「貴方が満開した時、身体のどこかに異常は無かった?」
「っ!!!」
息をのむ、反射的に聴力の無くなった左の耳に手をかざす
......確かに私達は満開した後身体のどこかに異常がある、いやでも.....まさかそんな
「それが散華、私達人間が神の力を行使した代償、いやどちらかと言うと供物かな?そして勇者は絶対に死なない、うぅん死ぬ事は許されないんだよ」
「そんな.....どうして私達が.....」
「いつの時代も神様に捧げられるのは無垢な少女のみ、勿論中には例外もあったけどね」
「で、でも私達の身体は元に戻るのよね?」
「治りたいよね?うん私も治りたい、歩いて好きな人を抱き締めて、一緒にご飯を食べて、遊びに行きたいよでもね、私は2年間このまま」
「そん....な、そんなのって.....」
「私が話したいのはこれだけ、もういいよ」
包帯の少女が合図をするとどこからか出てきた大赦の人達が私を囲んでいた
「彼女はちゃんと送り届けてね、コレは命令だから」
「ちょ、ちょっと待って!」
「連れていって」
「やっぱり貴方の名前を.....!」
「貴方に名乗る名前は無いよ」
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~side奏~
「奏様、奏様お気を確かに」
「あぁぁぁぁぁぁ.....」
名前を呼ばれている?いやソレは本当に俺の名前か?
「奏様私の顔をしっかり見てください」
「.......」
目の前にいる大赦の人は仮面を外して俺の顔を両手で掴み、無理やり向けられ、大赦の人と目が合った
よく声聞けばいつも世話してくれる大赦の人の声か.....それすら分かんなかったって結構ヤバイよな
「大丈夫です、貴方は正真正銘安森奏様でございます」
「その声.....いつもの人だったんですね今わかりましたよ、てか眼鏡掛けてたんですね」
「どうやら落ち着いて来た様子ですね」
「お陰様で」
ザザザと脳内に映像が流れてくる
またこれか......今度はなんだよ
目の前にいる眼鏡をかけた女性と、顔は見えないが3人の少女が一緒にいる、眼鏡の女性は今の無表情からは想像出来ないような笑顔で少女達と共にいる
「奏様?」
「あ、いやなんでもない、です」
いやいや、この人があんな笑顔をするのは無いだろ、どうせこの映像も俺の思い込みかなんか何だろうし、わざわざ聞く必要も無いよな
ザザザとまた映像が流れてくる
目の前にいる眼鏡をかけた女性に手料理をご馳走している映像だ
あぁ.....そう言えばこんな事もあった.....いや、俺はこんな記憶ないある筈ないだろ、この人の顔を見たのは今日が初めての筈なのに.....ったく、なんなんだよ!最近こんな事が多過ぎだろ!!!折角落ち着いて来たと思ったらまた取り乱すじゃん!
次回は奏くんの暴走した原因についての話ですね、次回辺りからは少しネタぶち込みたいな~