奉仕部の合宿的なあれですか?」
『何故知っている?』
「はっはー、自分は何も知りませんよ。平塚先生が妹にまで手を回して自分を合宿に来させようとしていることなんて知りませんよ~」
『詳しく知りすぎだろ!それがわかっていて何故君はメールや電話に出ない?』
「今自分はバイト仲間と慰安旅行的な感じで群馬県にあるのに何故か他県の名前を使っている場所にいますよ~。平塚先生なら其所がどんなところなのかわかりますよね?ちなみに自分は今あの有名な人を駄目にするソファで寛いでま~す」
『そうか……。人を駄目にするソファの存在が気になるところだが、とりあえず我々も奉仕部の活動として群馬県にあるのに何故か他県の名前を使っている場所に行くから着いたらまた連絡する。だから今度は絶対1回で出ろよ?』
「善処しま~す」
『それ絶対出ないやつだ……』ブツッ!
何か平塚先生が言おうとしていたが、面倒くさいので通話を終了した。すると榎本が声をかけてきた。
「平塚先生と何を話していたの?」
「なんか奉仕部として合宿にこの群馬県にあるのに何故か他県の名前を使っている場所に来るんだと」
「その名称で通すんだ……」
「あはは……」
俺と平塚先生のやりとりを見て渡辺さんが苦笑いをしている。
「奉仕部……?なんの部活なの?」
「かくかくしかじかで、かくかく、それでまたしかじかなのです」
「成程、そういう部活なのね……」
「よくかくかくしかじかで通じたわねマリー……」
津島さんが呆れているがかくかくしかじかでわかる人だってきっといるんだよ。何人いるかは知らんけど……。
「八幡は参加するの?」
「知らん。まぁ平塚先生が巻き込もうとするからな。あえて巻き込まれにいくのも面白そうだ」
「無理しないでね八幡……」
「心配するな西野。比企谷さんはそんなに柔じゃないから。あと小町も来るみたいなことを言ってたような気がするからよかったら西野と榎本も来るといい」
「……そうしようかな。八幡が無茶をしないように見張ってなきゃ!」
「私もついていくわ。なにか胸騒ぎがするし」
西野と榎本が仲間になった。次回へ続く。
今回はここまでです。
次回から千葉村編になります。