安森奏は試作型防人である   作:ゆゆゆい

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奏くんは多忙なんです、偉い人には分からんのですよ


第43話 安森奏は多忙である

「うぉぉぉぁぁ.....」

「あ、お疲れ様奏くん」

「なんでこのクソ暑い中こんなに.....クソ」

「ちょっと最後まで言い切りなさいよー」

「うっせ、自分は扇風機の前で涼んでた癖に....」

「何かやる気出ないのよ」

「何かが足りないような気がしますよね~」

 

まぁ、言いたいことは分からんでもないけどさぁ.....

 

『( ゚д゚)ハッ!糖分!?』

「それだぁ!東郷のお菓子が食べたい!」

「そう言えば奏くんのお菓子も美味しいですよね?」

「嫌だァァ!」

『Σ(´Д`;)まだ何も言ってないのに!?』

「何が言いたいか位分かるわ!俺につくれってんだろ!?」

「なんだ、言わなくても分かるならいいじゃない」

 

分かるから嫌なんだよクソッタレ!

 

「美少女4人が手料理食べたいって言ってんのよ!?嬉しくない!」

「嬉しくないね!そんな事言うならこの美少年を休ませてくれませんかね!?」

「うわぁ....自分で美少年とか、無いわァ....」

 

そろそろ俺はキレてもイイと思うんだ

 

「......これも全部夏凛のヤツがサボるかこうなるんだよな......」

「え?まぁそうね?」

「......上手い菓子が食べたいって言ったな?」

「え?うん、言ったよ?」

「.....別に、手作りじゃなくてもいいのだろう?」

『(´・ω`・ )エッ?まぁ、そうですけど?』

 

よし、ならやる事は決まった

 

「なぁ部長殿」

「な、なに?」

「俺は明日部活に来るのが遅れるが、よろしいか?」

「り、理由を聞かせて貰える?」

「夏凛を連れてくる、生死は問わないな?」

「殺しちゃダメでしょ!?」

「大丈夫だ、あの煮干しはそう簡単にはくたばらないだろ」

 

多少の怪我は多めに見てもらおう

 

「じゃそう言う事で俺はもう帰るんで!サラバダー!」

「ちょ、なるべく無傷で連れて来なさいよ!?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

次の日、いつもの浜辺に行くと案の定夏凛が素振りをしていた

 

呑気に素振りなんてしおってからに.....風にはなるべく無傷で連れてこいって言われたけど....あくまでなるべくだからな

 

夏凛の背後からバレないように近付き、一定の距離で飛び蹴りを放つがギリギリでかわされてしまった

 

「ッチ、躱したか」

「ちょ、いきなり何よ!危ないでしょ!?」

「うるせぇ!昨日はお前のせいでこちとら仕事多くて大変だったんだぞ!?いいから黙って付いてこい!」

「い、行かないわよ、元々私は部活メンバーじゃないし....」

「あぁ!?」

「それにもう行く理由が無いのよ!私は勇者として戦う為にこの学校に来たの、学校にいたのは他の勇者と連携を取りやすいからよ」

「......」

「それ以上の理由なんて無い、大体風だって何考えてんのよ!?勇者部はバーテックスを倒すための部活なんでしょ!?バーテックスをみんな倒しちゃったらそんな部活もう意味ない!」

「.....で?言いたい事はそれだけか?」

「え?」

 

なんでサボってんのかと思ってたけど、そんな理由でサボってたとはね......

 

何も言わずに木刀で夏凛に斬り掛かる、もちろん回避される

 

「ちょ、なによいきなり!」

「刀を構えろ三好夏凜、2本ともだ」

「はぁ!?」

「訳わかんねぇ事抜かしやがって、ふざけて怪我させてでも連れ帰るとは風に言ったけど.....」

 

剣先を夏凛に向ける

 

「本気で戦えよ?三好夏凜、ホントに怪我をしても責任は取らねぇからな」

「だからなんでそうなるのよ!?」

「剣士なら刀で語れよ、行くぞ!」




次回は夏凛ちゃんとの激戦です!
ま、流石の奏くんでも女の子に怪我はさせないでしょ
.....させないよね?

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