安森奏は試作型防人である   作:ゆゆゆい

104 / 110
最近週末になると、毎日更新が出来ない......これだったら週に2話か3話にして内容を濃くした方が良いのかな.....


第104話 明日への剣(後編)

〜side園子〜

 

「どうするのよ風!?押しとどめてるだけじゃコイツには勝てないじゃないのよ!!」

「少し待ちなさい!今いい方法を考えてるのよ!!!」

「と言っても、こんなの長くは持たないっすよ!?」

「でもどうすれば.....奏君しか動ける人は居ないのに.....」

 

ミノさんの言う通り、こんな球体長くは抑えていられない、アモりんが突き刺した村正ももう既に半ばまで崩壊し始めている、このままでは私達のバリアももう長くは持ちそうもない

 

「大丈夫ですよ風先輩、奏くんは必ず来ます......来てくれます、だって奏くんはいつだって私達の勇者ですから!!」

 

友奈さんの言葉と共に地上から何かが飛び上がってくる

 

「アレは.....アモりん!?」

「やっと来たのね!?」

「ったく遅いのよ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜side奏〜

 

生太刀を身体に取り込んで一時的に動くことが出来てるとは言っても、長くは持たないこの一撃で決めるしかない!

満開して皆の武器に使っていた力を全て右腕に装備されている篭手に全て込める、狙いは村正だ既に崩壊は始まって居るが使う他ない

 

「おっらぁぁぁ!!!!」

 

村正の柄の部分を狙って拳を振りかぶり、そのまま黒翼から全力で推進力を生み出し中心に向かって突き進む。村正も奏の攻撃に耐えられずに剣先から集合体からの圧力で崩壊が加速していく、それでも確かに中心へ突き進んでいくが中心に行けば行くほど集合体からの圧力は大きくなって行く

 

見えた!アレがこいつの御霊!!!

 

確かに御霊は見えた、手を伸ばせば届きそうな位置に御霊はある、だがそれ以上先に進む事が出来ない、身を守る為のバリアも最低限にしか展開しておらず、殆どを推進力にしているのにも関わらず後一押しが足りない。

しかしこれだけの熱量を発しているのだ御霊自体の防御力は欠片ほどだろう、だが村正はもう既に完全に崩壊していおり、右腕の篭手のみで突き進んでいくがその篭手すらも熱と圧力によりひびが入り始める

 

「まだ......まだぁ!こんなもんで終われるかよぉ!!」

 

身体に纏っていたバリアを更に薄くし全て推進力に回す、もう既にバリアは身体が燃えないギリギリの耐久性しか残されていない、しかしそれでも届かない、あと数センチの所で御霊に触れる事が出来ない

 

くそ!これでも届かないのかよ.....!身体も重くなって来たし、意識が.....

 

そんな時、先程八咫烏に生太刀を刺された場所に激痛が走り、意識が強制的に呼び覚まされ、脳内に声が聞こえた気がした

あともう少しだ.....踏ん張れ、と

その瞬間に黒翼から一瞬だけだが、これまでとは比べ物にならない程の推進力が生まれた

 

「ッ!!届けぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

腕を全力で伸ばし御霊に触れた、その瞬間に御霊が大爆発し、奏達は光に包まれた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「......ここ、は?」

 

気が付くと奏は仰向けに倒れていた、周りはどうやらまだ樹海の中らしい、だが見る限り樹海はもうすぐ元の世界に戻るだろう

 

って事は何とかなった.....って事か?それよか皆は?

 

首を動かして周りを見渡すと、勇者達は全員円になる様にして仰向けに倒れていた、見かけ上は怪我はしていないようだし息もあるようだ

 

良かった.....これで若葉達との約束は守れた、かな?いや、でもこれじゃぁ勇者部の皆には怒られそうだな.....

 

そんな呑気な事を考えながら奏は沈んでいく意識を手放した




次回からは後日談的な話を書こうと思ってますが....それはそれで結構長くなりそう

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。