「......もう朝か」
ここまで気だるげな朝を迎えたのは生まれて初めてだな.....いや2年しか生きてない様なもんだけどね?
だるい身体でベットに寝そべったまま時計を確認すると、いつも起きる時間よりも30分程寝坊していた。と言ってもいつもは料理を作るために早起きをしているが今日のご飯は大赦の人に頼んであるので問題ない
「何やってんだろうな俺は.....」
あの時園子から逃げ出した後、結局園子と顔を合わせていない、逃げた事も謝る理由でもなければ説明もせずに今もまだ園子を避けてしまっている、それなのに園子に合わせる顔が無い
「はぁ.....気が重いな、もう今日学校サボろうかな?」
そんな事をぼやくと枕元で充電していた端末から八咫烏が飛び出し、奏の顔に着地した
「.....なぁ八咫烏やい、そこ俺の顔なんだけど退いてくれない?」
反応無し.....か、まぁ言いたいことは分かるけどさ
「分かった、分かった学校ちゃんと行くから退いてくれ」
ダルい身体にムチを打ち、顔面に乗っている八咫烏をどかし、身体をベットから起こし立ち上がる、流石にそろそろ起きなければ学校にすら遅刻してしまう
「取り敢えず学校行ったら皆に説明しないとな」
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「勇者は決して死ねない?身体を供物として捧げる?」
学校に着いた早々東郷に風と一緒に学校の屋上に呼び出されたかと思えば......
どうやら東郷は最後の戦いが終わった後に大赦に呼び出された様だ、そして大赦で先代の勇者に会いそこで勇者システムの仕組みについて説明されたらしいが
「満開の後私達の身体はおかしくなりました、身体機能の1部が欠損したような状態です、それが身体を供物として捧げる事だと.....私のあった先代勇者が言っていました」
「そんな.....じゃぁ私達の身体はもう、治らないって言うこと?」
「.....その話、友奈たちにはしたのか?」
「いいえ、まだよ取り敢えず風先輩と奏君に話してから考えようかと思って」
......本当は説明した方がいいんだろうけど、まだ本当かどうかしっかりと分からない以上下手に心配して欲しくないし......何よりこんな事を樹に話す訳にはいかないな
「.....他のみんなにはまだ黙っておきましょう、下手に心配をかけさせたく無いわ」
「俺も同感だ」
「それで今度は奏君の番だけど.....」
東郷の言葉を遮るかのようにピーンポーンパーンポーンと予鈴が、鳴り響いた
「俺の件は今日の夜にでも部活のグループにでもメールしとくよ、特にヤバイ事があった訳じゃないしな」
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にしても大赦に先代勇者が居たのか見たことないな....いや東郷が来るからわざわざ大赦に来た可能性もあるし、俺が見れる様な所にいない可能性もある.....名前は聞けなかったみたいだし手がかりは少ないな
授業中、雨が降っている校庭を見ながらそんな事を考えていた
実は最近友奈の扱いに困るんですよね......他の勇者部のメンバーに比べるとやっぱり掴み所が無いと言うかなんと言うか....高嶋ちゃんみたいな性格なのかな?