箱庭に流れる旋律   作:biwanosin

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あれ?無形物よりもこっちのほうが書きやすいぞ?
まあ、音楽関係で調べずにいけてるうちはいけるんですよね。



では、本編へどうぞ!


はい!歌い手が呼ばれました!
歌い手、湖に落ちる


 さて、思いっきり叫んで落ち着いたので、僕はこの状況について考えることにした。

 音の跳ね返り方からして今は大体上空3000メートル。普通に考えたらこのまま死ぬけど、したには水があるみたいだし、落ちる途中に普通じゃないものもあるみたいだから、それはなさそう、かな?こればっかりは呼び出した人の気分次第になりそうだけど、大丈夫だと信じよう。

 後現状で確認できることは・・・僕のほかに三人と一匹落ちてきてること。

 この状況で落ちてくるなら、多分彼らも同じ手紙を読んでる。そのあたりは後で確認しよう。

 さて、他には・・・あ、そろそろ落下が終わりそう。

 あー、なんだか勢いは減ってきてるけどそれでも飛び込んだら何かあるよね・・・よし、腹をくくろう。

 そう思った次の瞬間、僕は湖に落ちた。

 

 

 

♪♪♪

 

 

 

 う・・・水飲んだ・・・変なところに入った・・・

 とりあえず、陸に上がろう。まだ他の人たちは落ちてきてないから、自己紹介まで時間は有りそうだし。

 

「さて・・・まずは枝を集めるか」

 

 すぐそばに木が生えてるし、枝くらいならすぐに集まるだろうし。

 そう思っていたら予想通り、簡単に枝は集まり、それを丁寧に組み立て、空間に穴を開けてライターを取り出すとどうにかして火をつける。

 

「よし、まず上着だけでも」

 

 さすがにこんな濡れたままでいたくはないから、服を上手く干せるものを取りだして干す。そのまま穴に入って(さすがに、他の人がいるところで裸にはなりたくない)服を着替えると、脱いだものもかけて乾かし始める。もちろん、下着は別。

 

「し、信じられないわ!」

 

 あ、他の人たちも上がってきた。僕も合流したほうがいいよね?

 

「まさか手紙を開いたら、次の瞬間には空に放り出されるなんて!」

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃゲームオーバーだぞ。石の中に呼び出されたほうがまだマシだ」

「いやいや、君は石の中に呼び出されてどうやって動くつもり?」

 

 あ、つい口を出しちゃった。当分の間は傍観するつもりだったのに。

 

「俺は問題ない」

「・・・無茶苦茶な人なんだね、君は」

「オマエも相当だと思うぜ?」

「それにはわたしも同意するわ」

 

 ヤハハと笑っている金髪の男の子と服を絞っている黒髪の女の子がそういってくるけど・・・僕はただの歌い手だよ・・・?

 

「まあ、そんなことは、今どうでもいい」

「うん・・・此処、どこだろう?」

 

 どうでもよくはないと思うけど・・・まあ、そっちのほうが重要だよね。

 にしてもこのしゃべり方・・・この猫を連れてる茶髪の女の子、あんまり口数は多くないのかな?

 

「それを確認するためにも、まずは情報の提示、かな?」

「ああ、そうだな。まず間違いないと思うが、お前達にも変な手紙が?」

 

 あ、僕が聞きたかったことを金髪君が聞いてくれた。

 

「そうよ。でも、その呼び方は訂正して。わたしは久遠飛鳥よ。以後、気をつけて。そこの猫と一緒の貴女は?」

 

 なるほど、黒髪さんは久遠さん、ね。

 

「・・・春日部耀。以下同文」

 

 で、茶髪の子は春日部さん。今度、猫の名前も教えてもらおう。

 

「そう。よろしく春日部さん。次に、わたし達より先に落ちたと思ったら落ち着いて枝を集め始めて、火をつけて急に消えたと思ったら新しい服に着替えて出てきた貴方は?」

 

 あの状況でそこまで見てたの・・・?すごい落ち着いてるな。

 

「えっと・・・僕は天歌奏。年齢は十六で皆とそんなに変わらないと思うから、仲良くしてください」

 

 あれ、何か春日部さんが驚いてるけど・・・何か驚くようなこと、僕言ったかな?

 

「ええ、よろしく天歌君」

「あ、僕のことは奏でいいよ。もといたところでもそっちで呼ばれることのほうが多かったし。他の二人も、そっちでお願い」

「分かったわ、奏君。最後に、奏君とは正反対の、野蛮で凶暴そうな貴方は?」

 

 久遠さーん・・・貴方は思ったことをそのまま口にする人ですかー?もう少しオブラートに包まないと相手もいい気は・・・

 

「見たまんま、そいつとは正反対の野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃ったダメ人間だから、用法と要領を守った上で適切な態度で接してくれよ三人とも」

 

 しないわけでもなかった。それでいいのか、逆廻君・・・

 

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

「ハハ、マジかよ。今度作っておくから覚悟しておけ、お嬢様」

 

 なんだか、この二人には似たところがあるよな・・・

 

「さて、自己紹介が終わってすぐに悪いけど、これからどうするの?」

「そうだな・・・普通は、招待状にかかれてた箱庭とか言うものを説明するやつが出てくるだろうし、それを待てばいいんじゃないか?」

「そうね。この世界について何も知らないままでは動きようがないもの」

「・・・・・・。この状況で落ち着きすぎるのもどうかと思うけど」

(全くです)

 

 ん?今声が聞こえたな。音の感じからして・・・

 

「ねえ、待ってて時間を無駄に使うくらいなら・・・あの草むらの陰にいる人にでも頼んで教えてもらわない?」

 

 あ、驚いて立ち上がった。にしても・・・これは予想外だったな。

 

「何だ、貴方も気づいていたの?」

「うん、全くですってつぶやくのが聞こえてさ。その様子だとそっちの二人もでしょ?」

 

 あ、女の子が驚いてる。まあ普通ならあの距離で音は聞こえないからね。

 

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?」

「風上にたたれたら嫌でも分かる」

 

・・・皆、苛立ってるのは分かるけど、殺気のこもった目線はどうかと思うよ?初対面なんだし。

 

「や、やだなあ御三人様。そんな捕食者みたいな目で見られては黒ウサギは死んでしまいますよ?」

 

 あ、やっぱりその耳とか尻尾とかはウサギのなんだ。見たまんまの(色は違うけど)名前でちょっと驚いた。

 後気になるのはあの格好だけど・・・服装なんて本人の趣味しだいだよな。どんだけ露出の多い格好をしていても他人が口出しすることじゃない。

 

「古来より、弱い生き物であるウサギには捕食者と孤独という二つの天敵がございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

「断る」

「却下」

「お断りします」

「僕は別にいいけど・・・君たち三人はなぜこの状況でそれがいえるんだ!?」

 

 驚きだよ。まさか三人が三人とも拒否するんて・・・

 

「あっは、取り付くシマもないですね♪そして、そちらの殿方!味方をしてくださりありがとうございます!」

 

 あ、何かお礼言われた。

 しかも今の感じは・・・心の底からの一言?苦労してるのかな・・・?

 まあ、悪い人じゃないみたいだし・・・ん?春日部さんは黒ウサギさんの背後に回って何をするつもりなのかな?嫌な予感しかしないんだけど・・・

 

「えい」

「フギャ!」

 

 ウサ耳思いっきり引っ張ったー!?おかしいな、初対面だよね!?何でそんな躊躇いがないの!?そして何でウサ耳は抜けないの!?本物なのか・・・?

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでならまだしも、なぜ引っこ抜きに!?さすがに受け入れられませんよ!?」

「どうなってるのか気になってつい・・・」

 

 好奇心!?好奇心で引っこ抜きにかかったのか!!?

 

「へえ?そのウサ耳は本物なのか?」

「・・・。じゃあ私も」

 

 あ、残りの二人もウサ耳をつかんで・・・左右に力いっぱい引っ張った。そして黒ウサギさんは言葉にならない悲鳴を上げてるし・・・何この状況?

 

「三人ともストップ!黒ウサギさんすごく痛そうだから!」

「その方の仰るとおりです!早く黒ウサギの素敵耳を離してください!」

「やなこった!こんな面白いもん、飽きるまではいじるに決まってんだろ!」

 

 いやおかしいだろ!そしてなんで久遠さんに春日部さんも頷いてるんだよ!

 ああ・・・仕方ない。だったら他のものに意識を移してもらうか。あんまり長い曲をやってもだし・・・これでいくか。

 力をこめないようにして、全てを奏でる。

 

「Sah ein Knab ein Ros-lein stehn,」

 

 少年が一本の小さなバラを見つけた

 

「へえ」

「これは・・・」

「きれいな音ね」

「うん。ほんとうに・・・」

 

 お、四人の意識がこっちにむいた。

 黒ウサギの耳からも手を離したし、このまま歌えば大丈夫かな。

 

「Roslein auf der Heiden,――――」

 

荒れ野の野バラを――――

 

そして、僕はそのまま一曲歌いきった。

 




こんな感じになりました。


前回出したカーロミオベン、今回の最後に出てきたハイデンレースラインの二曲は、自分が好きな曲です。


では、感想、意見、誤字脱字待ってます。
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