あ、ウチではアイドルになったりはしませんので
「あ、そう言えば一応味見ぐらいはしないとな」
見た目は自信が無さげだった割には普通に美味しそうだけど
1口味見をして見る
「うん、普通に美味しいなって言うか俺の味付けとにてる?.....まぁ特に変わった味付けしてる訳じゃ無いし、そう言うのもあるか」
でもなんか......凄く懐かしい味?
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「お待たせ」
「あぁ!やっと来た!全くもう弄るだけ弄って料理作りに行くなんてズルいよ!!」
「悪かったって、ほら飯食べないのか?」
「食べる!」
「そりゃ良かった」
上手く園子を誘導して夕飯を食べさせていく
「今日の飯の味はどうだ?」
「うん、今日も美味しいよ!」
園子でも分からないのか、っていう事はやっぱり味付け結構似てるのか?
「?ぼーっとしてるけどどうしたのアモりん?」
「あ、ごめんなちょっと考え事してた」
「アモりんがぼーっとするなんて珍しいね?もしかしてまだ体調悪い?」
「いや、そんな事は.....」
ザザザ....と頭の中に何かの映像が流れ込んでくる、1人の少女がベットに背中を預けている
「アモりん?」
「......」
「アモりん!」
「へあ!?な、なんだ?」
「ホントに大丈夫?無理しなくてもいいんだよ?」
「あ、いや大丈夫大丈夫」
「.....ホントにる」
「ホントホント」
「なら、いいんだけど.....」
「じゃ、皿洗ってくるから」
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さっきのってなんだろう?俺が記憶を失うよりも前の記憶だとは思うけど.....
皿を洗いながら先程の事を思い出す
ザザザ.....と先程と同じ様に頭の中に映像が流れ込んでくる、顔は靄がかかった様に見えないが、先程の園子と同じ様にベットに背中を預けて、コチラを心配そうに見つめる園子と同じ金髪の少女と、その近くには2人の少女
これ.....誰だ?思い出せ、思い出せこの子は誰だ?園子?それと近くにいるのは.....
意識を集中させて映像を鮮明にしていく
近くにいる2人の少女のウチの1人は黒い髪の女の子、もうもう1人は....
バチン!と頭の中で何かが弾けたような頭痛に襲われ、膝が崩れてしまう
「っ痛ぁ.....なんださっきの?黒い髪の女の子?」
あんな光景見た事無い、よな。一体何だったんだ?
「......園子本人に、聞いてみるか?」
膝が崩れた時に割ってしまった皿を軽く片付けてから、園子の部屋にむかう
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「園子」
「あれ?もうお皿洗い終わったの?随分早いね」
「なぁ、俺と園子って2年前、俺が記憶を失くす以前に会ったこと無いか?近くにはあと2人人がいたんだけど、1人は黒髪の女の子」
「......ごめん、ちょっと分からないかな?私がアモりんと会ったのは身体がこうなってからだと思うけど?」
....それはそうか、もし記憶を失う前の俺と知り合いのはず無いもんな
「そっか、ゴメンな変な事聞いて」
「うぅん大丈夫だけど、アモりんこそ大丈夫?顔色悪いみたいだけど....」
園子に言われて改めて自分が先程の頭痛から、身体に怠さがあるのが分かった
「ごめん、まだ本調子じゃ無いみたいだ.....今日は皿洗ったらもう寝るよ、今日は話出来なさそうだ」
「そっか、うんしょうが無いねお大事に」
「あぁ、おやすみ園子」
「おやすみ、アモりん」
因みに奏くんのご飯を食べている園子様ですが、実は味覚が無かったり....