その後は夏凛との訓練をして、ご飯を作ってやり、園子と話をして寝る。そして学校では高確率で東郷からぼた餅を貰っていた。そんな生活をして数日たったころ、部室で東郷に話しかけられる。
「ねぇ奏くん、明日の休日予定あるかしら?」
「明日?まぁ暇だけど?」
「じゃあ一緒にお出かけしない?」
「お?デートですかね?いやぁ奏も隅に置けませんな~」
茶化してくる風。
こちとら最近東郷からのアタックが多すぎて大変なんだぞ?....まぁ悪い気はしないけどさ。
「デ、デートってそんなんじゃありませんよ」
「ぬふふ、東郷がそう思うならそうなんでしょうね....東郷の中では!」
「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ」
東郷をからかっている風に軽くチョップをいれる。
「じゃ明日迎えに行くから」
「えぇ、お願いね奏くん」
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いやぁまいったまいった....昨日はあれから風にからかわられるし、園子には「ヒュー!プレイボーイだね!」なんて言われるし....
「どうしたの?何か考え事?」
「ん?あぁ悪い、ちょっと今度風にどうやって仕返ししてやろうかとね?」
「お手柔らかにね?」
「善処します」
因みに、デートコースを昨日しっかり考えてきたのにもう既に東郷が決めてしまった、そこは男にやらせるべきなのでは?と言ったが。
「確かにそうね、こう言う事は殿方の仕事だものね、次に来る時は奏くんに任せるわ」
ちゃっかり次も来るって決めつけてるのか.....いや、いいんだよ?
「じゃぁ取り敢えずどこ行きたい?」
「まずは映画館よ、見てみたい映画があるの!」
「りょーかい、じゃ行きますか」
東郷が見たいと言っていた映画をみている、因みに今は泣けるシーンだ。
へぇ、結構面白いな感動シーンも上手く出来てる。
そんな場違いな感想を考えつつ東郷の方を見る。東郷は涙を流していた。
そんな姿にキュンとしてしまう奏、しかし仕方が無い、美少女の涙に心が揺れない男は居ないのだ。
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映画を見終わり昼食を取ることにした2人。
「お弁当を作ってきてるの!あそこにある公園で食べましょう?」
「へぇ、東郷の手作りってぼた餅以外食べた事無かったから楽しみだ」
「期待してて、腕によりを掛けて作ってきたから!」
少し歩くと東郷の言っていた公園が見えてきた。
「おっあそこか、へぇ結構綺麗な所だな」
「ネットでも評判がいいらしいわよ」
「お、看板あった」
「ま、まぁ早く行きましょう?ほらあそこの木の下なんて影になっていていいんじゃないかしら?」
東郷の指を指す方には大きな木が生えており、確かにいい感じに木陰になっていた。
でも何でさっきあんなに慌ててたんだ?
木の下まで行くと周りにはカップルが多いようだった。
あぁ、成程ね....
どうやらここはカップル達が集まるデートスポットらしい。
「この辺でいいかしら?」
「ん、そうだな」
どうやら東郷は奏が気づいた事には気づいて無いらしく、ご機嫌に弁当の包を開けていく。
「どうかしら?私としてはなかなか上手く出来た方だと思うのだけど?」
東郷が自信がある、と言っていただけあり随分と気合が入った弁当の様だ。
「俺も結構料理には自信があるけど、美味しそうだな、これならいいお嫁さんになるぜ!」
「そ、そうかしら?良かったわ」
褒められたことに嬉しかったのか、頬を赤らめながら答える東郷。
.....オイオイ可愛いな
いつものキリッとしたいつもの東郷とは違い、照れているギャップにまたも心が揺れ動く安森奏であったのは言うまでもない。
オイオイ、イチャラブ書けねぇぞ.....
しかもネタにも走れねぇ、難しいね。
取り敢えずこれだけは言わせてください、美少女の涙にキュンとしない男はいねぇ!
あ、デート編はまだ続くのであしからず