安森奏は試作型防人である   作:ゆゆゆい

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奏くんはモテモテですが物凄く苦労人なのですよ....


第20話 安森奏は恋愛が出来ない

東郷と別れて帰路を歩んでいる奏。

 

あぁもう嫌だ嫌だ、自分の体質が嫌になるよ....勿体無い、は流石に失礼か。

 

口には出さないが内心自分の身体に文句を言っている。

 

にしても今日は楽しかったな.....また今度か、確かに東郷となら何とか....

 

そこまで考えて思考が止まる、猛烈な頭痛に襲われて膝から崩れ落ちて、それだけでなく強烈な吐き気に襲われる。

 

「っ痛!くっそ何だよさっきまで調子良かったじゃねぇか.....」

 

吐瀉物が上がってくる。

 

ダメだ!吐くなよ、東郷の頑張りを無駄にはするな。

 

上がってきた吐瀉物を飲み込む。

 

「はぁはぁはぁ、くっそ、あんまり頼りたく無いけど.....」

 

事情を知っている人物に助けを求める為に端末を開く。

 

「ジョン?」

 

ナイスタイミングだよクソ野郎、呼びたかったのはお前じゃねぇ!

でもこうなったら夏凛でもいいか。

 

「ちょっと!大丈夫!?ものすごく顔色悪いけど?」

「あんまり大丈夫じゃない....」

「その顔で大丈夫って言われたらどうしようかと思ったわよ、ほら取り敢えずそこのベンチまでいきましょう」

 

と言って肩を貸してくれる夏凛、それに甘えて肩をかりる。

 

「ほら、ちょっとここで待ってなさい、なんか飲み物買ってくるから。お茶でいい?」

「何でもいい....,」

「了解、待ってなさい」

 

そう言って自販機に走っていく夏凛。

 

でもホントに夏凛で良かったな、勇者部の面子だったらなんて説明すれば....てか今回は大丈夫だと思ったんだけどな、この調子じゃ無理っぽいな~

 

そんなことを考えていると、夏凛が手にお茶を持って走ってきた。

 

「ほら、ゆっくり飲みなさいよ?」

「おう、サンキュ」

 

と言って蓋を開けようとするが....

 

「開かねぇ...」

「ちょっとホントに大丈夫?ペットボトルの蓋も開けられないとか...ほら開けて上げるから貸しなさい」

「.....ん」

 

夏凛にお茶の蓋を開けてもらう。

 

「ほら、空いたわよで?どうしたのよ?」

「ちょっと持病が...」

「何よそれ、アホくさい。言いたく無いなら言いたく無いって言いなさいよ」

「.....わり、言いたくない」

「あっそ、なら無理には聞かないわよ」

 

夏凛ちゃん、なんて物分りのいい子何でしょう。

 

「それでアンタコレからどうすんの?病院?」

「いや、家に帰るよ」

「迎えとか読んだ方がいいんじゃない?流石に危ないわよ」

「無理、来てくれる人いない」

 

多分大赦の人達に頼めば来てくれるんだろうけど、呼びたくないしな。

 

「来てくれる人が居ない?仕事とか?」

「いや、そう言うのじゃなくて、普通に居ない」

「あ、えっと、ごめん....」

「あ、大丈夫大丈夫、特に気にならないし」

 

実際覚えてないからね、気にならないのだよ。

 

「じゃぁ家に来なさい」

「.....病人に何をしでかすつもりですか?」

「何もしないわよ!?ったく、ほら肩かすから」

「ありがと、助かる」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

side夏凛

 

苦労しながらジョンに肩を貸しつつ、なんとか自宅まで帰ってくることが出来た。

 

「ほら、着いた。取り敢えずソファーに横になってなさい」

「悪いな、助かったわ」

「.....今日のアンタは随分素直ね」

「そうか?」

「そうよ」

「そっか....そうかもな」

 

弱ってるせいか、いつもより返しにキレがないジョン。

 

「取り敢えず良くなるまで休んどきなさい、少なくとも歩いて帰れるくらいにはね」

 

はい、と濡らしたタオルを渡す。

 

「何から何まで悪いな」

 

そう言ってタオルを額に掛けてソファーに横になり目を閉じるジョン。

 

「さて、どうしようかしら?」

 

何とか少しでも元気になってもらいたい。

 

「料理とかいいかもね....」

 

いつも作って貰っているし、サプリを入れれば元気もでるでしょ。

 

~少女料理中~

 

「ほらジョン、いったん起きなさい」

「ん?何?」

 

ジョンの顔色を確認すると先程よりは大分良くなったようだか、それでもまだまだ顔色が悪い。

 

「ほら、サプリ入のうどんよ食べなさい」

「.....食欲ない」

「無理でも食べなさい」

「病人に無茶言いますな....せっかく作ってくれたから食べるけどさ」

 

そう言ってうどんを食べるジョン。

 

「.....まどぅい」

「ちょっとぉ!?」

「まどぅ過ぎ.....何をどうやったらこうなるのさ」

「そんな理由無いでしょ!ちょっと貸しなさい!」

 

ジョンの持っていた箸を奪い取り1口食べる。

 

.....まどぅい

 

「しっかり味見するべきだったわね....」

「病人になんてもの食わせんだお前は.....ほら箸返せ」

「え?」

「残り食うから箸を返せって言ってんの」

「これを食べるの?下手するともっと体調悪くなるわよ?」

 

自分で言うのもなんだけどね。

 

「自分で言うのか....いやそれでもわざわざ俺の為に作ってくれたんだし、最後まで食べきらないと、ほら箸返せ」

 

そう言って私から箸を奪ってうどんを食べていくジョン。

 

て言うか、これって間接キス...

 

考えてしまった途端に顔が暑くなるのが分かる。

 

「ん?顔赤いぞ?」

「べ、別に!何でもないわよ!」

「ハイハイ、さいですか」

 

そう言いながらクソ不味いうどんを食す奏くんでした。




夏凛ちゃんて確か料理出来なかったですね?
取り敢えず奏くんに夏凛ちゃんの手料理を食べてもらいたかった&看病して貰いたかった!
同じ日に女の子2人から手料理とか、奏くんプレイボーイッスね!!
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