それでもツンデレですがね
「で、なんやかんや言っても書いてくれる辺り夏凛ちゃんですわな」
「うっさいわね、その方が都合が良かっただけよ」
「ま、そういう事にしときますか」
「そういう事ってどう言うことよ!!!」
友奈が持ってきた入部届けにサインをしている夏凛を茶化す。
「都合って監視のこと?やめてよね、まるで私たちが見張ってないとサボる見たいな言い方」
「偶然神樹様に選ばれたトーシロ集団が偉そうな顔するんじゃ無いわよ」
「む」
夏凛の挑発的な言動に少しムッとする風。
「いい?勇者のお役目はおままごとじゃ無い.....ってギャァァァァァ!!!」
叫び声を上げる夏凛その視線の先には牛鬼に捕食される夏凛の精霊。
ホントに牛鬼は何でも喰うな.....実際食わなかったのなんて八咫烏ぐらいだしな。
「ちょちょちょ!何してんのよこの腐れ畜生!!」
「外道メ!」
涙目になりながら何とか牛鬼から精霊を引き剥がす夏凛。
「外道じゃ無いよ!牛鬼だよ!ちょっと食いしん坊なんだよね?」
ふよふよふよと、俺の頭の上に着地する牛鬼、そのまま髪の毛をむしゃむしゃ.....不思議とヨダレとかはつかないのだから不思議なものだが。
「じ、自分の精霊の躾も出来ないようじゃヤッパリトーシロね!!!」
「奏くん以外の言うことは聞いてくれないんだよね」
「なんで主の言うことを聞かないのにコイツの言うことは聞くのよ....」
俺に聞かれても知るわけ無いだろぉ?
「まぁいいわ、取り敢えず私の義輝を喰わないようにコイツに言ってやんなさいよ!」
「だが断る!」
「なんでぇ!?」
「その方が面白そうだから」
「外道メ!!!」
なんとでも言うがいい!俺は面白ければ何でもいい!
「そう言えばその子喋れるんだね!」
「えぇ!私の能力に相応しい強力な精霊よ」
オイ義輝が喰われた件はもういいのか?
「でも、東郷には3体の精霊がいるよな?」
「な!わ、私の精霊は1体で最強なのよ!言ってんやんなさい!」
「諸行無常」
「達観してますね」
「そ、そこがいいのよ!」
「うあ....どうしよう、夏凛さん!」
「今度はなによ!」
際程から会話に参加していなかった犬吠埼姉妹、どうやら樹が占いをしている様だ。
「夏凛さん死神のカード....」
「勝手に占って不吉な結果出さないでくれる!?」
「言っとくけど樹の占いは結構当たるぞ?」
「もっとダメじゃ無いのよ!!!」
「不吉だ....」
「不吉ね....」
「不吉ですね....」
「不吉じゃない!」
いいツッコミだ夏凛!この部活では重宝されるぞ?
「ともかく!これからのバーテックス退治は私の監視の元行うのよ!」
「お前の?」
「私の!」
「不安だ....」
「なんですって!?少なくともアンタ見たいな勇者でも無いヤツよりは大丈夫よ!!」
ほぅ?そんな口を聞くとは.....
「牛鬼、GO!!!」
「あぁぁ!ちょっと待って!ストップ、ストップ!!!」
(✧-✧`)見たいな顔をする牛鬼に怯えて義輝を隠す夏凛。
これはいいモノを見つけたな....
「く!アンタのその顔をしてる時は大抵ろくな事が無いんだけど!?」
「ナンノコトデスカ?」
「随分奏先輩に詳しいですね?」
「俺の事をそんなに見てくれているなんて.....俺は嬉しいよ!」
「寝惚けたこと言ってんじゃ無いわよ!!」
ゼェゼェと息を切らしている夏凛。
オイオイこの程度のツッコミで息が切れるとは修行が足りないんじゃないか?
「ま、事情は分かったわ」
「今ので何を分かったのよ....」
「取り敢えず学校にいる間は上級生の言葉には従いなさい、正体を隠すことも任務に含まれてるでしょ?」
「ふん!まぁいいわ、残りのバーテックスを倒すまでの我慢ね!」
「ねぇ夏凛ちゃん、一緒にうどん食べに行かない?」
「行かない」
と言って1人で帰っていく夏凛。
「お?もう帰るのか?」
「別にいいでしょ?やるべき事はやったわ」
「そっか、じゃまた明日」
う~ん、いつもなら返してくれるのになぁ。
「ま、夏凛は悪いヤツじゃないんだ、仲良くしてやってくれ」
「それは今日の事で分かったわ、何やかんや言ってツッコミも入れてくれるしね」
この調子ならすぐに勇者部に馴染めるだろう。
「じゃうどん食いに行きますか!」
と、そんな事を言う風、流石は勇者部部長、食欲は化け物ですな。
精霊の中だと牛鬼か、義輝が大好きです!
......実は2期放送当時に義輝が銀とか言うオチを期待してた私です