教えて下さい!ゼロは何も教えてくれない、教えて下さい!
東郷が怒りながら部室を出て行き、友奈は東郷の後を追って同じく部室を出ていってしまった。
「あぁ....なんだ、あんまり落ち込むなよ?」
「無理、どうしよう東郷怒っちゃったよね...」
「まぁ東郷が怒る理由もわかんだろ、それに東郷だって馬鹿じゃないんだし、時間置いてからもう一度話し合え」
こんなに落ち込んでる風も久しぶりだな、去年ぶりぐらいかね。ほっとけばそのうち仲直りするとは思うんだが....
「もうダメだおしまいだぁ〜」
....実は結構余裕あったりするんじゃないだろうな?
「樹、あの馬鹿な姉を慰めてやれよ、多分ほっとくとずっとあのままだぞ?」
「ヴェイ!?あ、え....」
えぇぇ....流石にそこまでの反応されると流石にきづつくんだけど?
「あ、す、すみません!ちょっと行ってきます!!」
小走りに風の元へ駆け寄って行く。
....風は樹に任せればいいし、俺は東郷の方に行くかね
しょんぼりしながら、東郷と友奈を探しに部室をでた安森奏であった。
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さて、東郷と友奈は何処にいるかね〜っといたいた。
「おっす、大丈夫か東郷って、こっちも大丈夫じゃ無さそうだな」
「あぁ奏くん!助けて、私じゃ無理だよ〜」
確かになんか物凄く持ち込んでいる、何がどうしてこうなった?
「私が東郷さんを励まそうと思って色々やっても逆に気を使わせちゃったり、逆効果だったり、とにかく大変なんだよ!」
「なぁ東郷、お前だって風が自分からやりたくてやった訳じゃ無いことぐらい分かってんだろ?」
「えぇ分かってるわ....私はただ風先輩に八つ当たりをしてしまっただけ...」
あぁ成程、それでさらに自己嫌悪して落ち込んでんのね。
うわぁ...めっちゃめんどくさいやん。
「風だってさ、理由があったにせよ俺達に隠し事をしてたのはホントなんだしあんまり落ち込み過ぎんなよ」
「でも私は奏くん達が命を懸けて国を守っているのに....私は敵、前、逃、亡....」
「はぁ....お前めんどくせぇな」
友奈は∑( °口° )!?みたいな顔してるし、東郷も(ᇂ_ᇂ|||)みたいな顔してる。
「いいか東郷美森、お前がバーテックスから敵前逃亡したとかしてないとかそんな事はどうでもいいんだよ、あんな化け物が怖いのは誰だって同じだ」
「でも、皆は怖くても変身して戦ったのに....」
「それは俺達が馬鹿なだけだよ、自分よりも強いヤツから逃げて何が悪いんだ?本能的にヤバいと感じたから戦えなかった、それは俺たちみたいなバカには出来ない、お前みたいな冷静なヤツにしか出来ない事だ」
実際死にかけたしな、ある意味では寧ろ戦わなくて正解だろう。
それでも東郷は納得していない様子だ。
「俺は何か間違った事を言ってるか?」
「いいえ、奏くんは間違った事は言っていないわ、でも、それでも友奈ちゃんは勇気を出して戦ったのに私は...皆に嫌われても仕方ないわ...」
.....ほほぅ?よくぞ俺の前でそんな事を言えたな。
「か、奏くん?」
友奈は俺の不穏な雰囲気に気づいた様だな、だがもう遅い。
「なぁ東郷?そんな事でお前を嫌うヤツなんて勇者部にはいねぇよ、実際風もお前を怒らせたって落ち込んでたしな、でもな東郷....」
東郷もどうやら気づいた様だ。
「俺は身に覚えが無いのに樹が俺の事恐れてるんだけど、そこんとこどう思ってるの?」
「え?いや、それはその...」
「分からねぇよな?そう分からねぇんだよ、樹に直接聞こうと思った事もある」
「直接聞こうと思った事あるんだ...」
「そうするとどうだ?まだ何もして無いのに樹は俺から避けてくんだ」
「そ、それは奏くんの意気込みが凄すぎたんじゃないかしら?」
じゃかぁしい、おれは必死なだけだ。
「教えてくれ東郷、俺はあと何回樹に怖がれればいい?樹は俺に何も言ってくれない、教えてくれ東郷!」
瞬間時間が止まった。
東郷さんが、奏くんの地雷を踏み抜いた様です。
取り敢えず奏くんは樹ちゃんから怖がられている事を実は凄く気にしてるようです。