安森奏は試作型防人である   作:ゆゆゆい

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最近ガンプラでゆゆゆキャラを再現しようとしてるんですがね?
風先輩と樹ちゃんだけベースになるガンプラが思い浮かばねぇんです....何かいい案とかありませんかね?


第106話 ○○は未来への布石である(後編)

「わ、わか....ば、なのか?」

 

「あぁ、久しぶりだなと言っても、っと?」

 

若葉の言葉は途中で遮る様にして若葉を抱き締める

 

「か、奏!?」

 

「若葉、ごめん....ごめんな」

 

若葉を抱きしめ、その肩に顔を埋めるようにしてひたすら謝り続ける、まるで300年前とは逆のように

 

「....何故会っていきなり抱き着いて謝るんだ?お前は」

 

若葉は苦笑しながら、泣いている子供をあやす様に抱き締める

 

「会いたかった....せめてもう一度だけ、会いたかった」

 

「私もだよ、会えて嬉しい」

 

「なんで...若葉が?やっぱりここはあの世なのか?もしかして他の皆も居るのか!?」

 

は、っとして周りを見渡すがやはり周りはただの真っ白な風景だけが広がっているだけだった

 

「....残念ながらここはあの世では無い、悪かったな私ひとりで」

 

少しムスッとした風に言う若葉

 

(可愛い)

「可愛い」

 

「んなぁ!?何を言っているんだお前はぁ!?」

 

おっと、どうやら声に出ていた様だ、だがしかし、別に今更若葉が好きだと言うことを隠すこともあるまいて

 

「何、ってそりゃ思った事を言っただけだけど?」

 

「ヌゥ.....そうやってお前はいつも話の主導権を....もう、話を進めるぞ時間も無いんだ」

 

「時間がない?どう言う事だ?」

 

「そうやっていきなり真面目になる....まぁいいそれも今から説明する、取り敢えず先にこの空間について説明すると.....そうだな、ここは簡単な話お前の精神空間だ」

 

「せ、精神空間?この真っ白で何も無い空間がねぇ.....何かパッとしないと言うか、なんとも悲しい空間だこと」

 

なんと言うか我ながらここまで何も無いとさすがに傷つくんな、俺の中身ってここまでまっさらなのかね.....

 

「安心しろ、お前の精神空間と言ってもこの何も無い空間がお前の感情や心な訳では無い」

 

「そいつは良かった、ホッとしてるよ....で?そもそもな話だけどそもそもなんで俺が精神空間に居るだ?それに俺の精神空間なのにどうして若葉が居るんだ?」

 

「いい質問だ、お前ここに来る前に何をしたか覚えているか?」

 

「ここに来る前って....そりゃあバーテックス共と戦ってたな」

 

「では、どうやって戦った?お前の身体は既にボロボロだった筈だが?」

 

若葉の言葉に記憶を手繰り寄せていく

確か....身体がもう動かなくなって、身体を無理やり動かすために.....

 

「生太刀を取り込んで力を無理やり上げた?」

 

「その通りだ、元々ボロボロだった身体を生太刀を使って無理やり動かしたんだ、さらに身体には相当の負荷がかかった。戦闘が終わったあとすぐにお前は治療の為に神樹様に直接取り込まれたんだが身体に精神が残っていると不都合があったんだ」

 

「因みにその不都合ってのは?」

 

「奏の身体を神樹様が1度取り込んで治しているわけだからな、最悪の場合は精神が神樹様に飲み込まれ、身体は治っても廃人になっていただろう。それを防ぐ為のこの精神空間って言う訳だ」

 

そんな若葉の説明に心底ホッとする、神樹様の心遣いに感謝!と言いたい所だけど、神樹様からしたらせっかくの強いコマをみすみす捨てない為なんだろうけどさ

 

「そして、どうして私がお前の精神空間に居るのかと言う事だが、色々あるが1番の原因はお前が生太刀と同化した事と八咫烏が原因だろうな」

 

「八咫烏?いや、生太刀はお前の力が込められてるからまだ分かるんだけどさ、八咫烏はただの精霊だろ?どうして理由になるんだ?」

 

「八咫烏はな、なんて説明したのもか.....まぁアレも実は私と言えば私なんだ」

 

.....何言ってんだコイツ?こんな電波な子だったか?

 

「おい!私が頭のおかしい事を言ってると思ってるだろ!!!」

 

「.....いや、だってイキナリ[あの精霊実は私なんだよ!驚いたぁ?]なんて言われたらちょっと.....ね?」

 

「そこまで言ってないだろ!?」

 

「で?実際どう言う事なんだ?時間ないんだろ?早く説明してくれ」

 

「ぐ.....!またお前はぁ!!まったく、まぁその通りだから話を進めるが、八咫烏は元々私を精霊として作ろうとしたが情報が足りなくてな、なんせ300年前の人間だ仕方ないだろう。後はバレないようにカモフラージュだな」

 

「カモフラージュ?なんの為に?バーテックス共にバレたって何かしら問題がある訳でも無いんじゃないのか?あ、いや、そうか.....今は大赦の内部で分裂してるからか」

 

「ほう?知ってたのか、その通りだ。お前に余り強い力を持たせると色々都合の悪い連中に、あくまで普通の精霊を付けていると思わせる為のカモフラージュだ、お前の勇者システムが最初は試作型の防人にしていたもの同じ理由だな」

 

上手いこと考えるもんだ、お相手さんも園子を使って勇者部全員を殺す予定だったんだろうし、相手に俺の戦闘力を騙す事が出来たから園子を止められた訳だし、考えたのは春信さんかな?

 

「そして八咫烏と生太刀、私の力を込められている2つのモノと同化したんだ、お前の精神と都合が良いから神樹様にお前の説明係に任命された訳だ、あと説明が必要なことと言えば.....そうだ、どうして時間が無いのかも説明する必要があるな。お前を治療する為に精神空間に隔離している訳だが、余り長い間精神が身体と離れていると身体と精神と縁が切れてもう身体には戻れなくなる、時間がない理由はそんな所か」

 

「成程ね.....因みにその時間はあとどれぐらいあるんだ?」

 

「そうだな、あと十数分と言った所だろうな」

 

「あと十数分....それだけの時間しか無いのか」

 

「....一応言っておくが帰らない、なんて事を思うんじゃないぞ?」

 

「分かってるさ、アイツらも待ってるだろうしな。けど、俺は今でもお前が.....」

 

そのまま言葉を続けようとするが、若葉が顔を両手で包み込んだせいで言葉がとぎれた

 

「馬鹿者.....生者が死者に囚われてどうするんだ、お前は今この時代を生きているんだぞ?なら、過去の人間の私ではなくあの子達にその言葉を言ってやれ」

 

「ははは、そもそも言えないんだよな。まぁ言えたとしても言わないけど」

 

過去の人間、か.....俺だけが取り残された見たいな気持ちだな。

...いや、取り残してきたのは俺の方、か.....未来へのバトンを受け渡したと言えば聞こえは良いけど、結局は受け渡したと言うよりも押し付けた、が正解なんだろうな.....

 

「奏?どうした、何か....」

 

「ん?いや、なんでもない。そう言えばさ俺が他の子を意識したりするとすげぇ体調悪くなるんだけど何か知らね?」

 

「......イヤ、ナニモシラナイナ」

 

「お〜い、目が泳いでるぞ〜?」

 

.....上手くごまかせたか?何考えてるんだ俺は、誰も押し付けたくて押し付けた訳じゃない、その為に命を捧げた人達だって居るってのに....

 

「....実は、その原因は私にあるんだ。あるんだが......その、説明しないとダメか?」

 

「まぁ原因知ってるんだったら教えて欲しいな」

 

「ムゥ.....分かった、説明しよう....あの時お前に生太刀を突き刺す瞬間に考えてしまったんだ、『どうしてこんな悲しい思いをしなければならない?どうしてこんな事しなければならない?どうして奏をこの手で殺さなくてはならない?どうして、奏に全てを押し付けなければならないんだ?どうしてずっと一緒に居ることも出来ないんだ.....!』とな。それが呪いとなってお前を蝕み続けていた、すまない.....」

 

「......」

 

「か、奏?」

 

「ふ、ふふふふ.....あっはっはっは!まさか若葉がそんなヤンデレ気質だとは思わなかった!!ははは!そうかそうかずっと一緒に居たかったか!あはははは!!」

 

「な!なんでそんなに笑うんだ!?喋るこっちは本気でだなぁ!!」

 

「あはは!!いやぁ、悪い悪い!成程ね、そう言う理由があった訳か〜ふふふ、そんなに俺の事を思ってくれてたなんてな?そんなに思ってたならもっと早く言って欲しかったもんだよ」

 

「ヌゥ....仕方ないだろう、私だって恥ずかしかったんだ!!」

 

「まぁ、俺も告白するまで長く掛かったしな〜、人のことは責められないか。まさかこの手の会話で若葉の赤面する姿が見れるとは思わなかった、俺がもっと早く告白していれば、お互いに生きている内にこんな会話を出来たのかも、知れないな....」

 

「.....不器用だったな、お互いに。いい経験になったじゃないか、今度は余り勿体ぶるなよ?」

 

「善処はするよ、ただお前の知る通りそう言うのに関しては不器用なんでな。経験が生きるかどうかは分かんないけどな」

 

お互いにははは、と笑い合う

 

「.....そろそろお別れの時間だな、最後に色々と喋る事が出来て良かった」

 

「そうだな、ホント神樹様には足を向けて眠れないな.....そう言えば帰るのってどうやって帰るんだ?俺なんも知らないんだけど?」

 

「問題ない、お前が帰りたいと思えば自動的に身体に引っ張られる.....本当に大丈夫か?こちらに残りたい等と考えていないな?」

 

「大丈夫だって、アイツらに謝んない事もあるし、しっかり帰るさ」

 

「そうか.....む?どうやら時間が来たようだ」

 

若葉がそう言った瞬間に背後から何かに身体が引っ張られる様な感覚がある

 

後はコレに従って行けば、若葉とはお別れ、か....未練が無いと言えば嘘になるけど、もう迷ったりはしない

 

「あ、待ってくれ最後に一つだけ、奏に伝えたい事があるんだ」

 

「ん?どうした、まだ何かあるのか?」

 

若葉は一瞬、気恥しそうに、そして申し訳なさそうにしてか俺の目を真っ直ぐに見つめてこう言った

 

「ずっと....ずっと愛している。大好き"だった"よ奏」

 

「っ......あぁ、俺もだよ若葉」

 

そう言って背後から引っ張る力に従うように後ろに振り向き、そのまま歩いていく、これ以上若葉の顔を見ていられなかった。最後の挨拶とかをするべきなのだろうがそんな事を出来るほど俺の心は強くない

 

結局こんな結末か.....コレも俺への罰なのかね?ははは、だったら納得か

....くそ、最後の最後でこれかよ畜生なんで.....

 

「奏!!!」

 

若葉に呼ばれ、思わず振り返る。目の前には若葉の顔が迫っていた、驚く暇もなくすぐに唇に柔らかいモノが当たるのをが当たった、それが若葉の唇と分かるまで時間はかからなかったが、驚きで思考が停止してしまう

 

「な、何を!?」

 

「ふふふ、餞別だ。あの子達を幸せにしろよ?」

 

その瞬間一気に身体が引っ張られていき若葉が遠ざかっていく、遠ざかる若葉の頬には、一筋の涙が伝っていた

 

あぁ、結局泣かせちまった.....けど、今回は辛そうな笑顔じゃないな

 

俺の意識はそこで途絶えた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

side若葉

 

行ってしまったか....やはり少し寂しいな、だが

 

自分の唇に触れる

 

私もあんな事が出来たのだな、自分でも以外だった

 

「全く見みてるこっちがモヤモヤしましたよ、最後に大好きだったよって言葉でお別れするのかと思っちゃいました」

 

声の聞こえた方に向き直ると、そこには見知った5人の少女が並んでいた

 

「私も本当はそれだけで終わるつもりだったんだが.....気がついたら身体が動いていた」

 

「でもあんなに素直な乃木さんは初めて見たわ、300年前もあれぐらい素直になってくれれば奏君も苦労しなかったでしょうね」

 

「ぐ....」

 

「それに最後の行動はぶっタマげたぞ!まさか若葉があんな大胆な行動をするとは思わなかった!!300年前もあれぐらい大胆に奏にアタックすればなぁ?」

 

「ぐぅ....」

 

「ま、まぁまぁ二人とも2人には2人のやり方があるんだよ!!」

 

「そ、そうですよ!人には向き不向きがあるんですから!!」

 

「でも奏君は告白したのに、その返事を最後の最後で返しましたからね〜、まぁ若葉ちゃんらしいと言えば若葉ちゃんらしいですけど」

 

「ぐぬぅ.....!わ、私の話はもう良いじゃないか!それよりもお前達は本当に会わなくても良かったのか?」

 

「良いんですよ、若葉ちゃん1人ですら迷ってたのに、私達が出て行ったらこっちに残るって言いかねませんしね。その結果若葉ちゃんや奏君の可愛い姿も見れましたし私は大満足ですけど!!!」

 

「この場にカメラが無くて心底良かったと思うよ.....さぁそろそろ私達の役目も終わりだな、300年前は言えなかったが最後までありがとう皆」

 

その言葉を聞いきて5人の少女達は笑顔を浮かべながら、光の粒子となり消えて行く

 

最後に奏が消えていった方向を見つめ

 

「さようなら、私の初恋の人」

 

それだけを言いうと、真っ白な空間は少女達と共に消えていった




今思うと若葉と奏君はもう少し幸せになっても良かったんじゃないかな?と思う私であります....
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