「う~ん、台本が全く思いつかない.....てか夏凛は何食べてんのよ」
「ん?煮干」
「学校で好き好んで煮干を食う女子中学生か、へ」
女子力.....たったの5か、ゴミめ
「ちょっと!今アンタ笑ったでしょ!」
「ナンノコトデスカ?ワタシナニモワカラナイヨ?」
「ハイハイお約束ね~そんなに煮干が好きならこれから夏凛の事を二ボッシーって呼ぶわね!」
二ボッシーとか園子当たりが付けそうなあだ名だな、つまり風のネームセンスは園子と同レベル.....
「ゆるキャラにいそうなあだ名付けるなぁ!」
「あ、そう言えば二ボッシーちゃん」
「待ちなさい?そのあだ名定着させる気?」
「それより飼い主探しのポスターは?」
友奈と東郷がこちらに近ずいて来ると牛鬼が俺の頭の上に乗りいつも通り髪をムシャムシャと食べ始める、八咫烏も勝手に端末から出て牛鬼の上に乗る。
「ポスター?そんなの完成してるに決まってるでしょ!」
テーブルにバシン!とポスターを叩きつける、だがポスターに書いてあった絵はとても猫には見えない得体の知れない物が書いてあった。
「ええっとぉ....」
「オイ夏凛、探してるのは妖怪じゃないんだぞ?子猫の絵を書いてきてくれよ」
「ネコの絵よ!」
これが子猫だと!?夏凛には猫がどう見えているんだ?
「はぁ....」
「お?どうした樹随分大きなため息だな?」
「あ、ごめんなさい」
「いや、別にいいんだけどさ?どした、何かあったか?」
「えっと、もう少しで歌のテストがあるんですけど....」
テーブルを指さす樹、指先には樹がいつもやっているタロット占いがある。
「死神の正位置、意味は破滅、終局.....」
「おぉう、それは....お先真っ暗と言うかなんと言うか....」
「当たらぬも八卦当たるも八卦って言うし気にしなくてもいいんじゃない?」
「そうだよ!こう言うのってもう一度占ったら違う結果が出たりするもんだし!」
「そうですね、もう1回やってみます!」
占い結果 一回目と同じ
「ま、まぁ所詮確率だしもう1回やりましょう?」
「....2度ある事は3度あるって言うけどな」
「コラ変な事言わないの」
再度占い 一回目と同じ
「だ、大丈夫よ樹ちゃん、もう1回、もう1回やってみましょう?」
さらに占う 結果全て一回目と同じ
勇者部に不穏な空気が流れる
「だ、大丈夫だよ!フォーカードだからこれはいい役だよ!」
「死神のフォーカードねぇ.....」
「あぅぅぅ.....」
「い、いやぁ悪い意味じゃなくて」
「よっし!全員会議よ会議!」
「会議って、なんの?」
「ふふん、いい夏凛私達勇者部は困っている人達を助ける部活なの!それは同じ部活のメンバーだって変わらないわ!」
カカカと黒板に『今日の勇者部の目標 樹を歌のテストで合格させる!』と書く風。
「歌が上手くなる方法かぁ」
「歌声でアルファ波を出せるようになれば勝ったも同然ね!」
「あ、アルファ波?」
「いい音楽や歌と言うのは大抵アルファ波で説明がつくの」
「そうだぞ樹、俺の料理も実はアルファ波を流し込む事により更に旨味を増しているのだ」
「そうなんですか!?」
「なわけないでしょ!?」
東郷と共に両の手のひらを突き出し変わった動きをする、なんだこれ何か楽しい。
「樹って1人で歌うと上手いんだけどね~」
「って事は単に緊張してるだけとかじゃね?」
「そっか、なら習うより慣れろ、だね!」
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「で、カラオケと」
「カラオケで歌う練習をすれば本番でも上手く歌えると思って!」
「じゃぁ1番犬吠埼風行きます!」
そう言って皆の前に立ち歌い始める風
風って見かけによらず結果歌上手いんだよなぁ、見かけによらず
「ねぇねぇ夏凛ちゃんこの歌知ってる?」
「ん?まぁ知ってるけど」
「じゃァ、一緒に歌お!」
「はぁ!?なんで私が....」
「そうよねぇ私の後じゃ負けるのが怖いわよねぇ~ご、め、ん、ねぇ~」
と言って風が指を指すモニターには92点の高得点が
「......友奈マイクを寄越しなさい」
「へ?」
「早く!」
「は、はぃぃ!」
いざ歌い始めると意外と上手い二人、へぇ友奈はともかく夏凛も歌結構うまいじゃん
「にしても夏凛の扱い上手くなってきたな部長さんよ?」
「でしょ?ま、アンタには負けるけどね~」
くくく、と悪代官と手下の様な悪い笑みを浮かべる
「はぁはぁ、夏凛ちゃん歌上手だね」
「これぐらい当然よ!」
「で、結果は?」
「92点か~風先輩と同じだ」
「ま、こんなもんでしょ」
「次は樹ちゃんだね」
「は、はい頑張ります!」
さてさて苦手ってどれぐらい苦手なのか確認させて貰おうか
なんやかんや言って風先輩って普段の行動以外女子力高いですよね~