「これは、敵が攻めてきたのかな?」
「らしいな」
気が付くと周りは神樹様の作り出す空間、樹海に変わっていた
「友奈......その、さっきは変なことしていたゴメンな」
「うぅん、全然大丈夫だよ!寧ろ私は普段見れない奏くんが見れて、逆に役得なのかも?」
「ははは、どこまでもポジティブだな」
「えへへ、よく言われるよ、取り敢えず風先輩達と合流しよっか」
端末を開き、風達の居場所を確認すると自分達よりも神樹様の近くに居るようだ、敵は2体、バーテックスジェミニと黄金十二宮ムリエル。敵の場所は自分達よりも神樹様に遠いのが確認できた
この程度の敵なら俺と友奈で何とか出来そうだけど、念には念を入れて一応全員で相手した方がいいかな
「風達と合流して敵を全員で待ち待ち受けようか」
「了解!じゃ早速行こっか!」
風達の方に向かって駆けていく友奈、念の為に友奈を追う前に敵を確認すると遠くだが敵を視認する事ができた
アレが......敵?あぁ敵か.....そうか敵だ
ふつふつと胸を何か感情が込み上げてくる
あぁそうだ敵は.....敵は全て......
初めて八咫烏と融合した時と同じ様な感情.....今回はハッキリと分かる、この感情に従うべきだと、身を任せるべきだと
敵は全て、殺してやる
敵に向かって全力で駆けていく、後から声が聞こえるが無視をする
そうだ
暫く駆けていると敵を完璧に視認できる位置まで近づいてきた、敵は片腕が無く満身創痍のムリエルと無傷だが一体では脅威にはなり得ないジェミニのみ、ムリエルはジェミニにしがみついて移動しているようだ
相手になりえんな.....
大翼芎を放ち牽制をする、流石に距離も開いていた事もあり簡単に避けられてしまう
流石にさけるか.....だが
避けた所に先回りをして回し蹴りで2体を吹き飛ばす。敵は衝撃で離れ離れになった
先にバーテックスの方から仕留める....
ゆっくりと歩み寄ってき生太刀を構える、ジェミニも攻撃を仕掛けるが簡単に回避出来る、そのまま身体を捻り生太刀を一閃、ジェミニの両足を切り落とし、そのまま封印の儀を開始し、御霊が出現した瞬間に御霊を破壊する
「何かしようとしていた様だが、行動が遅すぎる。それでは案山子と変わらんぞ」
次は黄金十二宮か......
元々のダメージも合わさりムリエルは起き上がることすら辛い様だ
「お前には随分と世話になったな、では殺すとしよう」
生太刀を無造作に振り下ろすが、残っていた片腕で防がれた
「そうか、そうまでして生きたいか!」
すぐさまムリエルの片足を切り落とし、バランスを崩した所を狙い腕を切り落とす、そのまま上半身を蹴り仰向けに倒れた所に場乗りになる
「ではこちらも最大限殺さぬようにしてやる、精々くたばらない様にしておくんだな」
生太刀を逆手持ちにしてムリエルに敢えて急所を外すように突き刺す、何度も何度も突き刺す、突き刺す、突き刺す、突き刺す、突き刺す
「は、ははは!」
自然と笑いが込み上げてるく
コイツの命は今私の手の中に、それも少しづつすり減っていくのが分かる。
「はははははははははははは!!!」
あぁ、痛快だ!爽快だ!愉快だ!こんなにも楽しい事があるか!?
何度も突き刺して行く、すると後から抱き締められ、生太刀を止められる
誰だ?邪魔をするな今私は楽しんでいる
後ろを振り向くと1人の少女が涙目になりながら訴えていた
「もういいよ奏くん!もう終わってるんだよ、もう止めていいんだよ!?」
そう言われ、改めてムリエルを見てみるともう光の粒子になって消えていく所だった
なんだもう果ててしまったか.....つまらん。所でこの少女は何という名前だったか?
「奏くん?あなたは本当に奏くんだよね?」
......あぁそうだ友奈、結城友奈だ。
......そうだよ結城友奈だ、今どうして俺は友奈の事を忘れていた!?俺は今まで何を......
恐怖を覚える、今までの自分の行動に、言動に、感情にそして何より友奈を忘れていた事に
「ゆ、友奈、俺は俺は......本当に俺は安森奏なのか?」
生太刀を落としてしまう、手が震えていた、いや手だけではない身体が震えていた
怖い、怖い自分が自分と証明出来ないことが怖い
「だ、大丈夫、大丈夫だよ、奏くんは奏くんだよ」
友奈が抱き締めてくれた、優しく慰めるように
うぅむ、上手く書けている気がしない.....もう少しだけ具代的に書きたいのに