安森奏は試作型防人である   作:ゆゆゆい

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最近忙しくて書く事専門になってしまって他の方の作品をなかなか読む事が出来ない私ですカナシミ....
え、今回の遅れた理由ですか?べ、別にスマブラとかやって無いし!!!


第108話 2年前の小さな約束 (中編)

「ねぇそのっち、奏君は今どうなっているの?見た限り怪我は無いようだけれど....」

 

「分からない....あもりんは怪我を治す為に神樹様に治してもらったんだ、けど怪我が治っても全然起きないんだ....もう起きてもおかしくないはずなのに」

 

「ちょ、ちょっと待って......じゃぁなに?アンタ達が私達に教えられる情報は奏の治療は出来たけどなぜ起きないのか分からない事が分かったって事?」

 

風先輩は見るからにイラついていた、でも私達も風先輩程じゃないしにせよイラついているのは確かだ、やっと教えてくれた事がそんな事では私達も納得出来るものじゃない

 

「....ごめん、なさい」

 

「ざけるんじゃないわよ!!!」

 

声を荒らげて風先輩がそのっちの胸ぐらを掴む

 

「これだけ待たせといてそれだけ!?大体アンタが操られていたとか利用されていたとか知らないけどね!アンタがあんな事しなかったらそもそも奏がこんな事になる事も無かったのよ!!」

 

「風先輩!そのっちだって....」

 

「何よ!大体東郷!!アンタはどっちの.....」

 

「お、お姉ちゃんちょっと落ち着いて!」

 

樹ちゃんに言われて、我に帰る風先輩。しんとなった部屋にはそのっちの声だけが聞こえている

 

「ごめんなさい....ごめんなさい....ごめんなさい.....ごめんなさい....」

 

チッと舌打ちをしつつもそのっちから手を離しそのっちから離れる風先輩を見て、止めに入っていた私達も離れて行と、銀が口を開いた

 

「.....アンタ達が怒るのも分かる、奏が心配なのも大切に思ってるのも....けど、それは園子だって同じなんだ。園子を責めるのは園子だけで充分だ、だからこれ以上園子を責めないでくれ、頼む....」

 

「それじゃぁもしかしたら奏先輩はもう、起きないかも知れないんですか?」

 

コクリと小さく頷くそのっち

 

「バカなで....結局1人で背負って、少しは自分を大切にしなさいよ.....」

 

夏凜ちゃんの悲痛な言葉に誰もが下を向き、静寂が部屋を支配する

 

「こんなの、ダメだよ....こんな結末、私は認めないから!」

 

「ゆ、友奈ちゃん?」

 

誰もが黙っていたとき、ふと友奈ちゃんが声を荒らげて横になっている奏君に歩み寄って行く

 

「奏君はいつもそうだよ!周りの人には無理をさせないくせに、自分は無理ばっかり!!」

 

ベットに寝ている奏君の胸ぐらを掴みあげる友奈ちゃん、普段とは掛け離れた行動に皆呆然としてしまっていた

 

「こんなの、絶対に認めない.....!起きて、起きてよ!!じゃないと許さない、許さないから.....だから起きてよぉ」

 

「......許して貰えないのは困るな、どうしたら許してくれる?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜side奏〜

 

どうしよう....起きるタイミングを見失った.....

 

なんか若葉と別れて、目が覚めたら勇者部の皆と園子達がヤバい感じの雰囲気になっていた。正直起きるならもう少し早くか遅く起きたかった

 

いや、ホントにどうすればいいんだ?なんか風がめっちゃ声荒らげてるし、園子はずっとごめんなさい連呼してるし....え、なに?ここが地獄ですか?可笑しいなさっきあの世みたいな所から帰ってきたばかりなんですけど?てか狸寝入りしてんのバレてないよな?

いや、ほんとなら今起きて皆を止めるのが正解なんだろうけど....今起きたら俺に矛先が向く、てか最悪殺されるんじゃね?

 

「バカなで....結局1人で背負って、少しは自分を大切にしなさいよ.....」

 

あ、はいごめんなさい....今なら起きても感動的になるんじゃね?狸寝入りもそろそろ友奈とかその辺の勘のいいやつにはバレそうだし....良し!起きよう、今なら起きれる!!

 

「こんなの、ダメだよ....こんな結末、私は認めないから!」

 

起きよう、と思った瞬間に普段の友奈からは想像の出来ない声を聞いてしまい、驚いてまたも起きるタイミングを無くしてしまった

 

なんかめっちゃ友奈怒っとるやんけ!?もしかして狸寝入りバレた?.....いや、バレてないみたいだな。焦った〜ってひぃ!なんか胸ぐら掴まれた!?よ、よし!もう起きよう!これ以上はバレた時が怖い!!

 

「......許して貰えないのは困るな、どうしたら許してくれる?」

 

「か、奏くん!?」

 

よっしゃ!めっちゃ凛々しく言えた!これで狸寝入りの事はバレない筈だ!!.....声震えなくて良かった

 

「....奏くんの馬鹿!」

 

「ぐぬぅぉ!?」

 

友奈になんの突拍子も無く腹パンされた

 

「ゲホッゲホッ、ふ、普通寝起きの人間に腹パンする?感動の再会だぞ?泣けよ!!」

 

「もう泣いてるもん!!」

 

「ご、ごめんなさい.....」

 

「どうしていっつも心配させるの!?私、奏くんが私達を置いて言っちゃうんじゃないなって、心配で....」

 

「ごめん.....」

 

泣きじゃくる友奈を宥めつつ周りを見ると、皆も涙を流していた

 

....いっつも俺女の子泣かしてるような気がするな、一応気おつけてるつもりなんどけどな。

 

「で、これって今どう言う状況なんだ?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

それからみんなから俺が寝ていた時の事を話して貰った

 

「成程ね....風心配してくれるのは嬉しいけどさ、あんまり園子の事を責めないでくれよ、元はと言えば俺が記憶無くなったのに原因がある訳なんだしさ」

 

「違うよ!!あもりんは悪くない!あの時だって私を守る為に!!それに利用されていたと言っても、感情を悪い方に増幅させられてただけで、元々私の....」

 

「ハイハイ分かった分かった、だからそんなに自分ばっかり責めるなって....」

 

自分を責めるのは血筋なのかねぇ....若葉もよく自分で自分を追い詰めてたしな

 

「なぁ風、今回は結局誰も死んだりして無いし、大きな怪我も無かったわけだしさ、もういいんじゃないか?」

 

「な、何よまるで私が悪者みたいじゃない....」

 

「い、いや、そう言うつもりじゃ無いんだけどさ」

 

腕を組みながらツンとそっぽ向く風、今回は誰が悪いって訳でも無いから、どちらも責めれない、と言うよりもどちらの味方にもなれないし、なかなか難しい問題無いだ

 

銀と夏凜にちらりと視線で援軍を求めるが目を逸らされた、くそ!薄情な奴らだ!!

 

「別に私だってさっきはちょっと感情的になっちゃっただけだし、今はそんなに怒って無いし.....」

 

「ごめんて、そんなに拗ねないでくれよ」

 

「別に拗ねてないしぃ〜」

 

拗ねてるじゃん、と言いかけたが寸前で思いとどまった。

今ここで言ったらもっと面倒な事になりそうだしな

 

「えっと....園子、だったわよね?」

 

「え?は、はい」

 

「その....さっきはごめんね、掴みかかったりして」

 

「だから全部私が....」

 

「....わかった今回の事件は全部アンタのせい、それでいいわ。なら勇者部に来なさい」

 

「え?」

 

「勇者部でテキパキ働いてもらうわ!私達の勇者部に迷惑かけたんですもの、勇者部の言うことを聞いてもらわないとね?それで今回の件は全部許して上げる、これならどうかしら?」

 

こちらをちらりと見る園子、きっと園子は誰かに罰せられたいんだろう、その気持ちは分かるかつて自分もそうだった。だが、園子に罰は要らない、そう思ってるのは本人だけだ。

 

「いいな、園子のいる勇者部。楽しみだもちろん銀も一緒にな?」

 

「アタシも!?なんで!?」

 

「なんでって....おまけ?」

 

「アタシの扱い雑すぎやしないか!?」

 

「銀はやなのか?そっか....俺は園子や東郷と一緒にまた学生生活したかったのにな....まぁ銀がやなら無理強いはしないよ、な二人とも?」

 

「そうね....私も銀と一緒に部下をやったりしたかったかけれど、銀がやなら仕方ないわね....」

 

「そうだよね....私なんかが居るからだよね、ごめんねミノさん.....」

 

わざとらしく落ち込む俺達、だが気が付かれたとしても問題無い、なぜならそれがわざとだと気が付かれる事は無い、なぜなら....

 

「そ、そんなに落ち込むなよ!!大丈夫!アタシも勇者部入るから!!」

 

なぜなら、三ノ輪銀と言う少女はどうしようもなくお人好しで馬鹿だからだ、俺達の行動が嘘だなんて思いもしない

 

「って、お前らアタシを勇者部に入れる為にわざと落ち込んでるふりを知れるだけだろ!?」

 

お、どうやら会ってなかったこの2年間で銀も成長していたようだ。

 

「おい奏、お前また失礼な事を考えてるだろ!」

 

....どうして俺の考えは何時も読まれるんだろうか?そんなに読みやすいもんなのか?

 

「にしてもあんた達仲良いわね」

 

「まぁ、昔はずっと一緒に居たしな」

 

「え?」

 

一気にこの場の空気が冷えた様な気がした

 

「ち、違うぞ?一緒に居たって言っても学校とかお役目があって一緒に居たってことだからな?」

 

「.....ふ〜ん、まぁこういう事にしといて上げる」

 

「良ければなんだけど、4人の昔話とな聞きたいな」

 

「そしたら、園子達には勇者部の話とか話そうか」

 

それから2年前の事とか、勇者部の事とかを話し合ったりした。

さっきの空気は何処へやら、皆は直ぐに意気投合して行った

.....何故か途中から俺がどうとかこうとかの話になったけど、どうしてそうなった?




スマブラ楽しすぎてなかなかss呼んだり書いたり出来ない今日この頃、上手いこと時間を作りたいです....

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