矢澤にこ自身がラブライブ   作:にこあん

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◆この素晴らしい魔法少女に祝福を!◆
アラもう聞いた?ダレから聞いた?
やちよの筋肉講座のそのウワサ
「待ちなさい! そんな意味不明な講座なんてないわよ。あってもやらないし、やる訳がないじゃない」
「ちょっと待って。フェリシア、ういちゃん。そんな輝いた目をしても私は絶対にやらないからね。や、や、やらないわ」

十分後...

「――え。や、やちよ……さん? 何をやってるんですか?」
「いろは! ちっ違うのよ? これは仕方なく、止む無しに。私がしたかった訳じゃないの!」

そこには元気に《やちよトレーナーの筋トレ講座》をしているやちよの姿があった。

-駄女神に奪われた目汁への復讐劇・完-


00 コレは次話更新時に消えます

※アニメ本編&劇場版のA-RISEが好きだった方+勇者綺羅星が好きな人=それ以外の方は絶対スルー推奨

 

※A-RISEを考察するだけの物です

 

 

◇きらきら道中私がこんな風になった理由◇ ――ツバサの部屋

 

 机に頬杖を付きながら思考を巡らせる。自分の進む道、スクールアイドルが辿る道。その先にある未来。当然ながら答えを導き出すことは不可能である。未確定要素が多すぎる上に、未来を確定させるなんて人間には不可能だから。

 

 だからといって考えることを止めることはない。時間を止めることは出来ないし、例え出来たとしてもしてはいけない。皆と平等の時間を過ごすからこそ、人間なのだから。完全に思考がいつものやつになっているが至って本気である。

 

 ラブライブを開催することは三年では可能性は限りなく零に――いや、不可能だろう。開催できたら漫画かドラマの世界だ。現実はそんなに甘くない。だからと言って其れを言い訳に妥協した行動をするのはナンセンス。とはいえ一寸先は闇。

 

〔魔法カード:闇を消しさる光〕はなくとも、照らせる方法は絶対にある。その方法をいち早く見つけ出せるかどうか。青春の木漏れ日の中、その暖かさが冷める前に、この煌きを届けたい。

 

「……はぁ~」

 

 自然と流れ落ちる息に元気はない。だけど、心が落ち込んでいる訳じゃない。寧ろ心は盛り上がっている。邪の道に下るにしても、力を貸してくれる新しい友達もいる。絶対にリタイアは許されない。ギリギリのラインを攻めなければならない。その為には……。

 

「断固たる決意が必要なのよ」

 

 一番好きな漫画のフレーズを口ずさむ。最終戦のクライマックスから試合終了までに特に重要となったんだけど、未熟な自分にとっては始まりすらクライマックス。だからこそ、ここで覚悟を決められないと。そう考えることで自分を焚きつける。

 

切っ掛けなしに人が覚悟を決めるということは難しい。

 

「……」

 

 それも自分が進む道を決めるというは特に。流され易い性格ならばともかく、個性の塊であるツバサだと難易度が跳ね上がる。高校でのバスケを諦める判断には三日間掛かった。短いと思われるかもしれないが、人生で一番頭を回転させたと言い切れるまでに悩んだ。

 

 今回はその時よりも厳しい。大まかにすれば正道を往くか、邪道に堕ちるかの二択だが、そこからまた道は続いていく。辿り着く先が必ず成功でなければならない。未来なんて見ることの出来ない普通の女子高生――変わった中二病女子高生では悩むしかない。 

 

 スタートラインに立つ為には絶対必要で、渇望すればする程焦りが生まれる。なのにツバサの口元には不思議と笑みが浮かぶ。高校生になっても何も変わらないと思った。寧ろ頑張る目標を失いマイナスでしかなかった。でも、二人との出逢いから世界が一気に加速した。

 

 スクールアイドルになる側に感じて欲しい。真剣なんだけど楽しくて思わず笑ってしまう。どうなるかなんて賽の目を確認しないと分からない。練習量が多いから輝けるのではなく、工夫一つで変えられるかもしれない。そんな他とは違う部活動。

 

 本来なら完成型を見せるのが普通だけど、練習風景を放送してファンを増やすなんてグループも出てくるかもしれない。これが絶対の正解なんて型がない。やりたいと思ったなら下手に考えずにやってみよう。一緒に笑顔になろう。それが矢澤にこの世界。

 

 スクールアイドルを見る側に感じて欲しい。真剣だけど遊び心があって、失敗すらお茶目さだと思って笑顔になる。練習量こそが正義であると実力派。正に応援のし甲斐がある完成度。魅せることに重きを置き、色物だからこそ笑顔にされてしまい、いつの間にか爽快感すら覚えている。私達が目指す三年間で成長し続けていく姿に胸を熱くして応援してしまう未完の大器。

 

 どれ程の未来が待ち受けているのか。どれだけの挑戦と笑顔と成功と失敗が未来に眠っているのか。それもこれも冗談抜きで自分達に掛かっている。こんなの普通に部活動してたら感じられない。真面目に考えれば考える程にプレッシャーが半端なく増加する。

 

 だけど、ううん、だからこそやはりツバサの口元はどうしようもなく緩む。落ち込んで、笑って、悩んで、また笑う。自分一人であったなら笑うなんて到底不可能だった。高校に入ってもバスケを続けるかどうか悩んだ時とは完全に正反対。あの時は三日間生まれてきて一番真剣に悩みに悩んだ。誰かに相談することもせず、漫画やゲームに逃げることもなく悩んだ。

 

 そして、ティッシュ箱に残っていたティッシュ全てを失う程に泣いた。諦めた後、心の澱みが消えると同時に熱い想いも醒めて――ここで演出の途中ですが、このエピソードを中二病らしい表現でもう一度再現してみましょう。

 

 

†さきの大戦で失ったモノ~七十二時間ノ死闘ノ末~†

 

 ツバサにとってのバスケとは、勇者にとって果てなく湧き続ける勇気。其れなくしては生きていけない。誰かの手によって切り離すことなど不可能。自分から手放すことなんてありえない。戦いの終結まで寄り添っていくモノだと信じていた。

 

 しかし、ツバサの前に現れたのは竜王の腹心の部下。まだレベルが十分ではない、装備もアイテムも不十分。今までと違い。復活も無効化された結界が敷かれる。だが、それでも逃げるという選択肢はなかった。ここで逃げられる者を、否、逃げようと考えるような者を勇者とは言わない。勇者とは勇気ある者!

 

 常に付き纏う死の恐怖。だが震える余裕すらない。猛攻を捌き、時に隙を作り出して反撃を試みる。弱点すらなく、全てが今の自分を上回る。広い草原は策を弄することも不可。体力も精神も無限ではない。命の灯火を全開まで燃やし、闘い続けた。

 

 武器が折れた。関係ない。心が折れぬなら、拳でだって闘える。血が滲み、感触がなくなり、両の腕が上がらなくなった。それでも頭がある。出血により視界が赤く染まる中、それでも食い下がる。朦朧とする中、それでも足が、足が、足が……。

 

 膝から崩れ落ち、受身も取れずに地に伏す。もう動くことが出来ない。其れでも諦めたくない。心が折れることは死よりも恐れること。勇者である以上、最後まで保たねばならぬモノ。だが、現実は酷く残酷で。降臨した竜王によりその心を打ち砕かれた。

 

 勇者の最後の死闘は三日三晩にも及んだと記されている。これが勇者ツバサがバスケを諦めるまでに必要だった人生で一番の長い時間。次の闘いには蛇の道だろうと、邪の道だろうと使ってまでも、護りきりたいと無意識に願い、想うようになる理由である。

 

 勇者とは慎重なだけでは駄目だ。

 

 無論、なんとかなるという精神だけでも駄目だ。

 

 絶対になんとかするのが勇者なんだ。

 

 そこには理想も絶望も破滅もありえない。

 

 皆で描いた夢が現実になっている世界を得る。

 

 其れこそが真の勇者と呼ばれる存在なのだ。

 

 確かにツバサはさきの大戦で大切なモノを失った。だが、本当の始まりはこれからだったんだと強く思う運命と出逢った。だからこそ、自分の経験を無駄にしない。同じ失敗は要らない。目指すべきは……【邪道勇者~この勇者が中二病のくせに邪道すぎ(ry

 

 いつかきっと『レディーパーフェクト』を使っても許されるくらいに成長して欲しい。目汁なしでは観れない慎重勇者素敵過ぎ。

 

 

 (省略)諦めた後、心の澱みが消えると同時に熱い想いも醒めて固まっていた。渇望して止まなかった身長への焦がれも、ジャンプ力も、スタメンの椅子も、過去の物へと姿を変えた。だから新しい刺激を求めてUTXへ入ったという件に繋がる訳ですが、ここでA-RISEの考察に移ります。

 

 ツバサとあんじゅ不仲説。初登場で見た目的にハイタッチしそうなあんじゅではなく、ツバサは英玲奈とハイタッチしてあんじゅとはしていなかった。この件はずっと疑問だったのだけど、後の映画にて氷結。リーダーであるツバサは普段から突拍子もないことを思い付き、あんじゅがその処理をしていた。故にツバサにはあんじゅに対する負い目があり、気軽にハイタッチなど出来ない関係にあった。

 

 思い付きの内容は二期でも明かされている。A-RISEのファンひしめく中、着替えすらせずに征服のまま主人公を連れてくる。そして、PVを撮る場所の提供。この提供には一つツバサとあんじゅの賭けがあったりします。

 

 A-RISEの三人は確かに主人公達九人に注目はしていた。これは一期の最終回でも分かりますが、誰よりも評価していたのはツバサである。これは映画を観れば一目瞭然。自分達と同じ高みを目指せる存在だと認識していた。

 

 それに対してあんじゅはそこまでは評価していなかった。それに対して二人が少しぶつかり、英玲奈がその仲裁としてある提案をした。それこそが九人に対して提供したUTXの屋上である。自分達と同じ所でPVを放送する。しかも自分達の直後に。

 

 英玲奈は初代ラブライブの優勝は過去のことと語っていたが、実際にそのネームバリューは大きなハンデがある。普通のスクールアイドルでは緊張して受け入れることすらないだろう。本当に同じ高みを目指せるのならば受け入れ、予選を通過してみせるだろうと。

 

 この条件は厳しすぎるから通過することが出来たなら、一つ我侭を聞いて欲しいとツバサがあんじゅに言うと、いつもの病気が出たと苦笑いしながらも受け入れた。その理由は初代ラブライブ優勝と準優勝が東京都なので、残り二枠に入れるとは思ってなかったのもあった。

 

 しかし、前回二位のグループが参加しなかった幸運も見方につけ、ギリギリではある物の見事に予選を通過してみせた。予選決勝で新曲を披露した九人に対して、A-RISEが新曲を公開しなかった理由。

 

 もし九人が初代ラブライブを辞退してなかったら、自分達が優勝出来ていたのかを試したい。だからこそ新曲に頼らなかった。これがツバサの我侭。その結果が敗北ではあったものの、モヤモヤしていた思いが晴れたのは確かだ。

 

 ツバサの思惑を理解しているスクールアイドル達だからこそ、予選を突破出来なかったにも関わらず、映画ではA-RISEと九人に対しての差を感じさせない評価のままだったし、主人公もツバサに対して尊敬の念を抱いていた。A-RISEにスカウトがきたのも当然の結果。

 

 それからツバサが少年漫画好きなのは何故かも二期で明かされている。初詣に神社へ向かう六人と遭遇したA-RISE。去って行ってしまったと思わせて、からの「頑張りなさいよ」は少年漫画のトーナメントに勝った主人公に送る敵だったキャラの反応とかその辺のやつその物。絶対に少年漫画好きに違いない!!

 

 ちなみにケーキの差し入れ要れるのがあんじゅではなく英玲奈であることから、乙女心が一番あるのは英玲奈と思われる。にことあんじゅが並んでミシンを使ってるところが映画の見所。あとはツバサの強キャラ感。

 

「……はぁ~」

 

 ツバサの思考はぐるぐる回り、悩みに糸口が見えない。

 

「だけど、止まない雨はないわ」

 

 強がってみる為に口にしたけれど、突破口は果てしない闇の中。それでも悩み続ける。そんなツバサに光を指してくれるのがこの後に出会う絵里である。雨の降りしきる梅雨入りした頃、導かれるようにツバサは心の師匠を目撃することになる。

 

『我が名はウミンディーネ!』

 

 中二病を開き直ることで、開ける道がある。そのお手本が其処にはあったのでした。 おしまい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ 閲 覧 注 意 ※

 

【ほんこわ絢瀬姉妹のお話】

何故絵里の設定が変わっていたのか?

どうして亜里沙に対して死亡フラグが多いのか?

 

確かに絵里の母はロシアの地で妊娠していた。

だが、亜里沙は残念なことに流産し、生まれてくることはなかった。

亜里沙に死亡フラグが多かったのは死ぬことを示唆しているのではなく、生まれてこれなかったから

前回の雪穂との絡み、最後の注意書きがこれに至る罠。

しかし、そうなると矛盾が発生する。

 

何故亜里沙がいないのにバレエの才能ある絵里が日本を選んだのか?

 

実際には才能はあったが、コンテストに出れるような未来性は皆無。

これはアニメ本編と同じであり、幼いながらも絵里はその現実に心を蝕まれていった。

そんな折、イマジナリーフレンドとして生まれてくるべき存在だった妹が作り出された。

塞ぎこんでいた娘が居ない存在と会話し、笑顔が戻った。

家族としては心配したが、医者からはバレエを忘れることが大事であり、時間が解決する以外ないと診断された。

つまり日本への引越しは絵里の為だった。

夢を諦める原因は妹の為にという正義に変換されることになった。

 

新規一転した日本でも妹は消えなかった?

 

初めの内はずっと一緒にいたけれど、母に連れられた地域の清掃に連れられたことでみんなと出逢う。

みんなのお姉ちゃんになることで段々と亜里沙との接触は消えていき、二人きりの時にしか現れることはなくなっていく。

 

モデルは絵里の母に完治することを願って勧められた。

 

その想いも残念ながら絵里から亜里沙を手放せることにはならない。

絵里にとっての初めての夢となったバレエを超えることは出来なかった。

だけどその想いこそが夢への芽吹きとなる。

 

来るスクールアイドルとの出逢いに《亜里沙》は決別の日を予感する

 

姉妹の別れは亜里沙の消滅を意味するけど、彼女は絵里の幸せを願っている。

故に其れは悲しいけど祝福すべきだと、心の準備をしている。

無意識に絵里が新しい出逢いにゴールとスタートを期待している証拠である。

 

夢は諦めたら終わりなのではなく、夢なき夢は夢じゃないと《さよならを教えて》くれる

 

そんな存在と出逢うことで、亜里沙が絵里の中からどんどん消えていく。

最後はスクールアイドルのライブが見たいとお願いする亜里沙。

コーチである絵里がステージに立つことになる最初のライブ。

このライブを終えて、観客の中で応援してくれていた大切だった妹が消える。

絵里に夢という未来への希望を託して……。

 

モデルをしながらスクールアイドルのコーチをし、時にステージにも立つ絢瀬絵里。

やがて「怒られちゃったらどうしよう? 事務所には内緒にしてね」という言葉に対してスクールアイドルファンが「ウィ~!」と返事をし、絵里が「ハラショー!」と返すお約束まで出来る。

モデル事務所が黙認したのは彼女をコーチとして勧誘した英玲奈の二の舞を演じない為。

 

絵里は皆と共に輝かしい夢を胸に邁進していく。

いつか終わりを迎えた時、亜里沙に「夢を叶えられたのはあなたがいてくれたから」と笑顔で伝えられるように……。

 

本当だったら怖い絢瀬姉妹のお話・完


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