くっそ、何だよコイツ金色の蟹?あのバーテックスより生太刀がザワザワしてる....
「どっちにしてもお前に構ってる暇はねぇよ!」
速攻でぶっ倒して早く友奈の援護に行かねぇと、1人でアイツの相手は危険すぎる...
しかも俺が吹き飛ばされたのって....
チラリと周りを確認すると東郷の姿があった。
まずいな....東郷を守りながらとか戦える気しないんですけど、こりゃぁアイツを上手いこと誘導してここから離れていくか?
そう思い行動を起こそうとするが、ムリエルは東郷に向かい駆けていく。
「チョットまてぇい!なに戦えない方を先に潰そうとしてるわけ!?」
東郷とムリエルのあいだに割り込み、抜刀術でムリエルに攻撃する。たが
ガキン!っと弾かれてしまう、体制を崩した奏にハサミが振り下ろされる。
「っぶねぇ!?」
ハサミを紙一重で避ける事に成功する、そのまま東郷の横まで大翼穹を打ちながら後退する。
「まぁ、生太刀も弾かれるんだからコレも弾かれてしまうちまうよなぁ....」
遠くでドスン!ドスン!と地響きが鳴っている、恐らく友奈があのサソリに攻撃されているのだろう、無事かどうかは遠すぎて確認出来ない。
「奏くん!大丈夫!?友奈ちゃんは!?」
「あのサソリがまだ攻撃してるって事はまだ大丈夫だろうけど...」
とは言ってもどうするか...アイツ硬いしなスグには助けに行けないし。
「なぁ東郷、お前1人で何処まで逃げられる?」
「ごめんなさい...この地面じゃ....」
「いや、大丈夫気にするな、アイツ倒せば何も問題はない」
そう考えているとムリエルが動き出した。
「っ!くそ、東郷!そこから絶対動くなよ!」
突撃してくるムリエルを生太刀で受け止める、少し押し込まれるが止め切る事が出来た。だがムリエルが連撃をしてくる、しかも所々ハサミで首を狙ってくる。
「くっそ、ちょくちょく致命傷狙うのやめて貰えませんかね?」
連撃のスピードはそこまで早くはないけど、一発一発が重い上にコッチの反撃は全然効かないし....
少しずつ押し込まれていく奏、そんな事が長く続くはずもなくハサミで生太刀を掴まれてしまいマウントを取られ、避ける事の出来ない状態で連撃をくらう。
「奏くん!」
「バッカお前!さっさと逃げろ!!」
六花片を展開する、六花片は6枚の障壁によって攻撃を防ぐ盾だが、ムリエルの連撃で少しづつ砕けていくにヒビが入っていく。
「でも!」
「いいから!」
また1枚障壁が砕け散った、残り1枚。
くそ!精霊のバリアがあっても、衝撃で気絶したら東郷が....
最後の1枚が砕けハサミが首に伸びる。
「ぐあ...この離せよ!」
抵抗するが硬い装甲に阻まれる。
ヤバ....意識が....
酸欠で意識が遠のいていく。
「め....て...」
東郷?何やってんだよさっさと逃げろよ....
「やめて!もう私から何も奪わないで!!」
その言葉に呼応するように東郷の身体が光に包まれる、勇者に変身する時の光に
東郷さん覚醒は友奈ではなく、奏くんのピンチによって覚醒しました!