境界線上の錬金術師   作:銀の鴉

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2つ小説を書くのって大変なんですね。


第一話

 右舷一番艦 “品川” 右舷二番艦 “多摩” 右舷三番艦 “高尾”

 

中央前艦 “武蔵野” 中央後艦 “奥多摩”

 

左舷一番艦 “浅草” 左舷二番艦 “村山” 左舷三番艦 “青梅”

 

多くの縄で繋がれたこの艦の名を、“武蔵”と言う。

 

 『市民の皆様、準バハムート級航空都市艦・武蔵が、武蔵アリアダスト教導院の鐘で朝八時半をお知らせ致します。本艦は現在、サガルマータ回廊を抜けて南西へ航行、午後に主港である極東代表国三河へと入港致します。生活地域上空では情報遮断ステルス航行に入りますので、ご協力御願い致します。――以上』

 

奥多摩に建つ建物、武蔵アリアダスト教導院の正面玄関前にある橋の上で、黒いジャージを着た女性が声を上げた。

 

 「三年梅組全員集合――。いい?」

 

 「これから体育の授業を始めます――――先生これから〝品川〟の先にあるヤクザの 事務所に殴りこみに行くから。それについ てくること。そっから先は実技ね」

 

 彼女はオリオトライ・真喜子。これでも一応教師である。

 

 「教師オリオトライ。体育とヤクザには何の関係が?――金ですか!」

 と言ったのは彼の腕には『会計 シロジロ・ベルトーニ』という腕章がついていた。

 

 その隣にいる少女から補足が入った彼女の腕には『会計補佐 ハイディー・オーケザヴァラー』と書いてある腕章がついていた。

 

 「ほらシロ君。先生この間地上げにあってビール飲んで壁ぶち抜いて教員科にマジ叱られたから」

 

 「中盤以降は全部自分のせいだと思うのだが。報復ですか?」

 

 「あはははー。報復じゃないわよ。ただ腹立ったんで仕返しに行くだけ」

 

 「同じだよ!」

 

 全員でつっこんだ。

 

 「さてと。それじゃあ誰か休んでる人いる?ミリアムは仕方ないとして。あと、東が今日の昼に戻ってくるとして。他は?」

 

 と聞くと、一人手を上げる少女。 黒い三角帽に背には六枚の翼。腕には『第三特務 マルゴット・ナイト』と書いてある腕章がついていた。

 

 「う~ん。ナイちゃん見るにセージュンとソーチョー、あとエドっちがいないかな~」

 

 その声に答えるように隣にいた黒髪で背には同じく六枚の羽を持つ少女。腕には『第四特務 マルガ・ナルゼ』と書いてある腕章がついていた。

 

 「正純は今日は午後から酒井学長と三河に降りるから自由出席のはず。総長、トーリについては知らないわ。エドも同じく何も聞いてないわ」

 

 「んじゃあ。トーリとエドについて知っている人いる?」

 

 すると、今度は後ろのほうにいる少女が答 えた。

 

 「フフフ、皆うちの愚弟のトーリについて 知りたい?知りたいわよね?だって武蔵の 総長兼生徒会長の動向だものね ――――――でも教えないわ!」

 

 テンションを振り切らすように答えるのは、ゆるいウェーブの掛かった茶色の髪を飾布で所々結び、豊満な胸を腕で支えて いる少女。葵・喜美だ。

 

 「だってこのベルフローレ・葵が朝起きたらもういなくなっていたんだもの」

 

 「あのー、喜美ちゃん。また芸名変えたの?」

 

 「ええそうよマルゴット。だから私のことはベルフローレ・葵と呼びなさい!いい!?」

 

 すると喜美はナイトのところまで行き、ナイトの肩をがくがく揺らしながら言う。

 

 「こ、この間はジョゼフィーヌじゃなかったかな……」

 

 「あれは三軒隣の中村さんが飼い犬に同じ名前をつけたからナシよ!いい!?」

 

 「じゃあ、トーリは無断欠席として、エドについて何か聞いてる人いる?」

 

 先生がそう聞くが誰も手を挙げなかった。

 

 「浅間は?何か聞いてない?」

 

 「え、い、いえ何も聞いてないですけど?」

 

 答えたのは赤と翠の瞳を持ち、長い黒髪と 長身。さらに、先の喜美をも越える胸を持った少女、浅間・智だ。

 

 「浅間が知らないんじゃあ、誰も知らないか」

 

 「あの、なんで私基準なんですか?エド君の情報限定で」

 

 「だってアンタ達隣の席だし、それになんといっても同居してるじゃない」

 

 「「「えぇぇぇぇ~~~~!!!!????」」」

 

 「喜美!誤解されるような言い方しないでください!エド君家がないから私の家に居るだけです!」

 

 「はい、じゃあ、落ち着いたところで授業を始めるわよ」

 

 「先生!攻撃を『通す』ではなく『当てる』でいいので御座るか?」

 

 と言ったかれの腕に『第一特務 点蔵・クロスユナイト』と書いてある腕章がついていた。

 

 「戦闘系は細かいわねぇ。それでいいわよ。手段も問わないわ」

 

 すると、点蔵は急に両手で何も無い虚空を揉み始めた。

 

 「では、先生の体のパーツでどこか触ったりすると減点されるところあり申すか?」

 

 「またはボーナスポイント出るようなところとか?」

 

 点蔵と一緒に会話に入ってきた彼の腕には『第二特務 キヨナリ・ウルキアガ』と書いてある腕章がついていた。

 

 「あっはっは――――授業始まる前に死にたいんかアンタら二人は」

 

 と、オリオトライは背の長剣を点蔵とウルキアガに向ける。

 

 「じゃあ、先生に攻撃を当てられたら出席点五点プラス。わかる?五回サボれるの」

 

 それじゃ、とオリオトライは言うと、橋から飛び降りた。

 

 傍から見ればただの投身自殺にしか見えないが、戦闘能力はおそらく武蔵の中でもトップクラスの人間。くるりと一回転をし、着地した。

 

 「ほら。遅いわよ!」

 

 「くっ!追え!!」

 

 ウルキアガが一喝するがごとく言うと、全員が走り出した。

 

 オリオトライは〝後悔通り〟と呼ばれる通りを走っていた。 ふと、目の端で一つの墓碑を捉えた。

 

 『1638年 ホライゾン・Aの冥福を祈って 武蔵住民一同』

 

 オリオトライはそれを見て少しだけ微笑む。

 

(ホライゾン、か……きっとあの子達にとって、全ての始まりになる名前でしょうね)

 

 さて、と地面を一回蹴り、宙へと飛ぶ。

 

 そろそろ先頭集団が来る頃だ。

 

 左舷一番艦〝浅草〟 その艦橋部分に、一人の少年が寝そべって空を見上げていた。

 

 金髪の髪の毛を後ろで三つ編みにしていて、金の瞳は青い空を見上げていた。

 

 すると後ろから声がかかった。

 

 「エド様。 授業はよろしいのでしょうか? ――――――以上」

 

 「――――浅草?」

 

 「Jud.浅草です――――――以上」

 

 少年が振り向くと、そこには一人の女性型の艦長式自動人形浅草が立っていた。

 

 「ああ~。一応点数足りてるからな問題はないんだよなぁ~」

 

 「つまりサボりなのですね――――――以 上」

 

 「そう言われるとそうとしか返せないな」

 

 そう言いながら少年は立ち上がった。

 

 「さて、そろそろ行くかな。サボりたくはないしな。それにやりたいこともあるし。」

 

 「浅間様への告白、ですか?――――以上」

 

 「jud.そのとうりだ」

 

 「さて、行くか」

 

 と言うと少年は両手を合わせて地面に置いてあった鉄を槍にして背中に背負った。

 

 「いつ見ても凄いですね。エドワード様。――――以上」

 

 「ああ、俺だけが出来るからな、この錬金術は」

 

 「じゃあ、行くぜ」

 

 そういって彼も品川の方へ向かっていった。 




追加して欲しいキャラなどがあったら言ってください。感想や誤字などがあったときも言ってくれると助かります。
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