安森奏は試作型防人である   作:ゆゆゆい

31 / 110
やっとです!やっと誕生日回ですよ!?


第31話 三好夏凜の誕生日である

「ただいま」

「おう、おかえりもうちょいで出来るからな~」

「随分と時間が掛かってるのね」

「今日は少し手を込んで見ようかと」

「何作ってるのよ?」

「あ~!ダメダメ!出来るまで内緒だから」

 

何を作っているのかと、台所を望み込むと奏に止められた。

 

内緒って.....何を作ってるのかしら?

 

「ま、いいわ私はもう少しランニングしてるから」

 

ピンポンと玄関からチャイムが鳴る。

 

「誰か来たのかしら?珍しいわね」

 

扉を開けるために玄関に向かうと、

 

ピンポンピンポンピンポンピンポンと連続でチャイムが鳴る。

 

「なによ!迷惑なヤツね!今出るから少し待ちなさい!!」

 

向かうまでもずっとなり続けるチャイム。

 

「あぁもう!誰よ!!!」

『うわぁぁぁ!』

 

壁に立てかけてあった木刀を扉を開けた瞬間に突きつける。

 

「な、何よあんた達!」

「あ、あんたね、いくら電話しても繋がらないんだもん、ビックリしたでしょ!?」

「あ、電源切りっぱなしだった....ってそんな事より何の用!?」

「それはね、あ後ろ後ろ」

「後ろ?」

 

言われて振り向くと目の前に白い物が迫っていた。

 

べチャリと白い物が顔にぶつかる。

 

「な、何これ!?って甘!これってパイ?」

「ハッピーバースデイ夏凛」

 

ニヤリと笑う奏。

 

「何すんのよ!」

「うるせぇ!せっかくこっちが誕生日会しようとしてんのにサボりやがって!」

「は?誕生日?だれの?」

「お前の、何もしかして忘れてた?」

 

そう言えばそうだった、今日は自分の誕生日だ、そうかだから奏は手の込んだ料理を....

 

「あ、反省とかいいんで風呂はいって来てくれません?廊下汚れちゃうでしょうよ」

 

....前言撤回後でこいつしめる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

風呂から上がるとテーブルの上には様々な料理が並んでいた。

 

「これ全部アンタが?」

「おうよ!どうだスゲーだろ?」

 

テーブルの中心には恐らく手作りであろうケーキがある、プレートには夏凛誕生日おめでとうの文字が。

 

「って言うかなんで私の誕生日分かったのよ!?」

「アンタの書いた入部届けに書いてあったのよ」

「奏くんと友奈ちゃんが見つけたのよね」

「歓迎会と一緒に誕生日会やらないと!ってな」

 

確かによく考えれば入部届けに生年月日とか書いたわね。

 

「元々レクリエーションの時にサプライズでやろうと思ってたのにアンタが来ないんだもん、焦っちゃったわよ」

「......」

「ん?どうしたの?」

「今まで誕生日なんて祝われた事無いからどんな反応すれば分かんないわよ!」

 

顔を見合わせてニヤリとする勇者部の面々。

 

「しかも~奏の言う話では実は子供会の練習してたらしいじゃないの?」

「アンタバラしたわね!」

「ナンノコトデスカ?ワタシナニモワカラナイヨ?」

「アンタね~!!!」

「まぁまぁ、そんな事より始めようよ!」

「そうね、じゃ乾杯!」

『かんぱ~い!』

「か、乾杯....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~side奏~

 

「で、どうよ?美味しいか?」

「美味しいわ奏くん!奏くんは料理も上手なのね」

「だろぉう?」

 

ぬふふん、良かった良かった手を込んで作ったかいがあったってもんよ。

 

「えっと、勇者部の予定はここと、ここと、ここ!」

「ちょっと何勝手にカレンダーに書き込んでんのよ!」

「え?勇者部の予定だけど?」

「そう言う事を言ってるんじゃないのよ!」

「これから忙しくなるぞ~」

「勝手に忙しくするなぁ!」

 

うむ、いいツッコミだ流石は夏凛。

 

「そうだよ忙しいよ~、文化祭でやふ演劇の練習とか!」

「演劇?」

「なにそれ?」

「あれ?もしかして私の頭の中の案を勝手に言っちゃったかも?」

 

ビックリしましたよ友奈さん、俺だけが聞いていないと思ったじゃんよ。

 

「馬鹿なの.....」

「いいねぇ~演劇それで行きましょうか」

「ていうか、私を巻き込まないでよ!?」

「イイじゃない、暇だったんでしょ?」

「忙しいわよ、トレーニングとか!」

「奏と?お熱いわね~」

「夏凛ちゃん?私と少しお話しましょう?」

「ま、待ちなさいよ!ちょ、いやぁ~!!!!!」

 

あぁ、カオスな空間になってしまう....まぁ嫌いじゃないけどさ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~side夏凛~

 

「じゃ、俺達帰るわ!」

「帰れ帰れ!!!」

「またね~」

 

全くアイツら、ゴミを増やしていきやがって....

 

ゴミをゴミ捨て場に捨てに行く。

 

「風のヤツなんてどれだけ食べるのよ....」

 

部屋に戻ると端末に連絡が来ていた。

 

内容を確認してみると、NARKOのパーティへの招待メールだった。

 

取り敢えず電気を消し布団に入ってからNARKOに参加する、参加するとすぐに勇者部から連絡が来る。

 

『アンタも登録しといてね、これで連絡とか取り合うから』

『仲良くしてくださいね、よろしくお願いします!』

『次はぼた餅を食べて貰いますよ?有無は言わせない』

『何かひとつ脅迫があるような気がするんだけど気のせいかね?』

『学校の事とか分からないことがあったら何でも聞いてね!』

「ったく....了解っと」

『あ!返信きました!』

『ふふふ、レスポンスいいじゃない』

『わーい!』

『ぼた餅』

『え?何この子怖い』

「え?ちょ、うっさい!」

『ぶははは』

『ぼた餅』

『せめて言葉を言ってくれませんか東郷さんや?』

『これからは全部が楽しくなるよ!』

『お、無視かそうですか』

写真が送られて来ました

 

送られてきた写真を開くと今日の誕生日会の写真だった。

 

全部が楽しくなる、か。世界を救う勇者だって言ってんのに...馬鹿ね

でも、悪くないわね




やったぜ!久しぶりに長く書いた~

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。