「よ、2年ぶりだな園子」
「そんな......だってミノさんは2年前に敵.....」
「ところがぎっちょん生きてました!ごめんな?本当は無事だっていう事を伝えたかったけどちょっと色々あってさ~」
流石の園子も驚いている、銀がいきなり乱入してくるのは園子にとっても想定外の事態だった様だ
「.......でも私の邪魔をしたのはなんで?」
「そりゃ奏や須美.....じゃなかった、えぇっと美森を見捨てる訳には行けないだろ?って言うかそもそもアタシは園子に人殺しになって欲しく無いんだ」
「それでも私の邪魔をするならいくらミノさんでも、私は躊躇無くミノさんを殺すよ?」
そう言って銀に向かって手をかざし、餓者髑髏の力を発動させる、だが銀には全く効果が無いようだ
「な!?」
「こっちは元々お前と戦う事が前提でここに来てるんだ、ちゃんと対策位してくるさ」
「成程ね、でも私の力は餓者髑髏だけじゃ無いよ?餓者髑髏の力がなくったって私はミノさんを殺せるし、殺す」
「だろうな、そう言うと思ってたよ......それでもアタシは奏達につくよ。でも始める前に少し奏と話をさせてくれないか?」
「......いいよ、最後位は話してもでも少しだけだよ」
「分かってるよ、ありがとな!」
「.......」
2年前、4人でよく遊んでいた時と同じ笑顔で奏の元へ掛けていく銀
「奏も久しぶりだな」
「ぎ、銀....よか、た.....」
あぁ、上手く声が出せない自分に腹が立つ、言いたい事が沢山あるのに、それを声を出して伝える事が出来ない
生きていてくれて嬉しいという事、今までどこに居たのかという事、そして園子と戦って勝率はあるのか?様々な事を聞きたいが、餓者髑髏の影響で上手く声を出せない
「おいおい、無茶すんなって.....ごめんな?私ももっと色々話したいんだけどさ、時間が無いからコレだけ伝えておく。カッコよく登場したは良いけどアタシには園子は止められない、けど奏なら.....いや奏しか園子を止められないんだ、アタシに出来るのは精々時間稼ぎ位だ......だからその間に何とか餓者髑髏の力を破ってくれ、1度破ればもう効かない。だからその後は奏に頼んだ!!」
「っ!!!!」
銀のその表情は見た事があった、彼女が死んだと思った戦いの時に、自分にまたね、とお別れを言った時の顔に余りにも似ていて、思わず息をのんだ
奏に背を向けて園子の方へ戻っていく銀
「もういいの?」
「おう!言いたい事は言ってきたからな!」
「......ミノさんじゃ私には勝てないよ?それでもやるの?」
「あぁ、それでもやる」
「.......そっかぁ、私昔からそう言うミノさんの優しい所とか諦めない所、大好きだったよ.....」
その言葉を境に空に浮かんでいる多数の槍を構え、戦闘態勢に移行する園子
「えっと、犬吠埼樹ちゃん、であってるよな?樹って呼んでもいい?」
こくんと頷く樹
「凄く疲れてるとは思うけど、もう少し戦える?」
今度は力強く頷いた樹をみて満足そうに頷き返す銀
「そっか、じゃぁごめん少しつきあってくれ、最後は奏が何とかしてくれるから」
そう言ってもう一本戦斧を出現させ、元々持っていた戦斧と柄の部分同士を連結させひとつの武器にした
「さ、やれるだけやってみますか!!」
ただでさえドロドロしてる話で、更に絶望させるのはどうかと思いますが、いくらミノさんでも園子様には絶対に勝てません......相手は対勇者殲滅用の勇者ですよ?