小町「お兄ちゃん、また八幡ファイトの始まる年がやってきたね!」 作:アウターレッド
「私と契約して八幡になってよ!」
「粗造乱造された魔法少女モノでももっと気の利いた誘い文句出ると思う」
トラックに轢かれそうになっていた幼なじみを助ける代わりに轢かれてしまったら、突然白い部屋の中にいて、神様転生だこれと思ったら八幡転生だったちょっと意味わかんないっすね。
「あなたは四年に一度開催される神の祭典、八幡ファイトの出場者として選ばれました!さあ、私と契約して八幡になって優勝してみましょうじゃありませんか!」
「待って待って、意味わからんです」
目の前の自称女神を手で制しながら考える。
「まず、八幡ファイトってなに?」
「神々が頂点の神を決めるためにそれぞれ代表八幡を出して戦わせる祭典です!」
訳が分からないよ。
「なんで八幡?」
「何に転生したいですかってアンケートで八幡が一位だったので……」
「ええ……」
「ちなみに二位は組織票のコイルです」
「えええええ……」
「八幡には転生特典としてチートが一つ与えられます!強いチートを選んで戦いを有利にしましょう!」
反論しようとした瞬間、右の壁が吹き飛んだ。
壁にできた大穴から身長2メートル超えの大男が現れた!
「ファッ!?」
「はっはぁ!お前が次の対戦八幡か!」
「ああ、八幡さんがグダグダしてるからもう対戦相手が!」
「俺のせいかよ!?ていうか俺は一度もその八幡ファイトに参加するなんて言ってな……
待った、その参加の勧誘って事前承諾だよな……?」
「おっと疑わしき目で私を見てますねえ、八幡のように目が腐っていますよ
まあ、あなたはもう八幡なんですが」
「こいつやりやがった、人を勝手に八幡にしやがった!」
俺ルールも知らねえよ!ていうかあれのどこが八幡だよ!」
「八幡さんにはあの八幡さんの腐った目つきが見えないんですか!?どう見ても八幡でしょうに!」
「八幡認定がばがばじゃねえか!」
「それにルールはこれだけ覚えていただければ結構です、『八幡ファイト国際条約第一条、八幡の証の腐った魚のような眼を破壊されたものは八幡失格になる!』」
「こええよ!なんか急にリスク高くなったよ!?」
「じゃあ、八幡リタイヤしますか?手術で眼球摘出しますか!?」
「方法が生々しい!」
「おーい、そろそろ始めたいんだが……」
「ほら、八幡さんがぐずぐずしてるから対戦相手の方を待たせてしまってるじゃないですか!」
「さっきから俺のせいにしてるけど絶対自分のせいだろ!そもそもこんなんこっちに勝ち目ないやろ!」
「あー、俺も初心者狩りみたいなのは今後の八幡評価にかかわるからあんまりしたくないんだ、そこでだ」
大八幡が自身の分厚い胸板を叩いて提案する。
「お前の初撃、どんな攻撃だろうと受け切って見せよう
そして敵わないと思ったら八幡リタイヤをしてもらおう」
「チャンスですよ八幡さん、八幡さんはまだ特典チートを決めていません、ここで有利なチートを選べばワンチャンあり得ますねぇ!」
「因みに俺のチートは型月ヘラクレスの十二の試練をレベルアップし残機を三桁にした程度だ」
「諦めますか……」
「早いな!?」
「大丈夫ですよ八幡さん、手術には保険もおりますから術後も安心ですよ」
「生々しいよ!」
どの義眼移植しますかーとカタログめくり始めた女神を置いて必死に考える、どうしてこうなった。
目だ、目をどうにかすればいい、失明させる?いや、自傷により回復されるかもしれない。
そも、濁った眼がどうこう言っていたではないか、目つきを矯正、変えさせる、輝かせる……?
「なあ、女神さんチートが決まったんだが……」
「ほうほうこれは……、咄嗟に思い付いたにしては結構良さそうですねおまけで相手の足元に展開するようにしてあげましょう」
「ははは、俺は無敵だどんなチートだろうと怖くはないぞ!さあこい八幡!」
「『きこりの泉』」
「ガボッ!?」
「……落ちたな」
「落ちましたね……」
\パアァー!/
「泉から光が!?」
「あなたが落としたのはこの、目が光り輝いている綺麗な八幡ですか?」
「いいえ、私が落としたのは濁った眼をした八幡です」
「あなたは正直者ですね、そんなあなたにはこの綺麗な八幡を差し上げます」
「ええ……」
「そうか……いくらチートを強くしても守るものもなければあの大英雄になることなんてできっこないんだ……ありがとう八幡、それを気づかせてくれて。この勝負君の勝ちだ!」
「えええええ……」
「やりましたね八幡さん!初戦で優勝候補に勝ってしまうなんて!いやあ、やってみるもんですねぇ賭け試合で全額八幡さんに賭けていて倍率八万倍が見事的中です!これで借金全額返済できますし初戦ボーナスで経験値八万倍手に入りましたからもう何も怖くない!」
「頭八幡になるで」