安森奏は試作型防人である   作:ゆゆゆい

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久しぶりの更新...私はここに居ます(ファフナー感)

一区切りついてしまったのでどうやって話を続けて行こうか....まぁ今回は甘々なお話を書ければいいなぁ(遠い目)

あ、最近別のSSも書いているのでよろしければそちらもお願いします!


第110話 隻腕の貴方は想いを寄せて

大赦で診察を終え、病室を出ると見知った短髪赤髪の少女が廊下に設置されているベンチに丸くなりすやすやと眠っている、どうやら俺を待っている間に眠ってしまったようだ

 

「おーいぎーん、診察終わったぞー」

 

寝ている銀の頬を指でつつくと、嫌そうに身をよじらせながらも起き上がる

 

「んぁ?おはよう奏、なんだよ結構長かったじゃんか。もしかして体の調子良くないのか?」

 

「まさか、バリバリ元気だよ。て言うか診察とは言ってるけど大赦のことだ、本当は俺の身体の解析がしたいだけなんだろ、1部とは言え初代勇者のデータがあるこの身体。研究者としては喉から手が出るほどなんだろうさ」

 

ま、どうせ分かるわけ無いんですけどね!

むしろもっと訳の分からないモノだらけで研究もクソも無いだろう、は!ざまぁないぜw

 

「それで、話って言うのは?わざわざ診察が終わるまで待つって事はよっぽど大事な事なんだろ?」

 

「んー....ここじゃちょっとな、どっか2人で話せる所がいい」

 

「じゃあ俺の部屋にするか、と言ってももう少しで引っ越すからもてなしも出来ないけど」

 

「話すだけだし気にしなくていいよ、じゃ早速行こう」

 

そう言ってスタスタと歩いていく銀の後を追う

 

少し話したいって言うから時間を作ったが、少し銀の様子がおかしい、いつもの太陽のような元気はない様に見える。ただ寝起きだからそうなのか、今から話す内容のせいなのか....まぁどちらにしてもすぐわかる事だ

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

部屋に着くと銀は近くにあった椅子に座る、俺は銀と対面する様に座る

 

「それで、話っていうのは?わざわざ診察が終わるまで待ってた位なんだし、重要な事なんだろ?」

 

「いや、まぁ....」

 

煮え切らない返事で返す銀だったが明らかに話を逸らす

 

「そう言えば最近勇者部の皆に随分付きまとわれてるみたいじゃないか、あんな美人達にに付きまとわれて奏は幸せ者だな」

 

「まぁ、最近は特に、な?園子と東郷は特だ、と言うか最近....少し、少しだけ身に危険を感じてるよ....まぁあの二人は昔の反動もあるだろうから少しすれば落ち着くとは思うけど」

 

取り敢えず話を合わせたがまさかコレが話したかった事では無いだろう、それだけ言い難い事なのだろうか?ココは銀に合わせて少しの間雑談をしていくのがいいだろう

 

「ま、園子は今まで色々と大変だったろうし、東郷も昔の事を思い出して嬉しいんだろ、アタシとしては昔馴染みの皆が仲良くて安心だよ」

 

「仲は....良いのかなぁ?」

 

あの二人が悪い感じにかち合うとこっちが生きた心地がしないんだよなぁ...まぁ普段はめっちゃ仲いいからどこまでが本気かわからないんだけども

 

「ははは!奏が苦労人なのは昔から変わらないな!覚えてるか?昔みんなで合宿に行ったとき誰が奏での隣で寝るかってもめてたよな」

 

あぁ....忘れるはずもない、あれがこの時代に生まれてから初めて女性関連のいざこざで恐怖を覚えた時だ、正直あの時も生きた心地がしなかった...

 

「あの時は大変だった...いつもは助けてくれる銀もあっち側に回るもんだから...」

 

「ははは...いや面目ない、あたしもあの時はちょっと浮かれてたから...あの頃は大変だったけど四人でやれば何でもできるって思ってたからな....懐かしいよ」

 

そう言って無くなってしまった己の腕の付け根に触れる銀、その姿と昔の姿を重ねてしまう、その姿は自分の知る三ノ輪銀とはあまりにもかけ離れていた

しかし『生きているだけ幸せなもんだ』なんて冷酷な思考をしている事に自分でも驚いた、それが自分はやはり()()()()の安森奏ではないのだ、と言う事を嫌でも実感させられてしまった

 

時々考えることがある、俺は本当にみんなと一緒にいていいのか?と

たくさんの人間を利用して、たくさんの人間を見捨て、たくさんの人間を手にかけて...(世界)を救うために過去(若葉)を捨ててここに来た俺がみんなと一緒に生きていいのだろうか?

若葉には楽に生きろと言われたが、そう言われて楽に生きられるなら元々神樹様に身体を捧げたりはしない

 

そう考えている突如銀に肩をつかまれ押される、座っている状態しかも不意打ちでそれに耐えられるはずもなく簡単に押し倒される

 

「ぎ、銀?どうしたいきなり?」

 

「....奏がどこかに行きそうな顔してたから」

 

「どんな顔だよそりゃ....いきなり倒されるとびっくりするだろ、ほらどいてくれ」

 

と銀をどけようとすると彼女の色の瞳と視線が重なり体が止まってしまった、その目には悲しみと焦り、ほんの少しの怒りが読み取れた

 

「奏が何で悩んでるかはわからないし、相談してくれとは言わない...けど、どこにも行かないでくれ今の奏を放っておくのは心配なんだ、園子の時は近くにいてやる事すら出来なかった、だから今回は」

 

そう言う銀の表情は今にも壊れてしまいそうに思えた

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