安森奏は試作型防人である   作:ゆゆゆい

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取り敢えずは1日1話更新を目指していきます




第2話 勇者部のなんて事無い日常

目が覚める、そこはいつもの通りの自分の部屋だ。しかし自分の頬に涙が滴っている事に気付き涙を拭う。

 

「また泣いてる、乙女じゃあるまいし....何の夢見てんのかね?」

 

1週間に2度はこうして涙を流しながら起きる、何か夢を見ていたことは覚えているのだが何を見ていたかを思い出すことは出来ない。

 

(まあいいか、取り敢えず着替えて飯作んないとな)

 

恐らく自分よりも早く目が覚めている園子と自分の為に、今日の献立を考えながら制服に着替え始める。

 

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「じゃ行ってくるから」

「いってらっしゃ〜い、気をつけてね〜」

 

園子と朝ご飯を食べなが少しの間しょうもない会話をしたあと学校に行くため、大赦を出る途中にいつもの仮面の女性が出迎えてくれた。

 

「おはようございます奏様」

「おはようございます、いつもご苦労様です」

「いえ、これが私の仕事ですので」

 

出迎えはいいといつも言っているのにこの人は仕事だからと言って毎回出迎えてくれる、しかも30分位の時間がズレても出迎えてくるあたり朝からずっと待っているのだろう。

 

ここまでが俺のいつも通りの朝だ。

正直なんで俺がここまでVIP対応をされる覚えは無いのだけど、と言うか俺は2年前からの記憶が無い。何でも2年前に大橋で大事故が起きてそれに俺と俺の家族は巻き込まれたらしい。その事故が原因で記憶を失った俺を大赦が保護してくれたんだとな、因みに園子も俺と同じ理由だ。

俺の親と園子の親は大赦でも力のある家系だったらしく、そのお陰で引き取ってもらえた。

 

(正直親の七光りみたいであんまり好きじゃ無いんだけどな...)

 

とは言え大赦が助けてくれないと俺は生きていくことも出来ないので少なくとも高校位を卒業するまではその七光りに甘えて行く事しか出来ない。

 

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ピーンポーンパーンポーン

 

と授業終了のチャイムの音で目が覚める。

 

「起立、礼、神樹様に拝」

「はい、さようなら」

 

と日直と先生の挨拶が終わりしきりに皆が放課後のテンションになっていく。

 

「奏くん部活行こ!」

 

いつもと同じく友奈が東郷の車椅子椅子を押しながら俺の席まで来る。

 

「おう、んーっと」

 

と1度ノビをして居眠りで縮こまった体を伸ばす。

 

「あ、また授業居眠りしてたでしょ?ダメなんだよ授業ちゃんと受けないと」

「友奈ちゃんの言う通りよ、奏くんはそこまで成績が悪い訳じゃ無いんだからしっかり勉強すればもっとテストの順位もあがるのよ?」

「別にテストも赤点取ってる訳じゃ無いんだしいいだろ」

「奏くんはもっと向上心を持つべきだと思うわ!」

 

はいはい、と東郷からの小言を適当に流しつつ部室に向かう。

 

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「こんにちわ!友奈、東郷、奏入りま〜す」

「こんにちわ」

「ういーっす」

「お疲れ様です」

「お、来たわね」

 

てな感じで、簡単な挨拶をしていく。

 

「昨日の人形劇成功して良かったですね!」

「おっと友奈?お前は昨日の人形劇は成功したと言えるのか?」

「友奈ちゃんのアドリブは流石だったね」

「園児達の先生からの視線を浴びてた俺から言わせると成功とは思えないんですがそれは?」

「ま、まぁ子供達も喜んでましたし」

 

なんて事だ樹すらもあれを成功したと思っているのか...

 

「そうだよ!勇者はクヨクヨしても仕方が無い!」

「ポジティブね〜まぁいいわミーティング始めるわよ!」

『はーい』

 

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その後は未解決の事件を解決するための解決法や、ホームページの強化などをした後にかめやに、うどんを食いに来ている。

 

「はーいお待ち!」

「3杯目..,」

「おい風いくら何でも食いすぎだ、太るぞ?」

「女の子に太るとは失礼ね!いいのよ〜食べた分のうどんは私の女子力に回されるんだから!」

「なんと言う体の神秘!流石は風先輩です!」

 

なわけ無いだろ東郷さんや、どうせ風のでまかせだ。とは言えいつもこれぐらい食べてるのに太らない辺り女子力とは言わなくても何か別の何かに変換されている可能が?

 

「けどホームページの強化凄かったです!」

「あの短時間であのクオリティ...もうプロ並だよな」

「でも奏くんも最近覚えてきたじゃない、時間をかければあれぐらい奏くんでも出来るでしょ?もう少し練習すれば同じ位に出るようになるわよ」

「まぁ出来ないことは無いだろうけど、今ぐらいの事が出来ればもう充分だろ」

 

そう言って蕎麦をすする、ここかめやでは実は蕎麦も出してたりする、俺も基本的にはうどん好きだがなんかたま〜に蕎麦も食べたくなるんだよな。

 

「またそうやってすぐ諦める、アンタその癖やめた方がいいわよ?」

「その諦めた人より出来なくて10分で投げ出したダメ先輩には言われたくねぇよ」

「ぐぬぬ、痛いところを付いてくるわねアンタ..,」

 

ふふん、言い負かしてやったわ、てかもう食い終わってんじゃん、もうそろそろ大食いとかに出場出来るんじゃないかコイツ?

 

「あ、そう言えば言うの忘れてたわ、文化祭の出し物の相談しないといけないわね」

「でも、まだ4月だよ?ちょっと早くない?」

「いいか樹、それと同じ事を言って去年の文化祭に準備までに間に合わなかった大食い女がおってだな?」

「でも今年は樹ちゃんも居るし何とかなりそうだね!」

「えぇ!?わ、私ですか?」

「まぁ確かに風の妹とは思えない位有能だからな」

 

樹の頭をグリグリと撫でが、ビクン!とした後に俯いてしまった、いつもの園子にやっていたくせでたまに他の人にもやってしまう。けど皆は気づいてない様だけど樹は怯えてるみたいだし、前から思ってたけど樹は俺の事怖がっているように見えるんだよな。

 

「せっかくだから一生の思い出になる事がいいよね〜」

「それでいて娯楽性が高く大衆がなびくものでないと!」

「お前は演説でもする気か!?」

「ほほぅそれもいいわね流石は奏くん」

 

なんでさ、本気で東郷の感性が理解できないことがたまにある。

 

「流石に演説はしないけど確かに大勢の人達が楽しめるものじゃないとね」

「でも何がいいんだろう?」

「それをみんなで考えるんだろ?まぁ宿題だな皆で考えて来ないとな」

「そうね、まぁそれはそれとしてすみませ〜んおかわりぃ!」

『4杯目!?』

 

犬吠埼風の胃袋は無限大である。

 

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「んでな、東郷の感性が理解できない事がたまにあるんだよ」

「いつも聞くけどちょっと変わった子なのかもね〜」

 

こうして晩ご飯を作って園子に食べさせた後に今日の出来事を園子に話すのは俺の日課になっている。

 

「園子に変わった子って言われるぐらいだか相当変わってんだろうな東郷って」

「あ〜アモりん私の事馬鹿にしてるでじょ!ぷんぷん!!」

「怒った擬音を自分で言う奴がいるかよ」

 

軽口を叩きながら園子との会話を楽しむ、俺も特に夜にやりたい事がある訳でも無いし、普段動けない園子の楽しみは俺とのこのお喋りだけらしい。大赦の人達は仕事があるから殆ど話し相手とかにはなってくれないそうだ。

 

「奏様、園子様をお休みになる時間です」

 

いつもの仮面の女性では無く、自分とそれなりに近い年であろう男性が部屋に入ってくる。因みにこの人もそれなりによくあう人だったりする。

 

「あ、すいませんもうそんな時間ですか」

「え〜もう行っちゃうの?もう少しお話しようよ」

「また明日飯作って来るからさ、今日はおやすみな」

 

ぐねる園子を宥めて自分の部屋に帰り就寝した。




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