矢澤にこ自身がラブライブ   作:にこあん

30 / 32
◇好きの反対は?◇
「私ね、好きの反対は無関心って違うと思うの」
 唐突に膝枕されているあんじゅが切り出した。
「それはつまり好きの反対は嫌いである、ということだろうか?」
「いいえ、違うわ」
 英玲奈の言葉に否を唱えるあんじゅ。その否定の言葉には何かしらの重みを感じた。
「じゃあなんだと思うの?」
 にこの合いの手と共に、愛ある手の温もりを頭部に感じ取りながら答える。
「好きの反対は生理的に無理だと思うの」
「……あー」
「ぅん」
 にこと英玲奈がそれぞれ納得いくような、それとも認めていけないような。微妙な反応を示す中、ツバサが一人立ち向かった。彼女は間違いなく勇者である。
「好きの反対に位置するには少し重過ぎないかしら?」
「あ、綺羅星さんは動かないで。視界に入るのはちょっと。あと、出来れば言葉を発しないでくれる。生理的に無理だから」
「酷っ!」
 相変わらずオチに使われる。勇者とは何度も何度もコンテニューを繰り返される存在でもある。
「もう。あんじゅちゃん……めっ!」
「あぁん! にこさんの天然あざと可愛さが私を狂わせる」
「だから矛盾してるにこ」


◆ガチャピンと同様印象深い話よね◆
とあるホテル経営者の自宅の庭から新種のキノコが発見されたと話題になった。
それというのも奇妙な効果がある「性格反転キノコ」という名前で、効果は食べた者の性格を一時的に反転させるというものだから。
「にこさんが食べたらどうなるのかしら? 目が据わって男らしくなって、綺羅星さん辺りにケンカキックでもするのかしら? それとも綺羅星さんが往復ビンタでもするのかしら?」
「どうして被害者が私限定なのかしら!?」
「そんな酷いことしないよ」
「その優しさが反転するからこそ、そういう行動を取ると思うのよ」
「確かに。一理ある」
 話題を冷静に処理した結果、英玲奈はあんじゅが言った行動を起こす可能性があると思った。被害者がツバサ限定なところに疑問を受け付けてない辺りが、ツバサクォリティである。
「あんじゅちゃんが食べたらにこに冷たくなるのかな?」
 これだけ日頃から好きと言われてる相手である。反転すると生理的に無理になる可能性がある。
「にこさん。好きの反対は愛してるなのよ。だからにこさんに大しては何も変わらないわ!」
 先ほど自分が言い出した答えを直ぐに変える。これがヤンデレである。怖いのでツバサは突っ込むのを回避した。
 そんな中、英玲奈はけーちゃんが食べたらどうなるんだろうと考えた。けーちゃんの優しさに裏表なんてないから、例え反転したとしても優しいままだなって確信を持てた。これが恋する乙女である。  おしまい!


綺羅星「これからが始まりよ! って、あれ? 始まりも終わりも違う世界の人たちだった気が……世界が書き換わってる!?」


10.外伝【亜里沙・UTX会長・ことり】

◇好きの反対は?◇

「私ね、好きの反対は無関心って違うと思うの」

 唐突に膝枕されているあんじゅが切り出した。

「それはつまり好きの反対は嫌いである、ということだろうか?」

「いいえ、違うわ」

 英玲奈の言葉に否を唱えるあんじゅ。その否定の言葉には何かしらの重みを感じた。

「じゃあなんだと思うの?」

 にこの合いの手と共に、愛ある手の温もりを頭部に感じ取りながら答える。

「好きの反対は生理的に無理だと思うの」

「……あー」

「ぅん」

 にこと英玲奈がそれぞれ納得いくような、それとも認めていけないような。微妙な反応を示す中、ツバサが一人立ち向かった。彼女は間違いなく勇者である。

「好きの反対に位置するには少し重過ぎないかしら?」

「あ、綺羅星さんは動かないで。視界に入るのはちょっと。あと、出来れば言葉を発しないでくれる。生理的に無理だから」

「酷っ!」

 相変わらずオチに使われる。勇者とは何度も何度もコンテニューを繰り返される存在でもある。

「もう。あんじゅちゃん……めっ!」

「あぁん! にこさんの天然あざと可愛さが私を狂わせる」

「だから矛盾してるにこ」

 

 

◆ガチャピンと同様印象深い話よね◆

とあるホテル経営者の自宅の庭から新種のキノコが発見されたと話題になった。

それというのも奇妙な効果がある「性格反転キノコ」という名前で、効果は食べた者の性格を一時的に反転させるというものだから。

「にこさんが食べたらどうなるのかしら? 目が据わって男らしくなって、綺羅星さん辺りにケンカキックでもするのかしら? それとも綺羅星さんに往復ビンタでもするのかしら?」

「どうして被害者が私限定なのかしら!?」

「そんな酷いことしないよ」

「その優しさが反転するからこそ、そういう行動を取ると思うのよ」

「確かに。一理ある」

 話題を冷静に処理した結果、英玲奈はあんじゅが言った行動を起こす可能性があると思った。被害者がツバサ限定なところに疑問を受け付けてない辺りが、ツバサクォリティである。

「あんじゅちゃんが食べたらにこに冷たくなるのかな?」

 これだけ日頃から好きと言われてる相手である。反転すると生理的に無理になる可能性がある。

「にこさん。好きの反対は愛してるなのよ。だからにこさんに大しては何も変わらないわ!」

 先ほど自分が言い出した答えを直ぐに変える。これがヤンデレである。怖いのでツバサは突っ込むのを回避した。

 そんな中、英玲奈はけーちゃんが食べたらどうなるんだろうと考えた。けーちゃんの優しさに裏表なんてないから、例え反転したとしても優しいままだなって確信を持てた。これが恋する乙女である。  おしまい!

 

 

綺羅星「これからが始まりよ! って、あれ? 始まりも終わりも違う世界の人たちだった気が……世界が書き換わってる!?」

 

 

 

私には優しくて頼りになるお姉ちゃんがいる。

 

【魔法が使えない少女】

私、絢瀬亜里沙の一番最古の記憶は日本ではなく、遠い地のロシア。

お姉ちゃんがバレエの練習をしている姿を不思議と覚えている。

その時の私にはバレエという物を当然理解していなかった。

でも、目を瞑れば今でもハッキリとその姿を映し出される。

色褪せたりなんてさせない、私の最高の宝物。

 

次に記憶に残っているのは――私の罪

 

今ならきちんとどういう状況だったかのは理解できる。

パパの仕事の都合で日本に引越しをすること。

ママと小さい私は日本に行くことが決まっていた。

だけどお姉ちゃんには選択肢があった。

 

選択肢が……あった

 

お姉ちゃんが灯した夢という大事な物。

今も尚戻ることのない唯一無二の輝き。

そんな大切な物をあの時の私は《お姉ちゃんと離れたくない》という自分勝手さで奪ってしまった。

もう少し成長していればと思うけど、結局はお姉ちゃんと離れたくないという想いを前に出してしまったと思う。

罪を受け入れながら、何度繰り返しても正解となる言葉に辿り着けない。

私はあの時どんな言葉を言えれば良かったのだろうか?

見つからない、大好きなお姉ちゃんを送り出せる魔法の言葉。

 

本当に魔法が使えるのなら使いたい

 

 

どうかお姉ちゃんにもう一度夢が灯りますように

 

 

だけど、今日も私は魔法使いにはなれない

 

 

 

「亜里沙。また変な顔してるわよ?」

 お姉ちゃんの言葉にぼんやりとしていた意識が目覚めた。私の容姿はお姉ちゃん程整ってはいない。だけど、絶対に可愛い。

「私は可愛いわ。だって、パパとママの娘で、お姉ちゃんの妹なんだもの」

 胸を張って言える事実。他の人から見たらどうかとか関係ない。だから私は可愛いんだ。

「ふふっ。今変な顔をしているのと、元が可愛いかどうかは別の話でしょ?」

 からかうように言いながら、優しく頭を撫でるお姉ちゃん。もっと抗議したい気持ちは、それだけで萎んで消えてしまう。どちらかと言えば魔法使いはお姉ちゃんの方だ。

「あのね、亜里沙。いつも言ってるけど、私の今の夢は亜里沙が夢を持ってくれることなの」

 私が何を考えてたのかはバレバレ。自覚がないけど、お姉ちゃんの夢を奪ってしまったことを考えると、お姉ちゃん曰く《変な顔》になってしまうらしい。私は絶対に認めないけど。

「夢って言うのは自分のことを願うものなんでしょ?」

まだ夢を持ったことがないから確信は持てないけど、普通はそういう物だというのは知っている。

「そうかしら? 誰かの事を想う夢だってあってもいいじゃない。大事な亜里沙が夢を持ってくれる。その夢に向かって邁進する。そんな姿を見られたらお姉ちゃんはとても嬉しいわ」

 頭を撫でていた手が、今度は髪を梳く。こんなに優しくて温かいお姉ちゃんの大事な夢。それを奪ってしまった自分の罪が重く圧し掛かる。魔法使いなら時を戻せたりするのだろうか?

 ううん、そんなことをしても意味がない。それは自分の罪から逃れたいだけの弱さ。今のお姉ちゃんに新しい夢を持ってもらえること。そうじゃなきゃ意味がないわ。そう分かっていても、先ほどのように何度も何度もあの日、お姉ちゃんを送り出す言葉を捜してしまう。今よりずっと強くなりたい。

 お姉ちゃんが夢を取り戻せないでいる原因は、きっと私がまだまだ手の掛かる妹だから。強くなって大丈夫だって思われたのなら、お姉ちゃんも真っ直ぐに夢を探してくれる。あの頃みたいに輝いた瞳で、全力で夢を目指してくれる。

 

 魔法使いになりたい。魔法が使えたのなら今よりずっと強くなれるから。でも、この世に魔法なんてないことを私はもう知っている。だけど、魔法のような出逢いがあることもまた、私は知っている。

 

 

 GWが明けて数日後の朝、お姉ちゃんがなんと表現すればいいのか分からない、そんな不思議な表情を浮かべて座っていた。私はここしかないと思って元気に指摘する。

「お姉ちゃん。今とっても変な顔をしているわ!」

 私の言葉に今起きたようにハッとした後、一本取られたみたいに笑った。

「ね、変な顔でしょ? 亜里沙はよくこんな顔をしてるのよ?」

「うっ」

 だけど流石はお姉ちゃん。転んでもただじゃ起きない。一番強い海未ちゃんですら『まだまだ絵里には届きません』と口にさせるだけあるわ。

「私は可愛い顔だもの」

 口を尖らせてせめてもの反論をするが、含み笑いをされるだけでスルーされてしまった。こほんとわざと咳をしてから話を戻す。

「お姉ちゃん何かあったの?」

「……昨夜ね、元モデル仲間から急なお誘いを受けてね」

「なんのお誘いなの?」

「亜里沙はスクールアイドルって知ってるかしら?」

 スクールアイドル。何か昨日色んな所で聞いた気がする。その単語が意味するところは分からないけど、タピオカみたいなブームの物なのかもしれない。

「流行りもの?」

「ううん、全く流行ってはないわね。寧ろこれから流行らせようとしている、女子高生限定の部活動みたい」

「部活動?」

 今通っている中学校は部活動は強制的なので歴史研究部に所属している。といっても週一である部活の時間以外は幽霊部員だけど。だからこそ部活動と言われても特にピンとこない。

「お誘いっていうのは、お姉ちゃんがそのスクールアイドルっていうのを始めるってこと?」

 お姉ちゃんは首を横に振って否定し、大きな不安と小さな期待。そして、あの頃を思い出させるような輝きを瞳に浮かべて言う。

 

「スクールアイドルのダンス指導をしてほしいって、そうお願いされたの」

 

 お姉ちゃんがダンスの指導をする。言われたばかりの言葉を何度も噛み締めて心に送る。お姉ちゃんが私の所為で諦めたバレエ。今でもダンス教室で趣味だけど続けてくれている。その成果が他の人たちへ受け継がれる。

 

 正直、この時の私はスクールアイドルが実際にどういう物なのか全然理解してなかった

 

 お姉ちゃんとの別れが訪れることも、当然として想像すらできていなかった

 

 ここが私達姉妹のお別れへのプロローグ

 

「つまりはコーチってこと?」

「そうね。相手はダンスとか無縁のようだから、教える側としては素人の私が指導なんて出来るか分からないけど。取り敢えずは会ってみようと思うの」

 お姉ちゃんが困ったように眉を潜めながら、それでも頬が緩んでいる。それはまるで不安と期待の量が入れ替わっていくみたいに。もしもお姉ちゃんの中で不安が消え、期待だけが残ったのなら取り戻せるのだろうか? ううん、お姉ちゃんの新しい夢が灯るのだろうか?

 私の小さな胸がドクンドクンと痛みにも似た勢いで熱くなる。なんて言葉を今かけるのが正しいのか分からなくて、感情が制御出来なくて、何故か私は泣いていた。

 

 そう遠くない未来

 訪れる別れを感じていたのかもしれない

 突然のことでも優しく抱き締めてくれるお姉ちゃん

 ここがお姉ちゃんとのはじまりのさよなら fin.

 

 

 

最近は卒業シーズンなので未来偏。本編がどこまで続くか分からないのできっとネタバレじゃない!   !!卒業といえばわたモテ12巻!!

 

【とある会長の卒業】

◆Distance◆ ――UTX高校

 肌を刺すような寒さはあれど、空は澄んだ蒼穹。冬と春の狭間。子供から大人への階段をまた一つ上る生徒たち。白を強調したお洒落な制服に身を包むことも、ビルのようなセンスある校舎に生徒として来ることももはやない。

 今日はUTX高校の卒業式。其れはスクールアイドルが誕生してもうすぐ一年という証でもある。芸能コースの生徒でありながら、部の設立を希望した生徒の案を受諾した生徒会長の卒業でもある。

 

 UTX高校の生徒会長は卒業式に出る直前まで会長としての仕事を行い、後任の生徒へと引き継ぐ。式の終わった今、彼女は無事に生徒会長を二年間やりきることが出来た。

 元々生徒会長となるのは三年生からの予定だった。少なくとも彼女が一年生で書記を勤めていた最中は。だけど、当時の二年生だった副会長が生徒会長に就くという重圧に負け、卒業式近くになり辞退、生徒会から抜けるという事件が起きた。

 

 混乱状態に陥った中、一年生の身ながらも立候補することでその混乱も収まったが、当然引継ぎ期間も短く、覚えることは多岐に渡った。彼女が二年生になって早く帰れた日など、そこから一日たりともなかった。教員の間で例外として、今年だけは二人体制にすべきではないかと話し合いがなされたが、結局は破棄。歴史のない高校で箔を付けるために妥協は許されない。そう結論付けられた。

 

 だが、その結論こそが少女を最も優秀な会長と言わしめる結果を生む。会長という仕事は機密も多く、部屋も一人だけ。だけど就任半月で気付く、効率だけを求めても作業は捗らない。仕事内容はともかく、突き詰めれば人との繋がりが大事である。

 

 何も其れは生徒会という身内同士だけという話じゃない。部活面のことであれば部活をしている一般生徒。トレーニングルーム等の話なら芸能コースの生徒。勿論UTXの顔でもある特待生達。そして、それ以外のこととなれば一番人数のいる部活をしていない一般生徒。つまり全生徒と繋がりを持つこと。

 

 そして、教職員に受付等の事務員。カフェの店員も含めた高校関係者。効率を得る為に多くの非効率とも言える縁を集める。前生徒会長は仕事のみを突き詰めていたが、彼女はその逆をいった。

 

 当然一人ひとりに多くの時間を割くことは出来ない。それでも、この高校には自分という生徒会長がいる。何かあれば話なり相談なり出来る相手がいる。こう思って貰えるだけで充分な意味を持つ。逆にこちら側から話が必要な時、顔を見知っていることが円滑に事を進めてくれる。

 

 だからこそ彼女は二年生でありながら生徒会長として全うし、三年生になっても会長を続けることが適った。経験も繋がりもある三年になってからの方が楽である。何事もスムーズにこなせる自信があった。驕りではなく、経験からくる当然の自覚。

 

 その自信を揺らがせるように、GW明けの生徒会室に二人の生徒がやってきた。

 

『部を認めてくれただけでなく、部室を与えてくれことに感謝しかありません。今日は一つお願いがあってきました』

 

 始まりはそんな言葉。度胸はあれども、覚悟が伴ってない。だから直ぐに帰らせるつもりだった。だけど、そうはならなかった。目の前でなかった筈の覚悟を灯し、勢いと共に夢を口にしてみせた。

 

 馬鹿馬鹿しいくらいに未熟者

 

 逆に言えば熟す可能性を十二分に秘めていた。顔にも言葉にも出さなかったが、面白い生徒だなと思った。自分たちの夢が零に等しいと分かっていながら、世界規模の歴史に高校の名を刻むと言い切った。その可能性を買えと。

 

 商品に値しない筈の物に価値を吹き込み、叩き売ってみせた。本来なら買うべきではない物。だけど、モデル界の頂点に咲きながら、モデルをしていることに後悔の陰りを見せる少女を知っていた。スクールアイドルという者が猛毒なのか、特効薬になるのか試したくなった。

 

 薬になるということはUTX高校にとってマイナスを生む毒になる。そういう意味では存在自体が毒だったのかもしれない。だが一人の少女の心を救った。学校を敵に回しながら、注目を集めながらも練習場、期間限定とはいえ部室も奪われながら、それでも笑ってみせた。

 

 反省の色すらみせない愚か者

 

 だというのにありえる筈のない可能性を垣間見た。歴史を動かすのは常に英雄だけではない。愚者が王を討つことで動くこともある。決して英雄になることはない愚者。だけど、新しく紡がれる歴史がそうとは限らない。

 

 だからこそ、だろうか。生徒会長二年目は去年の比ではないくらいに困難極まった。賢者は歴史から学ぶが、愚者とは何度でも失敗を繰り返す。反省しないのだから当然だ。時には私すらも騙して反則ギリギリのことをやってのけた。

 

 お陰でスクールアイドルを擁護するだけでなく、自分の立場も守らなければいけない時もあった。頭痛と胃痛に苛まれた時もある。正直見捨ててもいいのかもしれない、と思わされた。だけど、同じ学校の生徒だ。問題児であっても其れは変わらない。

 

 何より、あんな大口を叩いて退学になったのでスクールアイドル活動は出来なくなりました。では擁護した全てが無駄になる。そう思い続けて最後まで擁護し続けた。

 

『では生徒会長。貴女が認めたスクールアイドルがこの学校にとって有益だったのか。必要だったのか。これからも存続させる意味があるのか。全校生徒に問いましょう。もし、反対票が三割を上回った場合、今日を持ってその座を私に譲ってもらいます!』

 

 面白い生徒はもう一人いた。卒業目前の二月。推薦で受かってる私に対して述べた下克上。もしも反対票が賛成票を上回っても受験には影響しない。それでも彼女は全校生徒を巻き込んでスクールアイドルの成否を問うた。

 

 結果はまるでドラマのようだった。一票を除き賛成票に入れられたのだから。一般生徒から次期生徒会長の座を射止めた彼女。でも生徒会長になるのは今日からという結果になった。下克上は大失敗。独り相撲。そんな風に言われるが何故彼女があんなことをしたのか私だけが知っている。

 

 色んな思い出が心に染み渡る中、静けさだけが支配するホール。既に他の生徒達は退出した後。この静寂が確かな終わりを実感させた。二度とここには戻ることはない。だから、私も生徒会長という役職を終え、一生徒としてここを出よう。入学式で緊張していた過去の自分と今の自分が重なる。重圧から開放され、あの日のように少しだけ足が震えた。

 

 様々な経験を積み重ねても、変われていない弱さもあるようだ。足を解すように軽く叩き、震えが治まってからホールを出た。そして、

 

「ご卒業おめでとうございます」

 

 問題児からの祝福を受けた。

 

 

◇生徒会長からの挑戦状◇

 

「卒業おめでとうございます」

 卒業式の行われたホールから一番最後に出てきた生徒会長にツバサがスクールアイドル三人を代表して、声と共に花束を差し出す。

「ああ、君たちか。ありがとう」

 普段の怜悧な表情ではなく、そこに浮かぶのは可愛い声に似合った年相応、それ以上に若く見える人懐っこい笑顔。彼女は全てを見事にやりきって、今日この学校を卒業するのだ。

「本当はここでもあなたを待つ人は多かったのですけど、私達を見ると空気を読んだように散ってしまいまして」

「学校一の問題児がいれば誰だって関わらないようにするわよ」

 生徒会長に一番迷惑を掛けたのは間違いなくツバサである。故にあんじゅの言葉に反論出来ず。されど胸を張って言うのだ。

「手の掛かる子ほど可愛いって言うでしょ?」

「そういうのはここあちゃんやこころちゃんみたいに可愛い子を指すのであって、義務教育を終えた男に対しては使わないわ」

「男じゃないわよ、女の子よ! っていうか、そのネタもう使われないと思ってたのにこんな場面で使う!?」

 初めて相対した時は緊張に飲まれそうだった二人が、会長の前でも普段と変わらない態度でいられる。これは成長なのか、神経が図太くなっただけか。次問題を起こしたら退学と噂されるツバサは神経以外は退化したのかもしれない。

「君達は相変わらずだねぇ」

「この人と一緒くたにされるのはごめんなのだけど。ともかく、綺羅星さんのお世話お疲れさまでした」

 心身ともに満たされてるあんじゅは、心の底から労わるようにそう告げた。勿論、笑顔ではなく苦笑いを返された。

「会長が引き会わせてくれたお陰で、私は今とても幸せです。ありがとうございました。そして、ご卒業おめでとうございます」

 ツバサが渡した花束以上に価値のある英玲奈の満面の笑み。謎解きのような摩訶不思議の手紙と共に訪れたのがスクールアイドル三人との邂逅。それを与えてくれたのが生徒会長だった。

「完全なる猛毒に、君まで感染されてしまったようだけど」

「最高の中毒です」

 モデルをしていた頃にはなかった力強さ。溢れ出る自信。これこそが成長。

「真っ先に見送られるのが君達三人とはねぇ」

 感慨深く三人の顔を見渡した後、表情が普段の怜悧な物に変わる。

 

「スクールアイドル」 

 

 一言呟くと、今度は睨むように三人の顔を見た。そして、ツバサを見たまま告げる。

 

「君は私に言った。歴史に刻む可能性を買って欲しいって。その結果がこれなのかなぁ?」

 

 ラブライブを開催するどころか、初PV以降TVでスクールアイドルという単語が触れられたことはない。まるで禁じられた言葉のように。だけど、この一年でスクールアイドルの数は増えた。それだけは確実にいえること。

 

「確かにスクールアイドルが三校しかなかった頃に比べたら増えはした。だけど逆に聞こうか。君達が卒業しても続いていく保障はあると思う?」

 

 歴史に刻むどころか、安定した部活動として定着するのか否か。反則ギリギリを攻めた結果がこれなのだ。来年は生徒会長が変わるし、色々と後がないツバサはもう邪道を封じられた。ここから先は正道で広めていくしかない。

 

 だけど、本当に其れで定着できる自信があるのかどうか。恐らく理性が出す答えは否。後二年で絶対的な部活動として受け入れられる可能性は……未だ零ではないに過ぎない。

 

「愚問ね。大いに愚問だわ。そんなことを問うとはこの一年でまるで成長してないんじゃないかしら?」

 

 零でないのなら可能性は無限に広がっている。未来は常に変わるチャンスを与えてくれている。未来を信じずにサレンダーするなんてありえない。ライフがゼロになっても負けたと思わなきゃ負けじゃない! いや、其れは完全に負けでしかない。

 

「言うねぇ。だったら私と賭けをしよう。二年後の卒業式に今の君達のように、今度は私が見送りにこようじゃないか」

 

「見送りに?」

 

「ああ。その時の君達は果たして今のように自信満々に対面できているだろうか? それとも、私のことを視界に入った途端、顔を伏せ、逃げるように学校を後にするのか。勿論、賭けに乗らないのなら私はこない。どんな結果になろうと、逃げ帰るなんて真似をしなくて済むよ」

 

 理解力が乏しいと言われてネタにされるツバサであるが、この言葉が意味する真の意味を理解できた。これは賭けと偽った生徒会長の激励。卒業生として在校生への贈る言葉。つまり餞というやつだわ。 ※餞の意味を履き違えています

 

「受けて立ちましょう。そして、その時貴女はこう言う。『零ではない可能性は無限だった』とね」

 

「そんな中二台詞吐くのは綺羅星さんだけよ」

 

 決まったと思った瞬間、まさかの背中からの奇襲。これは致命的か・・・!?

 

「いや、いいよ。もしも本当に歴史に名を刻めると私が思ったのなら、その言葉を贈ろう」

 

 ツバサと視線を交わし、そのまま柔らかい笑顔のまま会長が去る。この後、本当に多くの人たちに囲まれるであろう。自分達が卒業する時はどうなっているだろう? 今のままではほとんどの人から避けられるかもしれない。これを口にしていたら、それはツバサだけであって、私達は違うわよと正論を告げられていただろう。

 

 とにかく今分かっていることは、自分達を擁護してくれていた会長が去り、スクールアイドルを否として一票を入れた新しい生徒会長が就任した状態で始まるということ。難易度は更に跳ね上がる。

 

「頑張りましょう。これからの二年間は今までよりずっと厳しい戦いになるわ。だけど、私達なら大丈夫。この一年で培った――」

「ええ、もう会長との挨拶は終わったから直ぐににこさんに会いに行くわね!」

「――って! 私の話聞かずにどうして電話してるのよ!」

 

「あ、ごめん。けーちゃんから電話が入って」

 

 まさかの英玲奈すらも電話していたこの現実。結束の力ってコンビニとかで売ってないかしら? もうやだ、駄目かもしれない。と、弱気になるツバサであったが、この二ヵ月後……運命のダイスはツバサに微笑む。

 

 そして、ツバサが想像したとおり、生徒会長だった彼女は多くの生徒に囲まれて、涙され、感謝の言葉を与えられていた。全ての挨拶を終えて学校を後にする前、生徒会長室の方を見て微笑んだ。皆が下克上と言ったあの投票の本当の意味。其れは自分がスクールアイドルにしたのと同じこと。前を見て歩き出す。唯一反対票に入れた生徒がUTX高校を背に、卒業を果たした  fin.

 

 

 

 放課後の教室で一人残って、空白のままのプリントを前に溜め息を吐く少女――南ことり。中学三年生。得意な事は洋服作製とお菓子作り。それから大好きな幼馴染たちの応援。

 

ことり【私の将来の夢は……】

◇naturally◇ ――中学校

「はぁ~。志望校どうしよう」

 

 まだ本格的な志望校を書き込めという訳ではない。どこへ進むのかを変わってもいいから、受験生である自覚を持たせることが学校側の狙い。勿論、既に本命を絞っている方が安心である。そんな中で何一つ書き込めない生徒はクラスでことり一人。

 

 昔は幼馴染の皆でオトノキに入学するものだと思ってた。一番年上の絵里と亜里沙・雪穂は残念ながら一緒に通うことはなくとも、同じ学校の卒業生となる筈だった。でも、それは絵里がモデルを始めるかどうか悩んでた時に話し合って消した選択肢。

 

 専門の学校に進むことになる絵里に対して、それぞれがオトノキ以外の学校に進もうと決めた。絵里だけを除け者にしない為の提案。その時はまさかオトノキがことり達の代で受け入れを終了し、その長い歴史に幕を下ろすとは想像してなかった。

 

 思えば家の周りでオトノキの制服を見かける機会が減っていた気がする。昔憧れたあの制服はもうすぐ完全にみることがなくなる。胸をギュッ掴むような切なさが刺激する。その痛みにも似た感情は、穂乃果と海未の志望校と別になる切なさと相まってより深いモノになる。

 

 同い年の二人の志望校は既に決まっていて、女子剣道が強い有名校へ。同じ学校を希望することも可能だけど、ことりはそうはしなかった。唯単に二人と一緒の学校に通いたいから、なんて中途半端な理由じゃ、部活に情熱を燃やす二人に対してとても失礼だから。

 

 二人とも将来は家を継ぐことが決まっている。だからこそ、夢のない自分はより真剣に志望校を選ばなければならない。そう思えば思うほど、思考の迷宮は広がっていく。焦りに疲れると溜め息が出る。悩み⇒溜め息⇒悩み⇒溜め息。最悪のワルツ。

 

 洋服をデザインすることが好きで、製作することも好き。だけど、将来の夢にしたいかと問われたら答えに詰まってしまう。自分のセンスは多くの人に受け入れられる物ではないことを理解していた。誰かの為の一点物。つまりはオーダーメイドに特化している。

 

 そんなことが許されるのは極限までセンスを磨き上げ、認められたほんの一掴み。雲の上の存在だけである。名前と違って空を飛べない自分には夢のまた夢。流れる雲の下にすら届かない。挑む勇気もないのだから当然の話。

 

 ならばお菓子作りはと言えばこちらは完全に趣味。美味しいと言って貰えると嬉しいけど、自分なりのアレンジに挑戦したりはしない。レシピ通り作って美味しいのなら、それが正解でいいと思っている。

 

 将来の夢もなく、目指したい学校もない。まるで皆に取り残されてしまったみたい。この気持ちが悩みの元。今は取り敢えず友達と同じ学校を選んでおく。書いておかないといけないから自分の実力で届きそうな学校にしておく。そんな生徒もいると思う。そう理解してもこの焦りはなくならない。

 

 運動が得意だったら体を動かして解消でもきるのかもしれない。でも、自分は残念ながら得意とは言い難い。だからこそ応援する側に回ったのだ。そのツケが今こうして回ってきた。一緒に剣道をしていたら同じ学校を目指していたのかも。

 

 ぐるぐると答えの出ない踊りは続く、されどプリントは進まず。このまま夏が過ぎて本格的な受験シーズンが訪れた時はどうしてしまうんだろう。不安しかない。とにかく勉強に勉強を重ねて、その時の自分に合ったラインを狙うべきか。其れが正しいんだと思う。

 

 だけど、一つだけ思うことがある

 

 これは決して正解とは言えない。オトノキに入学するという道。皆で答えを出した物を反故にする意見なのかもしれない。廃校になるということは後輩ができない。クラスメイトだって少ないものになるだろう。圧倒的に人との出会いが少なくなる。何か部活動を始めるという切っ掛けもないと思う。

 

 それなのにこの道しかない気がする。答えが出ない中で最も簡単な逃げ道なのかもと思う。失礼だけど受験勉強を必要とせず、合格できるのは間違いない。勉強が嫌いな訳じゃないけど、ピリピリとしてくるであろう今後を考えると其れはありがたいかなぁ。

 

 何よりも自分だけがオトノキに入学出来る資格を持っている。来年の生徒募集はない。つまり花陽も凛も雪穂も亜里沙もどれだけ望んでも入ることは叶わない。あの頃当然だと思ってた道を歩めるのは自分だけ。

 

 あの制服を着て、憧れた学校に通う

 

 自分だけがという免罪符があれば絵里が罪悪感を覚えることもない。このまま答えが出ないなら、この道を選ぼう。一応真っ先に絵里に相談してみるのがいいかも。穂乃果と海未には今は一所懸命に剣道のことだけを考えていて欲しい。

 

 プリントには《音ノ木坂学院》と書いて出した。正解から背くとしても、今はこれだけが精一杯の答え。

 

 

 それから少し時は流れ、モデルの仕事が忙しい絵里から電話があった。オトノキを目指そうかと思っていることを相談しようと思いながら、なんだか勇気が出なかったので丁度いいタイミングだった。その筈だったんだけど……。

 

『ちょっとことりに相談があってね。相談というか協力をお願いしたいんだけど』

「えっ?」

 

 相談したいと思ってた相手からの突然の申し出。一番のお姉ちゃんである絵里が頼ってくれるのは純粋に嬉しい。自分の悩みなんて置いておいて、絵里の話に耳を傾けた。

 

『スクールアイドルって知ってるかしら?』

「え、うん。あの高校生の部活でやるアイドル活動だよね?」

『うーん、やっぱり一般の子にはそう思われてるのね』

 

 何か間違った認識だったかなと頭を傾ける。奇跡の統堂と謳われた有名モデルがモデルを辞め、スクールアイドルを始めたと話題になったのを覚えてる。そして世間にも注目されたPVはお世辞にも褒められたものではなかった。以降の活動等は記憶にない。

 

『実際にはアイドル活動とは違うのよ。自分達を輝かせる方法も手段も全て自分達で模索して選ぶ。プロデュースしてくれる人なんていない。進むのを諦めなくても三年間という高校生活が終わればそこで終わってしまう』

『限られた時間の中で青春という大輪の華を咲かせる。言葉にすれば簡単だけど、何もない下地の中で其れがどれだけ難しいか。所属する事務所もない、人気番組に出れる訳でない、背景はない』

『そんな過酷な部活動を広めて、定着させようとしている大切な仲間がいるの。世間から目を背かれても、唯のアイドルの真似事だと思われても、胸を張って自分達はスクールアイドルなんだって立ち向かえる。そんな大馬鹿者達がスクールアイドルなの』

 

 驚いた。絵里がこんなに熱くなることがあったなんて。自分達を妹と呼び、そんな妹に何かあれば熱くなることがあるけど、他の誰かの為にこんな熱くなる絵里は初めてだった。そう言えば亜里沙から聞いたことを思い出す。ロシアにいた時のバレエ選手を志していた頃の絵里がこんな感じだったらしい。幼すぎてお母さんから聞いた話らしいけど。

 

 それでも亜里沙の最古の記憶はバレエを練習していた絵里らしく、今の絵里に近いのだろうと確信が生まれた。そこで不思議に思う。スクールアイドルは普通の学校の生徒がする物だった気がする。そのことを質問してみた。

 

『私はスクールアイドルじゃないわ。コーチ的立場ね。ダンスを教えているんだけど、何だかんだ手が掛かってね』

 

 口ではそう言いながらとても楽しんでいることが伝わってきた。もしかして絵里は夢を見つけたんだろうか? それとも其れに近づく何かを得たのかもしれない。亜里沙がずっと負い目に感じてた物が解消される日が近いのかも。そう思うと心が温かくなった。

 

『それでね、ことりにはスクールアイドルの衣装デザインと製作を手伝ってくれないかってお誘いなんだけど、興味ないかしら?』

「えっ?」

『あ、ことり一人に任せるって訳じゃないの。今担当してくれている人がいるんだけど、他にもいる方が刺激になるし、勉強にもなるって。その話を聞いた時にことりしかいないと思ってね』

 

 受験生である自分にそんな誘いをかける辺りが絵里らしくて笑ってしまった。自分が受験をしなかったから、受験ということが抜け落ちているんだろうなぁって。頼りになるけど少しだけ天然な部分が可愛い。

 

 これは運命だったのかもしれない。受験勉強を必要としないオトノキに進めという後押し。夢を見る前に諦めるのではなく、好きなことを好きなだけ経験して、それから将来を考えるべきだと。空を羽ばたく翼がないのなら、自分で翼に代わる何かを作って飛べばいいんだ。

 

「絵里ちゃん。詳しい話を聞かせて」

 

 

 南ことり。彼女がスクールアイドルになることはなかった。衣装作りに専念し、始まりのスクールアイドルと呼ばれる彼女達が現役の時代は何度かステージに出されることがあったが、彼女達が卒業してからステージに立つことは一度としてなかった。

 

 しかし、一緒にいた約二年半という時間の中で挑戦する楽しみを骨の髄まで教え込まれたことりは、後のスクールアイドルのベースになるあるシステムの基盤を作ることになる。誰かを応援する気持ち。衣装作りが大好きだという気持ち。その優しさが道となる。

 

 スクールアイドルは学校の代表。だけど、他の部活動と同じである必要はない。敵に塩を送るという言葉があるけれど、スクールアイドルは大きな意味では大切な仲間。だからこそ、スクールアイドルになりたいけど、衣装を作れない。だから諦める。そんなのは許さない。

 

 にこは制服だけでもやれるようにと考えたが、ことりは違った。やっぱり可愛い衣装を着て歌って踊って欲しい。これは自分の我侭だと開き直る。そして、衣装製作依頼を受け、他校の生徒の衣装をデザイン。もしくは製作。或いはその両方。仲間たちの為に尽力し、エールを送る。

 

 彼女の優しさが生んだ軌跡は広がっていく。衣装だけでなく、作詞や作曲を請け負う人も現れてスクールアイドルを始めるハードルが大きく下がった。踏み出す一歩は勇気とやる気さえあれば出来るのだと思わせることに成功した。

 

 南ことり。彼女がスクールアイドルになることはなかった。しかし、彼女の優しさが数多くのスクールアイドルを生み出す切っ掛けとなった。其れは世界に広がることになっても尚、残り続けるシステム。世界すら越える翼。彼女の生んだ奇跡。

 

 スクールアイドルファンは彼女に尊敬と敬愛と感謝を込めてこう表した

 

 南ことりは音ノ木坂学院最後のスクールアイドルである、と  fin.


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。